定番では終わらない魅力を持つヴィンテージロレックス4選!

2024.01.07
Written by 戸叶庸之

文=戸叶庸之

ロレックスは1905年の創業と、時計ブランドとしては老舗の部類には入らないかもしれないかが、その卓越したブランディング&マーケティングによって数多の競合を出し抜き、世界一有名な時計ブランドへと成長した。その歴史は決して成功ばかりではなかったが、仮に失敗があっとしても必ず修正し、バージョンアップを図ってきた。その証拠に定番以上の魅了を秘めたモデルが多数存在する。

1.ロレックス『デイトジャスト ref.1625』(1961年)

自動巻き(Cal.1560) 18Kイエローゴールド×ステンレススチールケース 40㎜径 ¥1,980,000 

よく誤解さえている人が多いにもだが、このサンダーバードというモデル名はあくまで俗称であり、あくまでデイトジャストの亜流のモデルなのだ。そして、決して軍用モデルではない。あくまでアメリカ空軍フライトデモンストレーションチーム、サンダーバーズのパイロットに贈呈されたというのが事実があるだけだ。

ただ、このようなバックストーリーよりも、このモデルはデザインは面白い。一般『デイトジャスト』との大きな違いは回転ベゼルであり、サンダーバーズのパイロットたちに向けて贈るには必要だったかもしれない(あくまで憶測になるが)。

第一の違いとして挙がるのが、デイト ジャストには存在しない独特の回転ベゼルだ。ただし、やっかいなことにこのベゼルは接着剤で取り付けられているものが多い。文字盤の偽造も多く、無理やり外周を削ってサイズを合わせているようなものさえある。目の肥えたコレクターさえ避けるモデルなのだ。

もちろん、それを補って余る魅力が、このモデルにはある。こちらの個体がいい例だ。1950~60年代の時計で見られるドルフィンハンドや楔型のインデックスがヴィンテージらしい味を出している。バブルの感さえ感じられるシャンパンゴールドのダイヤルマイナス点どこか、もはやチャームポイントだ。

2.ロレックス『デイトジャスト Ref.1601/8』(1970年製)

自動巻き(Cal.1570)、18Kイエローゴールドケース 36㎜径 ¥1,580,000

最近、ヴィンテージロレックス界隈では珍しいモデルを中心に『デイデイト』が非常に売れている。とりわけインデックスが存在しないリッチな天然石のダイヤルは人気が高い。

この余波から『デイトジャスト』のゴールドモデルも非常に調子がいい。実際のところ、球数は少ないため、モノを選ぶ余裕はあまりない。一口に『デイトジャスト』のゴールドモデルも選択肢があり、ずばり言って理想を掲げたところで思うような個体を至難の業以外の何物でもない。たとえば、18Kホワイトゴールドケースでミラーダイヤルクラスとなると、時計を見つけたところで必ずとっていいほど真贋が問われる。

その点を踏まえても、ここで紹介する『デイトジャスト』は非常に魅力的だ。『デイトジャスト』に限らず言えるだが、18Kイエローゴールドダイヤルのモデルは柔やかな印象があり、ファッションにおける高い汎用性を秘めている。探して見つかるような個体ではないため、気になる方は早めのチェックをお勧めする。

3.ロレックス『エクスプローラーⅡ  Ref.1655』(1983年製

自動巻き、ステンレススチールケース、36mm径 ¥3,780,000 

『エクスプローラーⅡ』というとロレックスが擁するプロフェッショナモデルの代表格のひとつだが、人気という点においては、サブマリーナー、GMTマスター、エクスプローラー、コスモグラフ デイトに遅れを取っているのは否めない。

ところが、ヴィンテージとなると話が変わる。『エクスプローラーⅡ Ref.1655』は誕生した1973年頃はクオーツショックが始まる以前で、機械式時計にとって不運の出しかなかった。その反面、苦境を打破しようとまだ見ぬ宇宙を意識したレトロスペクティブなデザインが数多く生まれた。『エクスプローラーⅡ Ref.1655』の典型であり、カルトな人気を持つ。

パーツの整合性が非常問われるモデえである、マーク1ベゼル×マーク1ダイヤルの組み合わせが問答無用のベストだが、その分価格は飛躍的に上がる。そこを配慮すると予算に合わせた個体を選ぶというのも手の一つだ。こちらの個体はかなり高年式であることから価格がかなり抑えられえている。『エクスプローラーⅡ Ref.1655』の入門機としてもお勧めしたい。

4.ロレックス『オイスターデイト Ref.6694』(1960年代製) 

手巻き(Cal.1215)、ステンレススチールケース、34㎜径 ¥1,980,000  

 最近、時計業界では小ぶりの時計が支持されているが、ヴィンテージウィッチと比べると、大ぶりで重たい印象である。そこでヴィンテージウィッチの手巻きモデルを手に取ってみよう。驚くほどの軽さと付け心地であることがよくわかる。

さらに、1960年頃のモデルを選ぶと、エイジングされた個体が多い。よくヴィンテージデニムとヴィンテーウォッチのエイジングが比較されるのだが、これらは別物だと考えるのが妥当だ。なぜなら、ヴィンテーウォッチのコンディションとは、普通使う分にはまず変化を起きない。「使い込んで味を出す」という考えは捨てるべきだ。対照的に、補正などを行なって、綺麗な時計に見せる手法も昔流行ったのだが、今はヴィンテーウォッチとしての評価の対象外だ。価格はかなり低めに設定せざる得ないだろう。

こちらの個体に話に移そう。このロレックス『オイスターデイト Ref.6694』は、ヴィンテージならでらのサイズ感、しかもブラウンチェンジしたミラーダイヤルのを備えている。要するに原稿のコレクションでは絶対に楽しめない要素を備えているわけだ。プロフェッショナルモデルだと少々ハードルが高いと考えている方はこのあたりのモデルからチャレンジしてみるのはいかがだろうか。

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戸叶庸之

戸叶庸之

神奈川県出身。大学在学中に出版社でのアルバイトからマスコミ関係の仕事に携

わる。その後、カルチャー誌、ファッション誌で編集・ライターとして活動をスタート。Web媒体は黎明期から携わり、藤原ヒロシ氏が発起人のWebマガジン「ハニカム」、講談社「フォルツァスタイル」などの立ち上げに参加。現在は、各種メディアで執筆、編集、ディレクションのほか、Webマーケティングや広告案件に従事。時計については、趣味でヴィンテージロレックスを収集しつつ、年代やジャンルを問わず、様々な角度から高級時計のトレンドを常に追いかけている。

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