クレドールにもあった！ジェンタデザインの復刻モデルに新色

70年代の傑作に連なる

　オーデマ ピゲ『ロイヤル オーク』、パテック フィリップ『ノーチラス』など、ラグジュアリースポーツウォッチの名作を手がけた時計デザインの巨匠、ジェラルドジェンタは70年代にクレドールの腕時計もデザインしていた。それが『ロコモティブ』である。

　見るとベゼルの形やビスをデザインに活かしたところなど、『ロイヤル オーク』に通ずるものがみられる。時計好きならばジェラルド・ジェンタ氏の手になるもの、と一目でわかるデザインである。

　ジェラルド・ジェンタとは、時計史に残るさまざまな傑作モデルをデザインした名匠。前衛的で多彩なデザインから「時計界のピカソ」とも称される人物だ。近年流行したラグジュアリースポーツウォッチは、1970年代に彼が手がけたモデルが原点となっている。

　この『ロコモティブ』が誕生したのも79年。「牽引力となるもの」機関車を意味する“ロコモティブ”という名も「クレドールを牽引し、未来を担うモデルになってほしい」という想いからジェンタ氏が名付けたものだそうで、彼にとっても思い入れたっぷりの一本なのである。

　ロコモティブの特徴は六角形である。ベゼル、ケースデザインはもちろん、リューズやブレスレットの中駒、それにベゼルを留めているビスまで六角形なのだ。ベゼルとケースを結合させるためのビスにまでデザイン性を持たせるのも彼らしい。

　この限定で復活復刻した24年のモデルは、チタン製のベゼル、ケースをヘアラインとポリッシュで仕上げており、アイコニックな六角形デザインをより美しく、立体的に構築している。

初代モデル同様の薄型ケース

　ブレスレットはヘアラインで仕上げられているのだが、面取りが施された駒の両橋をポリッシュで仕上げることで、美しさを演出している。そして、全体的に丸みを帯びたブレスレットの滑らかさからは機能性が感じられ、心地よい着け心地を実現している。

　ムーブメントは、初代モデルはクォーツ式が搭載されていたが、この限定復刻モデルは新開発されたの自動巻き「Cal.CR01」に変更。ただオリジナルがクォーツを搭載して薄型だったこともあり、このキャリバーも薄型に作られており初代モデル同様のケース厚8.9㎜以下を実現している。

　今年、そんな『ロコモティブ』に新色ダイヤルのモデルが登場した。ダイヤルカラーはグリーン。深みのあるグリーンは、「Green Light」を表している。これは「青信号」に由来し「物事を進める際のGoサイン」意味する。ダイヤル上には六角形が敷き詰められており、光の当たり具合でその色が変化するようになっている。

　クレドールはフランス語で「黄金の頂」を意味する。これまでも日本の美意識と匠の技の融合を心がけて製作されており、この『 ロコモティブ』もその系譜に連なる美しき腕時計と言えるだろう。