生まれ年の時計を探そう。1本は欲しいバースイヤーウォッチ・1960〜1990年代の名作9本

2024.02.19
Written by 編集部

時計マニアが集まるFIRE KIDSのスタッフが、ヴィンテージ時計の魅力を伝えるYouTubeコーナー。毎回異なるテーマで、厳選されたモデルをご紹介する。

既にヴィンテージ腕時計を持っている方も、これから初めての1本を探すという方にもおすすめなのが「バースイヤーウォッチ」を選ぶという方法。自分と同い年というだけでなんだか相棒感が出てくる。やはり誕生年の時計は1本は持っておきたい! ということで1960年代〜1990年代の名作9本を集めてみた。

「1960年代生まれ」にすすめるセイコー、ロレックス、オメガ

1960年代から順番に見ていく。1本目はシンプルな3針とノンデイトが使いやすいセイコーの1965年製『スカイライナー Ref.14092 手巻き』だ。

「すごくシンプルで良い時計ですよ。裏蓋シールが丸残りで7万8000円は安い! スカイライナーは薄型の手巻き時計ということで一番シンプルなのが使いやすいです」(野村店長)

「非の打ち所がないですね」(髙橋さん)

ヴィンテージとしては「綺麗すぎるので同い年とは感じにくいかも」と野村店長は言うが、一緒に歳を重ねて年季が入っていく経過を楽しむにはぴったりの1本。

次に「ありふれたオイスターですが(笑)」と紹介された1967年製のロレックス『オイスター 手巻き Ref.6426 シルバーダイヤル リベットブレス』。

「ありふれた時計でも生まれ年となると愛着が出るんですよね」(野村店長)

「また違いますよね。ちゃんとリベットブレスも付いてますし良いです」(髙橋さん)

シンプルなノンデイト、シルバーダイヤルでサイズも34mmと非常に使いやすく、飽きがこないモデルだ。時計も人間も歳を重ねると常に元気ということはなくなってくるが「僕も朝に時計の時刻合わせするのが楽しみ」と野村店長が言うように、ゆったりとした気持ちで身に付けてほしい。

3本目は1969年製のオメガ『コンステレーション 18KYG リネンゴールドダイヤル』。18金無垢製のケースにシャンパンゴールドのリネンダイヤルの組み合わせがリッチなモデル。ジェラルド・ジェンタ氏のデザインの代表作の一つだ。

「コンステレーションはこの星のマークが良いですよね。自動巻きで実用性はバッチリですね、まだ1969年製ということでこれからまだまだバリバリ使える」(髙橋さん)

「70歳ぐらいまで働くのが当たり前の世の中になってきましたからね」(野村店長)

「1970年代生まれ」にすすめるセイコー、ロレックス

4本目は1974年製のセイコー『ウエムラダイバー 150mダイバー 2nd 後期』。通称「植村直己モデル」と呼ばれており、世界的に有名な冒険家である植村直己氏が、北極圏12,000の距離を犬ぞりで足掛け3年で突破した際に着用していたモデルだ。

「ウエムラダイバーはヒット商品なのか、ある程度の本数が販売されていますし意外と探せる時計かな。この年代は他に機械式時計があまりないんですよ」(野村店長)

「だからこの時計にメーカー自体が集中をしたと」(髙橋さん)

「ダイバーズは自動巻きの方が良いという声があったという話も聞くんですけども、クォーツに不安を抱えている人が多かったみたいで、意外と自動巻きの方がプロユースとしてあったみたいですね」(野村店長)

前期型よりもボリュームのあるケースに改良され、特徴的なリューズガードが付いたモデルだ。次は「通称・白サブ」1976年製のロレックス『白サブMK1ダイヤル Ref.1680 トリチウム夜光』。高いスペックを誇るモデルで、FIRE KIDSでは入荷の少ない「サブマリーナデイト」だ。

「白サブ、Ref.1680は白の方が少ないんじゃないかという気がしませんか?」(野村店長)

「そんなことありますかね(笑)野村さんがそう感じるぐらい希少性が高い。分厚いプラ風防が良いですよね」(髙橋さん)

「煙突ではないですけど、存在感がありますよ」(野村店長)

「1980年代生まれ」にすすめるロレックス、オメガ

昔は「大不人気時計」だったが今は大人気のロレックス『エクスプローラーⅡ Ref.1655 マーク5ダイヤル マーク4ベゼル』。蛍光オレンジの24時間針と長方形のインデックスが特徴的なマーク5ダイヤルに、リューズガードや24時間表記のマーク4ベゼルを備えた初代『エクスプローラーⅡ』。

「1983年製。ブレスも年式はあっているし、文字盤も針も完璧です。風防だけドームにしてあります」(野村店長)

「もちろん嫌な方は戻すこともできるので」(髙橋さん)

「378万円。レアモデルでこのぐらい揃っていたら安いんじゃない?」(野村店長)

「オレンジの針がまたカッコいいですね。ミニッツも変わってますよね、読みづらいんですけど」(髙橋さん)

「狂っているのかな?」と思うほど時間が把握しにくいと言うが、希少性とデザイン性、そして資産性も高い非常に良い個体だ。

7本目は、1985年製ロレックスの『デイトジャスト Ref.16014 コンピューターダイヤル』。ROLEXの文字がパターン化された立体的な文字盤が特徴的なモデル。1980年代のバースデーウォッチはデイトジャストで探すのが一番買いやすいかもと野村店長は言う。周りとは少し違うデザインを好む方におすすめの1本だ。

「一気に5桁ですか。しかもコンピューターダイヤル」(髙橋さん)

「文字盤は後年のやつだと。オシャレな文字盤に変わっているので、これも良いんじゃないかなという気はしますけど」(野村店長)

8本目はオメガの『スピードマスタープロフェッショナル アポロ11号月面着陸20周年記念限定モデル』。ケース側面の「APOLLO XI 1969」という文字の刻印と、文字盤の「Speedmasterの「r」が下に伸びている「通称・下がりr」が特徴のモデルだ。

「付属品もワッペンとか付いていて、この限定品が現行品より安いと。恐ろしい世の中になりましたね」(野村店長)

「オーバースペックと言っても過言ではないぐらい性能が良いので、この時計は日常には十分に耐えうるスペックの時計です」(髙橋さん)

箱、ギャラ、説明書、ワッペン等の付属品も付いた素性の良い腕時計が100万円アンダーと中古価格で手に入れることができる。現行品と比べてみても面白い。

「1990年代生まれ」にすすめるオメガ

「1990年代は本当に良い時計が少ない」とのことだが、その中でもスタッフが推したいモデルはオメガの『スピードマスター シューマッハ イエローダイヤル Ref.3511-12』だ。

「当時は小馬鹿にしていたところもあるんですけど、サイズ感もメンテナンス性も良いし」(野村店長)

「言い方が微妙かもしれませんが、コスパの良いコンパクトカーみたいな感じ」(髙橋さん)

「1990年代製の時計は年々少なくなってくるでしょうしね」(野村店長)

F1レーサーであるミハエル・シューマッハとオメガが契約した記念に作られたスピードマスター。色鮮やかなイエローの文字盤が特徴的でありながらも上品さも感じる1本。

「時代が過ぎれば過ぎるほどバースイヤーの時計が増えていきますよね」と髙橋さんは言う。20代後半、30代、40代と歳を重ねることで腕時計を買う余裕も出てくる。そんな時は特別な1本「バースイヤーウォッチ」を探してみるのも良いかもしれない。より一層愛着がわくはずだ。

>>相棒は同い年。生まれ年の時計を探せ!

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