高額買い取り査定3つの鉄則!ヴィンテージ時計を売るならどうすべき?
出演:野村店長×高橋(販売スタッフ)
時計を買い取りしてもらうならば「なるべく高く!」とは誰もが思うこと。今回は、買い取り査定をしてもらう際に注意しておきたいポイントを、野村店長と高橋さんが伝える。
高橋さんが「初心い(うぶい)」と語る、ロレックスの『赤サブ マーク4ダイヤル』(1974年製 Ref.1680 箱、取扱説明書、錨付き)を見ながら話を進める。初心い時計とは、目垢がついておらず、余計な修理がされていない時計のことだ。
【鉄則その1】余計な手を加えない!
「持って行く前に拭き上げるのは良いけれど、磨くとか裏蓋を開けるとか。あとは動くことを確認するくらいはいいけれど、使ってみるとか。そういう行動は控えていただいて、そのままの状態で持ち込むのが一番高額査定につながると思います」(高橋さん)
「そうですね。これは難しいですけれど、よく修理してから持ってくる人がいるんですが、無駄にお金を使う感じです」(野村店長)
「その通りです! ファイアーキッズでは一度我々の方でオーバーホールを行い販売するスタンスなので、オーバーホールして持ってきていただく必要はないですね」(高橋さん)
その理由は、ヴィンテージ時計特有の良さを理解していないところに出してしまうと、磨かれたりパーツを交換されたりしてしまい、オリジナルの良さがなくなってしまうからだ。
「ロレックスに出すと、針が変わっているなんていうのが普通なので、それによって何十万円と査定が下がりますよね」(野村店長)
「ケースバイケースですけれど、特にロレックスに関してはメーカーに修理を依頼すると4桁のリファレンスは価値が下がると思っていただいた方がいいですね」(高橋さん)
「普通の買い取り屋さんに持って行くのなら、動かない状態よりも動く状態にして持って行った方が高くなると思うんですけれど、ファイアーキッズのような専門店に出す場合は、余計なことはしない方がいいんですよね」野村店長)
例えば、ブレスレットを新しい革バンドに付け替えるようなこともNG。そのままの状態で持ってきていただくのが一番だ。
「アンティーク・ヴィンテージの世界は、傷だらけでもオリジナルが良いという人はいくらでもいるんですよね。だから査定を高くするために綺麗にしちゃおうとかは必要ない。海外ではよく“ポテト”と言って、ジャガイモを掘り起こしたみたいな感じで泥だらけの方が初心い」(野村店長)
「手垢まみれで風防も傷だらけ。オーバーホールも一度も受けたことがないような、長年使われていなかった状態がいい。そこをしっかり査定して買い取り価格に反映させています」(高橋さん)
【鉄則その2】持って行くお店を間違えない!
「持って行くところを間違えると損をする。例えば現行に近いものはファイアーキッズに持ち込むよりは、現行に強いお店に持って行った方が高く買ってくれることがあります。ファイアーキッズは20年経過したものを買い取りしているけれど、ギリギリのライン。(20年くらい前のものは)ファイアーキッズよりも高く買ってくれるところもあるので、そういうときは素直に言っちゃいます」(野村店長)
「よく野村さんは『2件くらい相見積もりするのが基本ですよ』とアドバイスされるので。ファイアーキッズは古い時計に関しては強いですけれど、そのほかはファイアーキッズよりも良いところがあるかもしれないので、相見積もりしていただいて損をしないようにしていただくのが良いと思います」(高橋さん)
ヴィンテージの場合は動かなくてもそのまま持って行くことが推奨されるが、現行に近い時計は動かないことがマイナスに働く場合がある。ファイアーキッズではそのあたりの質問にもお答えしているので、迷ったら相談に訪れてみてもよいだろう。
【鉄則その3】付属品は取っておく!
それでは、現在ファイアーキッズにあるロレックスの『赤サブ マーク4ダイヤル』(1974年製 Ref.1680 箱、取扱説明書、錨付き)のどこが査定ポイントになるかを見ていく。
「最近エッジが立っていれば良いというものでもないと思うけれど、はっきり言って仕上げればエッジは立つので、やはり太さですよね。ベゼルもグレーに退色していて針も良い雰囲気」(高橋さん)
「これはたぶんメーカーに1回くらい出したのかな?というくらいの磨き具合。ブレスを変えられちゃうこともあるけれど、オリジナルのブレスで伸びがほとんどない」(野村店長)
「ちょっとありますけれど(笑)でも自然ですよ。クラスプもオリジナルです。付属品も良いですね。錨が付くのは嬉しいポイントです」(高橋さん)
「これがあるからどうなんだ?という気もするけれど、あると嬉しい! 今はこんな錨でも意外と売られていますから。付属品は当時価値がなかったものでも、一緒にお持ち込みいただくのが一番良いかもしれないですね」(野村店長)
「これは残念ながらギャランティはないです。葉書を送って取る方式の時期があって、面倒くさくてやらないから『ギャランティがない』というのはよく聞きますよね」(高橋さん)
箱もない場合が多いため、箱ありもプラスポイント。付属品があることは時計が大事にされていた証でもあるため、たとえボロボロになっていたとしてもすべて持ち込んだ方が良い。
ヴィンテージ時計の場合は、まず余計な手を加えないこと。そして、適切に取り扱ってくれるお店を探し、どんなにボロボロでも付属品もあれば一緒に持って行くこと。この3点が高額査定のポイントだ。