初心者でもわかるアンティーク・ヴィンテージ時計の購入方法
アンティーク・ヴィンテージ時計に興味を持ってはいても、取り扱いが難しそうといったことや壊れそう、種類が多くて分からない、などの理由で手を出せない人もいるのではないでしょうか。特に種類の多さはマニア向けの印象にもなるので、自分に合ったものを見つけ出すことが難しいと感じるかもしれません。
しかし、魅力的なアンティーク時計であれば誰でも1本は持っておきたいところでしょう。そこでまだアンティーク時計を購入したことがない、アンティーク初心者の方に向けて購入方法をご紹介します。
アンティーク時計とは?
アンティーク時計とは、古くから作られた時計で一般的には100年以上前に作られた時計を指します。その種類には腕時計、懐中時計、壁掛け時計、置き時計など様々で、これらの時計は精密な機械部品や美しい装飾、独特な様式、時代や地域によって異なる特徴を持っています。
現在ではアンティーク時計は、その歴史的な価値や希少性から、コレクターの間で高く評価されているものもあります。また、美しいデザインや職人の手により精巧に作られた独特な機械の動きなどから、マニア以外の一般の人々にも魅力的な存在として親しまれています。また古ければ古いほどその絶対数も少なく、その希少性というステータスもアンティーク時計を身につける理由になります。
アンティーク時計の選び方
アンティーク時計を選ぶときにはいくつかポイントがあります。基本的な部分では同じですが、自分の普段使いとして購入するのか、贈り物として購入するのか、投資目的で購入するのかで注意すべきポイントが若干異なります。
普段使いするアンティーク時計を選ぶ場合
アンティーク時計を普段使いするものであれば、自分のライフスタイルの一部になるものであるため好きなデザインやスタイルを選ぶことが重要です。
また、耐久性と状態も重要です。アンティーク時計は簡単に壊れるものではありませんが、精巧にできている分、修理にもそれなりのコストがかかります。ですので、耐久性のほかに欠陥や損傷がないかどうか内部機構の状態にも注意が必要です。
そして、メーカーや製造年もポイントになります。アンティーク時計はメーカーや製造年によって、その時計の価値や希少性が変わることがあります。他の人が身につけていない時計を身につけることも差別化になるので、できるだけ正確な情報を得るようにしましょう。
アンティーク時計を選ぶ上で重要なポイントとしては信頼性があります。信頼性とは時計を入手する上での信頼であり、どのようなところから入手するのか、その時計の価値は信頼できるものかといったものです。
贈り物としてアンティーク時計を選ぶ場合
贈り物としてアンティーク時計を選ぶ場合も、基本的には普段使いする場合と変わりません。ただ、時計に詳しくないことが多くなるため信頼できる専門店で入手する方が良いでしょう。贈り物の場合、単純に価格では選ばず、相手のライフスタイルなどを踏まえてモデルを選ぶ方が良いでしょう。
投資目的としてアンティーク時計を選ぶ場合
ブランドと希少性が価値につながるアンティーク時計は長期的に見るとリターンをもたらすことがあるため、投資目的で購入されることがあります。投資目的で購入するためにはブランドやモデルの人気度や希少性、製造年、状態といった時計のことのほかに、マーケットのトレンドを理解しておく必要があります。
アンティーク時計の価値を正しく知っておくためには、投資前に専門家や鑑定士による十分な調査が行われていることや、信頼性のあるところから入手する必要があります。また、投資である以上、コストは普段使いの場合以上に全体的なコストを考慮する必要があります。
なによりアンティーク時計に投資することは、リスクがあることを理解した上で、慎重に考えることが重要です。
アンティーク時計のおすすめブランド
アンティーク時計を選ぶには個人の好みが一番大きい要素ですが、誰でも一度は手に入れてみたいブランドをご紹介します。
ロレックス
>>ロレックスをもっと知る
高級時計と聞いて多くの人が想像するのがロレックスでしょう。ロレックスは1970年代までは実用性の高い時計に最も注力していたこともあり、定期的なメンテナンスを行うことで普段使いでも問題ない耐久性を誇るのが特徴です。
そのデザインは細かく調整されているものの基本的な部分は1950年代後半から変わっていないため、その違いはわかりにくいかもしれませんが、ぱっと見てロレックスと分かることこそ、ロレックスが高級時計と認識される要因になっています。
デイトナ
正式名称「オイスターパーペチュアル コスモグラフ デイトナ」。ロレックス唯一のクロノグラフでロレックスのステータス性を味わえる時計です。
レース用クロノグラフであるデイトナはタキメーターベゼル(時速を測るベゼル)を持つこと、視認性・防水性といった外装仕様が実用的であったこと、そしてデザイン性の高さから大きな人気を博しています。今ではロレックスの象徴として、アンティーク時計では誰もが一度は手にしたいモデルとなっています。
GMTマスター
GMTマスターは地球上の異なる任意の2ヶ所の時間を同時に示すことができる時計で、航空会社のパイロット達の要望により開発されたモデルです。この「GMT」とは、グリニッジ標準時(Greenwich Mean Time)を表します。
グリニッジ標準時というのはイギリスにあるグリニッジ天文台が観測する時刻のことであり、多国間の時刻を表すためにGMT+1やGMT+2と表記されているものがこれにあたります。
回転ベゼルと24時間針がついており、通常の短針(時針)は12時間に1回転します。この特徴的なデザインと耐久性が人気の理由となっています。
サブマリーナー
サブマリーナーはダイバーズウォッチの基準を定め、歴史的ターニングポイントの象徴となったモデルです。現在のモデルでは水深300m(1,000フィート)までの防水性能を備えており、実用性の高いものとなっています。
オメガ
スイスの高級腕時計「オメガ」は、その優れた品質やデザイン、歴史などから世界的な知名度を誇り、日本でも人気のブランドです。1894年に高品質の新型ムーブメント「19 ライン キャリバー」を発表し、「究極」という意味を込めて、ギリシャ文字の最後に登場する文字から「オメガ(Ω)」と命名されています。
オメガの時計は幅広い世代から人気を集めており、若者からは憧れのブランドとして、ミドルエイジからはスーツに合う時計として認知されていることから非常に身に付けやすいアンティーク時計です。また歴史も長く、シニア層にもファンが多いブランドでもあります。
機構ではムーブメント内の部品摩擦を軽減し、部品の寿命を大幅に延ばせる「コーアクシャル脱進機」を業界で唯一採用しており、その耐久性からアメリカ航空宇宙局「NASA」の公式装備品にオメガの「スピードマスター プロフェッショナル」が採用されたこともあります。
スピードマスター
「スピードマスター」は、1957年にカーレース用の腕時計として販売が開始されて以来、長きにわたり愛されている、オメガの代表的なロングセラーモデルです。手巻き式モデルの「スピードマスター プロフェッショナル」は、NASAが宇宙における船外活動の使用を認めた唯一の腕時計としても知られており、人類初の月面着陸に携行されたことから「ムーンウォッチ」という愛称でも呼ばれています。
また自動巻き式が主流となった現在でも、「スピードマスター プロフェッショナル」だけは手巻き式があります。
シーマスター
「シーマスター」はスピードマスターと人気を二分する、オメガの主力コレクションです。1940年代後半の発売当初は、日常生活防水レベルの性能を備える程度でしたが、のちのモデルでは高い防水性能を誇るモデルを展開しています。映画「007」シリーズの主人公ジェームズ・ボンドが作中で愛用したことでも知られており、その人気に拍車を掛けています。
グランドセイコー
グランドセイコーはもともとセイコーの中で高級時計を担うブランドとして1960年から様々なラインナップを展開していきました。 2017年にセイコーから独立し、グローバル化と高級志向を高めたものが『グランドセイコー』というブランドです。
コンセプトは ”最高の普通” としており、ヨーロッパの華やかさとは一味違う、日本らしい丁寧で洗練されたものづくりが評価されています。また時計としての正確さはもちろん、美しさや視認性の良さも追求しています。デザインでは高級ブランドの必須要素である一貫性を持ち、ケースのカーブや効果的に施されたポリッシュによって、「影」に「光」と同じ価値を持たせることでヨーロッパのブランドにはない独自性を表現しています。
ヘリテイジコレクション
ブランド独立前の『グランドセイコー』のデザインを色濃く引き継ぐベーシックラインです。シンプルな3針モデルを中心とした「セイコースタイル」の正当な後継モデルといえ、王道のドレスウォッチが豊富なラインナップは末長く使い続けたい人にはオススメです。
アンティーク時計の購入場所
アンティーク時計を購入する場合、一番の注意点は商品の販売者が信頼性であり、本当に信頼して購入できるかどうかを見極める必要があります。購入には以下のような方法があります。購入を検討する際は、たとえ購入できる価格で販売されていたとしても、信頼性が持てない個人と直接取引することは極力避けた方が良いでしょう。
専門店で購入する
専門店は信頼性の部分からみても、初心者に限らず一番安心できる購入方法と言えます。専門のアンティーク時計店を訪問することで、直接専門家のアドバイスを得ることができるほか、品揃えも豊富なので、購入前に商品を実際に見て確認することができます。オンラインの専門サイトであれば、実際に店舗を構えている店舗が運営しているサイトが良いでしょう。
オークションで購入する
アンティーク時計のオークション会場で入札し、落札する方法もあります。ただし、入札額が高額になることもあるため、事前に予算を決めておくことや、購入前に商品を見ることができないといった注意点もあります。またオンラインのオークションでは商品の状態や販売者の信頼性に十分過ぎるくらいの用心が必要です。
コレクターズフェアやアンティーク市場で購入する
コレクターズフェアやアンティーク市場に出向くことで、多数の販売者から様々なアンティーク時計を見ることができます。また、値段交渉も可能で、予算に合った商品を見つけることができますが、初心者には難しいかもしれません。
まとめ
いかがでしたか?アンティーク時計は、その歴史的な価値や希少性から、コレクターの間で高く評価されており、ステータスアイテムとして身につけるほか、ライフスタイルを充実させるでしょう。これから商品を購入される方はぜひとも商品の状態や出品者の信頼性を確認し、正確な情報を収集して判断をしましょう。