ロレックスの弟分なんてもう古い? 再評価が進むヴィンテージチューダー3選
時計マニアが集まるFIRE KIDSのスタッフが、ヴィンテージ時計の魅力を伝えるYouTubeコーナー。毎回異なるテーマで、厳選されたモデルをご紹介する。
かつて「ロレックスの弟分」などと呼ばれていたチューダー。しかし今、その評価が世界的に大きく変わりつつある。ロレックス譲りの堅牢な作りに、チューダーならではのデザイン性とサイズ展開、そして“ロレックスより手に届きやすい価格帯”という三拍子が揃い、ヴィンテージ市場でも人気が加速している。
今回、FIRE KIDSの久保と泉谷が、特に魅力が際立つ3本のヴィンテージチューダーを厳選。かつての評価を覆す「実力派チューダー」の世界を深掘りしながら、それぞれの魅力や特徴、今買うべき理由について語り合った。
人気のノンデイト自動巻モデル『レンジャー』
まず一本目は『レンジャー』。ロレックスで言うとエクスプローラーに近いデザインだが、今回紹介した理由は「オリジナルの個体が本当に少ない」という点だと久保は話す。
1970年代のレンジャーはリダン個体が多く流通しており、オリジナルダイヤルは希少価値が高い。FIRE KIDSに入荷した個体も、『チューダー レンジャー 1977年製 Ref.9020/0』価格168万円と、ロレックスに匹敵する価値を持つ一本だ。

「しかもこの個体、リューズにロレックスの王冠マークが入った、パーツを流用していた時期の一本なんです。36mmより少し小ぶりで、ロレックスにはないサイズ感も魅力ですよね」(久保)
「遠目だと本当にエクスプローラーに見えますよね」(泉谷)
よく似ているが、12時位置のアラビア数字や、デイトの有無、そして小ぶりなケースサイズなど、レンジャー独自のキャラクターもしっかり残る。さらに、ケースはロレックス同様のオイスターケースを採用しており、裏蓋はスクリューバック、リューズはねじ込み式。
「なかなかいいお値段ですよね。でもそれ以上にやはりデザインがいいです」(久保)
“弟分”どころか“実力派のヴィンテージスポーツ”と呼ぶにふさわしい一本だ。
『クロノタイム』の中でも珍しいコンビタイプ
二本目は、強い存在感を放つクロノタイム。『チューダー クロノタイムコンビ 1999年製 Ref.79263P』69万8000円をもとにチェックしていく。

「クロノタイムは1976年に誕生したシリーズで、今回の個体はタイガーウッズと提携していたタイミングに登場した記念モデルなんです」(久保)
ロレックスでクロノグラフといえば『デイトナ』。久保も触れるように、デイトナのヴィンテージは“キングオブロレックス”と呼ばれ、手巻きで1000万円超え、エルプリメロ期でも300〜400万円台が主流だ。
「その中で、このクロノタイムはデイトナらしい雰囲気を持ちながら、まだ100万円前後から楽しめる。1980年代後半〜1990年代の個体でも、だいたい100万〜120万円あたりです」(久保)
クロノグラフ好きに刺さる要素が詰まっており、語れるポイントを持っているモデル。
・存在感あるケース
・時代背景が際立つ“タイガーウッズ期”の特別感
チューダーがただのセカンドラインではなく、しっかりブランドとして前に進んでいた証を感じられる一本だ。
ロレックスにはないサイズ感が魅力『ミニサブ』
最後は「ロレックスとぜひ比較して欲しくて選びました」ということで、『チューダー ミニサブ 1989年製 Ref.73090』。ケース径が33mm。

ロレックスの『サブマリーナ』が基本40mmであるのに対し、チューダーはサイズ展開が豊富だ。
・40mm(レギュラー)
・36mm(ミッド)
・33mm(ミニ)
「日本人は腕が細い方も多いので、40mmのダイバーズは少し大きいと感じることもあるんです。そこをカバーするのがミニサブやミッドサブの存在なんですよ」(久保)
さらに、ミニサブは「フチなし」と呼ばれる、インデックスの外側に縁がないモデルを採用しているモデルも多く、これがヴィンテージ感を強調する。
「ロレックスだと“フチなし”は人気が高いヴィンテージの特徴なんですけど、ミニサブやミッドサブは比較的新しい年代でも採用していて、手の届きやすい価格帯で味わえるんです」(久保)
「昔は“プアマンズロレックス”なんて言われたこともありましたけど、今は“チューダーらしさ”が再評価されてますよね」(泉谷)
過渡期の魅力、ロレックス譲りの堅牢さ、サイズバリエーション。その全てが揃っているのがミニサブだ。
ヴィンテージチューダーに関するQ&A
Q1.「ロレックスの弟分」って、結局いまでも正しいの?
A. 歴史的には正しいけど、“評価の仕方”はもう古いです。昔は「ロレックスの技術や部品を使って、より手に届く価格で」という立ち位置が強かった。けれど今は、チューダー独自のデザイン・サイズ展開・年代ごとのキャラクターがヴィンテージ市場で評価されていて、「安いロレックス」ではなく“別の魅力を持つスポーツヴィンテージ”として選ばれています。
Q2.ヴィンテージチューダー初心者が最初に気をつけるべき“落とし穴”は?
A. いちばんは「文字盤のオリジナル性」と「パーツの整合性」です。記事でも触れている通り、たとえばレンジャーはリダン(塗り直し)個体が多いジャンル。オリジナルダイヤルは希少で、価格にも直結します。さらに、ヴィンテージ全般で重要なのが針・ベゼル・リューズなどの交換歴。チューダーはロレックス系パーツが使われている時期もあるので、なおさら「その年代として自然か」を見るのがポイントです。
チューダーは、かつての「ロレックスの弟分」というイメージを脱し、今はヴィンテージとしてしっかり評価されるブランドへと成長している。今回紹介した3本のレンジャー、クロノタイム、ミニサブはいずれもロレックスとの関係性を感じつつ、チューダー独自の個性が光るモデルだ。
FIRE KIDSでは、こうした希少なヴィンテージチューダーを実際に手に取りながら選ぶことができる。「ロレックスは高すぎる…」「人と被らない一本が欲しい」そんな方こそ、今のチューダーを手に取る価値がある。
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