「激レア」14000本しか生産されていないヴィンテージ時計ハーウッド ハーフローター
イギリスの時計発明家であるジョン・ハーウッドによって始動したハーウッド。彼が発明した世界初の自動巻き腕時計は「ハーウッド・システム」と呼ばれ、少ない生産数とユニークなシステムでヴィンデージファンの心を惹きつけている。そんなハーウッド ハーフローターを深堀していく。
世界初の実用的な自動巻き腕時計『ハーウッド ハーフローター』
「1920年代製ハーウッド。中身がハーフローターですね」(クリスさん)
「海外だとバンパーとか言われますね。今一般的な、全回転ローターという360度回っちゃうものじゃなく、250度ぐらいかな?行ったり来たりしてる感じ」(野村店長)
「そうですね、半回転巻き上げですよね。バンパーオートマティック!実はこのバンパーオートマティックは、なんと世界初の自動巻き」(クリスさん)
ジョン・ハーウッドは自動巻きの特許を1924年に取得したのち、時計メーカー「フォルティス」の創業者であるヴァルター・フォグトとともにハーウッドのハーフローターを製作。1926年には世界最大の時計と宝飾の見本市であるバーゼルフェアで発表された。
「ハーウッドというモデルで発表して、特徴がリューズがない」(クリスさん)
「いいね」(野村店長)
「いいですよね。もう本当にリューズなんていらない巻き上げ最高!っていう感じで、世の中に発表しました。これ実際、14000個しか製造されなかったらしいです。それが今、私の手の中にある、この状態はやばいですね」(クリスさん)
ロレックスが認めた自動巻きシステム
自動巻きと呼ばれるものは、当時これ以外にも乱立していたのではと話す野村店長。実際に「世界初の自動巻き」を最初に謳ったのはロレックスだったという。
「ロレックスが世界初って1回謳ったんだけど、こっちのほうが先だよっていう話になったってことですね。だから、ロレックスが認めた“世界初の”なんだよね」(野村店長)
「ロレックスだと30年代に自動巻きが出てきてますが、バンパーではないですよね。なので厳密に言うと、バンパーも一応手のふりを動力として使っているので、そこは自動巻きのコンセプトではありますもんね」(クリスさん)
ハーウッドの半回転巻き上げのあとに、ロレックスは全回転巻き上げを開発。現在ロレックスが作っている自動巻き腕時計でもこの仕組みがスタンダードとなっている。
手動巻き上げの手間は不要。リューズなし腕時計の先駆け
あえてリューズをなくしていることが大きな特徴であるこの時計。時刻調整の方法も独特だ。
「こちらはベゼルを左右に回転することによって時刻を調整できます。調整し終えた時は、若干反対方向に回してあげると赤色のドットに変わるので、そこがニュートラルポジションと言われているポジションですね。なので使用していく中で赤色になっているかを確認して日々お過ごしいただくっていう感じですね」(クリスさん)
「ほんと実用的な自動巻きはこれが世界初だと思います。実際自分で使って巻き上がるしね」(野村店長)
「時刻調整も面白くて簡単ですよね」(クリスさん)
約100年前の逸品。ハイグレードを感じさせる銀無垢ケース
使えば使うほど独特の質感が出てくる銀無垢のケースはヴィンテージ好きにとって、たまらないポイントのひとつ。丸く磨かれてしまっているものも多い中、ここまで綺麗な状態であるのは珍しい。
「銀無垢だよ?」(野村店長)
「裏蓋の裏に925の刻印がありますし、しっかりSAの刻印も入ってますしね。バッチリですよね」(クリスさん)
「これは俺のより全然グレード高いな。しっかりした作りだよね、買い替えたい!」(野村店長)
実際にこの時計を身につけたことを想像しながら、日本で所有する際の注意点や工夫についても話が展開された。
「日本だと四季がはっきりしてて、湿気とか湿度が高かったりするじゃないですか。なのでちょっと普通以上に大切に使っていった方がいい1本ですよね」(クリスさん)
「そうですね。これ変な話、裏蓋がない仕様になっているみたいな感じになってるんで。比較的ちょっと浮き上がるような感じにしてるので、こういう風に裏革当てをしておくと比較的安心かなと。そうですね。ケースもピシっとしてるしね」(野村店長)
「それこそ、これじゃないベルトを付け替えようっていう時に台座も一緒にちょっとコンビネーションでデザインするといいかもしれないですね」(クリスさん)
「小さめの時計なので、それをつけてボリュームアップしても全然気にならない感じですね。間違いなく俺のより密閉度高いしなんかちょっと羨ましいな」(野村店長)
現代のものでは叶わないヴィンデージならではのシステムやデザインに心をくすぐられる人も多いのでは。人と被らない自分だけの1本を見つけて一緒に時を刻んでみてはいかがだろうか。