ヴィンテージ時計屋スタッフが本気で選んだセイコーダイバーズ4本
時計マニアが集まるFIRE KIDSのスタッフが、ヴィンテージ時計の魅力を伝えるYouTubeコーナー。毎回異なるテーマで、厳選されたモデルをご紹介する。
ヴィンテージ時計歴1年目の販売スタッフ・クリスさんに似合う腕時計を本気で選ぼう! ということで、ヴィンテージ時計歴8年目の尾崎さんがセイコーダイバーズのおすすめ3本を提案する。国産好きな方、必見だ。
厚みを抑え日常使いしやすい『セイコー ダイバー 150m ファーストモデル』
「髙橋さんがクリスさんに時計を選ぶYouTubeを観て、僕もあるんだけどな…と思っていたんです」と、店のガラスケースから3本を取り出した尾崎さん。セイコーダイバーズ縛りだが、全て違いがあるとのこと。まず1本目は、国産初のダイバーズウォッチ150mダイバーファーストモデルの後期型6217-8001だ。
「クリスさんと言えば、エレガントかつスポーティーな男だと思うんですね」(尾崎さん)
尾崎さんがセイコーのダイバーズを選んだ理由は、クリスさんのイメージに合うからだと言う。1本ずつ指をさしながら「最高!最高!最高!」とテンション高く反応するクリスさんに早速着けてもらう。
「150mのファーストだと、ちょっと厚みも抑えられていて、ピシッと肌に沿うような格好をしていても、ちゃんと収まると思うんですよ」(尾崎さん)
「収まっていますね。ファースト好きです。ファースト最高!」(クリスさん)
夜光塗料を施した四角く幅広いインデックスは視認性が高く、薄型でシンプルなデザインはすっきりとした印象を与える。
通称・植村直己モデル『セイコー ウエムラダイバー 150mダイバー 2nd 後期』
2本目は、1974年製のセイコーセカンドダイバー後期モデル。世界的に有名な冒険家である植村直己さんが、北極圏12,000の距離を犬ぞりで足掛け3年で突破した際に着用していたモデルで、通称「植村直己モデル」と呼ばれている。過酷な環境下での使用において、優れた耐久性を発揮したことでも知られている1本だ。
「この時計はすごく大きいんですよ。でも手乗りが良いんですよね」(尾崎さん)
「良いですよね。ファーストと大きさ以外で違いはありますか?」(クリスさん)
「リューズガードが付いています」(尾崎さん)
本当は150mのセカンドのファースト前期モデルがあるが、そちらはファースト寄りの見た目なので、変化を付けるためにより特徴的なセカンド後期モデルを選んだと言う。前期型よりもボリュームのあるケースに改良され、特徴的なリューズガードになっている。
「これを着けて本当に冒険をした方がいらっしゃるモデルですから、実績があると時計です」(尾崎さん)
「晴らしいですよね。ストーリーというか、バックグラウンドがあるのは」(クリスさん)
「後期型はだいぶボリュームアップしています。この後にも続く3代目にも繋がるデザインがここで確立しているわけですよね」(尾崎さん)
大本命の『プロフェッショナルダイバー300m 6159-7001 10振動』
3本目は、尾崎さんの「大本命である」300mダイバーのファーストの後期型にあたるモデルだ。最近のクリスさんのエレガントっぽい雰囲気とは異なる腕時計ということで、厚みのある時計をチョイスしたそう。
「裏もカッコいいですね」(クリスさん)
「ワンピースになっています。削り出し裏蓋がないんですよね」(尾崎さん)
さらに前期型よりも後期型の方が、ベゼルの字が書いてある部分の色が薄っすら金色になっている点もポイントとのこと。
「私もネットで何千本も見ている中で、確かに後期型の方が金色が見られますね」(クリスさん)
「このベゼルを見て欲しかったんです。前期は手巻ではないんですけど、後期は手でも巻けますし、自動巻きですし」(尾崎さん)
セイコーダイバーシリーズの中でも、希少モデルとされている国産初のプロユーザー向けに開発されたプロフェッショナルダイバー300。61グランドセイコーに搭載されている10振動ハイビートムーブメント『6145A』をベースに製造された『6159A』を搭載している。
「このモデル、製造期間は2〜3年くらいと言われてるんですけど、なんでストップしたか分かりますか?」(クリスさん)
ここでクリスさんから急に逆クイズ。諸説あるが、ダイバーたちが実際に潜って使っていく中で、ガスを逃がすところがないので風防が外れてしまったケースが多かったからだと言う。ただ「我々はそこまでディープに行かないので関係ないです」とクリスさん。日常使いする分には全く問題ないので安心してほしい。
「インデックスの周りの金、斜め45度くらいから見たベゼルの文字の金色、ダイヤルもガラスも演出していますけど、文字盤がポンッと出てくる感じが最高です」(クリスさん)
「しかも後期型の方が1mm厚いんですよね。まさにパンプアップとボリュームアップでクリスさん向きです」(尾崎さん)
番外編・クリスさんが選ぶ『セイコー 600m ダイバー ツナ缶』
「実は気になっている時計があるんですけど、出していただいても良いですか?」と、クリスさんから特別にリクエストがあり、世界初のチタンケースを採用した本格ダイバーズRef.6159-7010も登場。
「このツナ缶は、確かにこの分厚さはちょっと振り切れていますよね。ツナ缶はガチャガチャ使われている印象があるのに状態も素晴らしいです」(尾崎さん)
「このツナ缶の状態は本当にやばいです。どれも良い時計なんですけれど、着けた時の『YES!』みたいなフィーリングが一番」(クリスさん)
ラグ足が無くケースにバンドが直接付いており、存在感のある50mmの大型ケースだが、腕のおさまりが良いモデルだ。
世界中に数多くのファンがいるセイコーダイバーズ。クリスさんのおすすめを入れると4本になってしまったが、それぞれ背景やストーリーが異なるので「ダイバーズウォッチが欲しい」「国産最高!」という方は要チェックだ。