チューダーの新作『ブラックベイ クロノ“ブルー”』は2モデルの要素を受け継いでいる

2024.10.31
Written by 編集部

ブラックベイのベースはサブマリーナー

 チューダーは言わずと知れたロレックスの弟分的なブランドだ。そして、その人気モデルに『ブラックベイ』がある。画像を見ればわかる通り、典型的なダイバーズウォッチである。『ブラックベイ』自体の誕生は2012年と歴史は浅い。でも、どこかでみたことのある容姿である。それもそのはず、そのベースとなっているモデルは、ブランドが誇る名機『サブマリーナー』だからだ。

 チューダーの『サブマリーナー』は発売当時から高い支持を得ており、生産終了後の今日もその人気は大変なものである。当時、日本では“チュードル”の『サブマリーナー』であったが。

 ただ、ブラックベイは、単にサブマリーナーを復刻しただけのモデルではない。伝統的なディテールを継承しつつ、オリジナルのデザインや自社製ムーブメントなど、現代的な要素も多分に盛り込まれているのだ。

1977年製チューダー『サブマリーナー』 ステンレススティールケース、40㎜径

 その特徴の中でも、もっとも印象的なのがスノーフレーク針である。スノーフレーク針は1970年代にチューダーの腕時計で、初めて採用されている。当時はフランス海軍が軍用時計として使用していたという。

 以降、チューダーにおけるすべてのダイバーズウォッチで、スノーフレーク針が使われている。今やブランドのアイコンといっても過言ではないスノーフレーク針は、『ブラックベイ』にも大きな影響を与えている。

継承されるスノーフレーク針

ロレックスと同等の高い品質を持つ

 そして、『ブラックベイ』の大きな魅力のひとつが、ムーブメント以外はロレックスに使われているものとほぼ同じパーツが採用されている。それはつまり、チューダーの腕時計はロレックスと同等の高い品質を持っているということである。

 デザインにおいてもブランドの伝統を受け継ぎ、レトロ感とスポーティさを併せ持っており、ダイバーズウォッチとして進化しつつ、過去の名機に見られる数々のディテールも残されているのである。

 そんな『ブラックベイ』に限定モデルの新作が登場した。

 このモデルはブルーダイヤルを持つ美しい1本。これはチューダーブルーと呼ばれ、ブランドの歴史と深く結びつた色だという。海と空の色を思わせるブルーは、チューダーの冒険精神とその美学における永続性を体現しており、これまでにも数々のモデルに採用されてきた色だ。

チューダー『ブラックベイ クロノ “ブルー”』 ステンレススティール、41㎜径 79万2000円

 とくに『ブラックベイ58』のブルーダイヤルは、チューダーファンの間で熱狂的な支持を得ている。今回は、チューダーファンの期待に応えるべく、そのブルーカラーを人気の『ブラックベイ クロノ』に採用したということだ。それは1970年に発表されたブランド初のクロノグラフ、『オイスターデイト』の要素も受け継いでおり、ダイバーズウォッチとしての進化と融合している。

 気になる心臓部は、マニュファクチュール クロノグラフキャリバー MT5813が搭載されている。約70時間のパワーリザーブと耐磁性シリコンバランススプリングを備え、COSC認定を取得。さらに、チューダーは独自の厳格な基準を持ち、組み上げた状態で日差 -2秒から+4秒という高精度を実現している。

 ブラックベイ クロノ “ブルー”は、チューダーの70年以上にわたるクロノグラフの歴史と、ダイバーズウォッチの伝統を見事に融合させたもの。「ネオビンテージ」と呼ばれるコンセプトによって、単なる過去の復刻ではない、高度な実用時計として進化させている。

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