デキる女性たちによる覆面座談会。男性諸君よ、この時計を着けなさい!

2024.03.31
Written by 土田貴史

構成=土田貴史

世の中の女性たちは、男性の腕時計をどう見ているのか? 今回はキャリア組の女性たち3名に忌憚のない意見をうかがいました。案の定! 女性たちは男の腕元に、とても注目していることが分かります。それでは早速、座談会の模様をお届けします〜。

今回の参加者

Nさん(元航空会社広報)

Tさん(女医)

Iさん(ブランドPR

腕時計のチョイスに現れる、その人のセンス、人となり

――本日は、デキる女性の皆さまに、男性の腕時計選びについてビシバシ厳しいコメントをいただきたい思います。早速ですが、ご自身の身近な男性の時計選びについて、どんなイメージがありますか?

T(女医) 私の周りですと、時計にこだわる人は多いです。 医者ってやっぱりステータスが時計に現れる職業なので。若いうちから、“頑張った証”としてロレックスを買う人が多いのも事実。そのことを目標に、仕事を頑張っている人もいます。

N(元航空会社広報) やっぱりロレックスのような名の通ったブランドをしていると、印象が違いますか?

T(女医) 医者って、腕時計しか見えないんです。仕事中は白衣を着ているので。 なので唯一の自己表現として腕時計が存在します(笑)。そうですね、ロレックスを着けていると、こだわりがあるんだろうなと感じます。時計にこだわりがあるということは、イコール、仕事や私生活にもこだわりがあると連想しますね。

――Iさんの環境だと、またちょっと違ってくるかもしれないですね?

I(ブランドPR ファッションブランドだと、自分のブランドで出している時計を着けることもあるので、ちょっと参考にはならないかもしれませんが、腕時計には、どう自分を見せたいかが、最も現れる気はします。最近はスマートウォッチを着ける人が多いですが、逆にそうではないと、こだわりがあるのかな? って感じます。

――ズバリ、好印象なブランドってありますか?

I(ブランドPR 私はカルティエですね。目がいきます。女性ものもあるので近しい印象なのと、やっぱり男性が身に着けるには若干エレガントで、ハードル高いかな? と思います。それなのに、さらっと似合っていると素敵ですね。

T(女医) 私個人はオーデマピゲのようなハイブランドのものが好きです。他にもヴィンテージものも好きですね。ストーリーを語る男性みたいなイメージで、その時計に私が何かコメントしたら、100倍になって返ってくるような(笑)。ああ、こういうところに心が動く人なんだって、肯定的に捉えます。

N(元航空会社広報) 私はスマートウォッチじゃなくて一般的な腕時計を着けて欲しいです。スマートウォッチも便利でいいんですけど、そういう機能面じゃなくて、こだわりを見せてほしい。

日常で身に着けるなら、スポーツウォッチ!?

――なるほど〜。ちなみにドレスウォッチとスポーツウォッチだと、どちらがお好みですか?

T(女医) 職場で着けるなら、私はスポーツウォッチかも知れない。私の仕事だと、ドレスウォッチは悪目立ちする気がします。スポーツウォッチといっても“スポーティー”な雰囲気で、スーツに合うモデルもかなりあります。日常使いなら、その方がハマりそうです。

I(ブランドPR ブランドの世界観がドレス向きなので、私はドレスウォッチですね。やっぱり着用する環境に合った着けこなしをしているのが、一番スマートに見えます。

N(元航空会社広報) 私はスポーツウォッチの方が魅力的かなぁ。オフィスワークですが、仮に派手に動いても気にならないようなステンレス素材のスポーツウォッチの方が、ビジネスシーンにも合うような気がします。

――確かに、時計のケース素材によっても印象は大きく変わりそうですね。ちなみに、ゴールド製の時計って、どう思います?

T(女医) ゴールド製の時計は、ある程度の年齢にならないと嫌味になるかなと思っています。 さっき言ったみたいに、医者はなんとなくミーハーで、コンビや金無垢のロレックスを買っちゃいがちなんですけど、私個人としては“イタい”なっていう感じ。袖口が悪目立ちしてるゾって、実は心の中では思ってます。

I(ブランドPR ゴールドの面積が大きいと、着けけこなすのは難しいですよね。 本当に着けこなしてる方には、正直、なかなかお目にかかれないという感じで。 結婚指輪は面積が小さいので全然気にならないんですけど、時計はちょっとハードですね。

――ましてや、スポーツモデルのゴールドだとボリューム感もあって強引に目を引きますよね。さらにブレスレットまでゴールドだと、大変重いです。

N(元航空会社広報) ケースだけゴールドで、さりげなく着ける分には大人の男性として素敵だと思うんですけど。 ただブレスレットまでゴールドを選んでいる人は、あれはよく分からないですよね。金目のものを着けて見せびらかしている感じがして、すごく嫌です。しかも、そういう人に限って似合ってなかったりするので。

ストラップで自分なりのスタイルアレンジを!

――今、ブレスレットの話も出てきましたけれど、レザーストラップとブレスレット、どちらが好印象ですか?

T(女医) 私の個人的な好みで言うと、レザーストラップがいいです。

I(ブランドPR 同じですね。

――黒または茶系統の控えめな色使い、あるいは靴の色と合わせるような選択ですか? 最近はブルーやグリーンといった鮮やかな差し色も、ブランド側の新規提案として出てきています。

N(元航空会社広報) きっと、その場によります。場にそぐわないと、本当に「どうしたの?」っていう感じになってしまう。そういうものがあってもいいけれども、黒や茶色のどこに出ても恥ずかしくないようなクラシックなものは必ず1本は持っていてほしい。

――ラバーだったりファブリックだったり、素材的にもカジュアルなものもあります。そういった遊びはどうでしょう?

T(女医) 遊びの部分はすごくいい気がします。時計を自分なりにアレンジして楽しんでいる感があって、私的には好感が持てます。

――自分からコーディネートを楽しむ人間性が見え隠れするっていうことですね?

T(女医)  そうです。工夫していろいろな着け方ができれば、さらに愛着が湧くでしょうし。

N(元航空会社広報) 私もストラップで遊ぶのは、すごく賛成ですね。お洒落な人ほど、そういったことをどんどんやっていってほしい。

I(ブランドPR ”お洒落な人が”っていうところが、かなりポイントですよね。

N(元航空会社広報) そうですね、お洒落じゃないのに無理やりやろうとすると、ブランドに言われるがまま着けている感じが出てしまう。 自分が納得して、自信を持って着けているかがすごく重要で、 誰かに言われるがままで着けていると恥ずかしい……。

 T(女医) 本当にそうだと思います。最近、白いラバーストラップが、すごく気になっているんですけど、悪いほうの意味で。コンサバなスーツスタイルに着けていると、なかなか浮いてて。全体が軽やかなトーンだったら素敵かもしれませんけど。

――その逆もありそうですね。Tシャツ、単パンで、 時計だけがクラシックな黒のレザーストラップとなると、 時計だけが悪目立ちしそうです。

 T(女医) それは多分うちの業界の人がよくやるパターンです。 慣れてないんですよね、そういうシチュエーションに。服装のこなれ感に時計も合わせるということが、あんまり頭にないんじゃないかと思います。

N(元航空会社広報) 時計だけ一張羅(いっちょうら)かもしれませんよね。

T(女医) 多分そんな感じですね。 背伸びして買うロレックスは、きっと一張羅なんだろうな。

N(元航空会社広報) それが金色だったら、目も当てられないですね。

I(ブランドPR コーディネートというか、バランス感覚が大事ですね。 本当に素敵な方だと、例えば時計に、さりげなくブレスレットも合わせていらっしゃるとか。そういう優れた方も、たまにいらっしゃいます。

N(元航空会社広報) 私はアレが嫌ですね。 多分、皆さんの周りにはいないと思うんですけど、 黒のTシャツに大きくブランドロゴが入っていて、ロレックスのデイトナを着けるみたいな。とりあえず、お金はある、みたいなスタイルは絶対に嫌です。

 T(女医) せっかく高い買い物をしたのに、他人に気づいてもらえなかったら損じゃんっていう発想なんでしょう。そしてヴィトンのモノグラムとか持っちゃうんですよね。トゥーマッチです。

N(元航空会社広報) ひと頃のブラックカルチャーというか、 ブランドロゴを身に着けてのし上がっていくってじゃないですけど、 そういう一本筋が通ってたら、それはそれでカッコいいのかもしれません。でも、 ちょっとお手頃にブランドの力を借りて、俺を見てくれみたいな。 それはイタい。

I(ブランドPR) ブランド側からすると、結構いいお客様なんですけどね。

 T(女医) ダサいと営業妨害にならないですか?

 I(ブランドPR まあ、売り上げは売り上げです(笑)。

普段遣いの腕時計の予算とは、ズバリ?

――ところで、普段使いで、ざっくり幾らくらいの時計を着けていてほしいですか?

N(元航空会社広報) その人の年収によって、大きく変わると思いますが、私の周りの会社員なら、高くても150万円ぐらいまでですかね。それ以上高いと、日常使いでちょっと無理してない? って感じちゃうので。

――でも150万円の予算があると、現行品ならほとんどのステンレス時計は範疇に入りますね。

N(元航空会社広報) 500万円の時計とか着けていると、盗まれないかとか心配になっちゃいますね。余計なお世話ですけど。

 T(女医) 本当そうですよね。 その方の収入に対してあまりにもバランスが悪いと、ちょっと心配になります。病院に勤めていた頃は、勤務医だとサラリーマンなんで、いっても150万円でしょうね。開業医だったり、美容外科の先生だと、もう全然ケタが違いますが……。

N(元航空会社広報) 見て分かるんですか?

 T(女医) 分かります。むしろ分かりやすいものを選ぶんだと思います。私とかは言わないですけど、きっと話題にしてほしいんだろうなっていう感じ。でもご自身で稼いで、ご自身で購入しているので、それを否定する気はないです。

 I(ブランドPR 私はちょっとお値段は自社のものしかわからないですけれども、時計とファッション全体にかけている投資バランスがあまりにもおかしいと、やっぱりちょっとと思ってしまいます。高い時計を買うお金があったら、ちゃんとした靴も買った方がいいし、 スーツももうちょっと落としどころがあるのでは? って考えます。

N(元航空会社広報) 特に高額のロレックスを買い求める方に、その傾向が強そうですね。 Tシャツにカーキ色のチノパンを履いて靴はボロボロのスニーカーなのに、時計だけロレックス……。

――昔は、もうちょっとファッション雑誌の影響力があったと思うんですけど、 今は残念ながら、かつてのルールが届かなくなってきているのかもしれませんね。

 T(女医) ああいう風な人になりたい、っていう憧れがないんだと思います。 かっこいい大人になりたい、みたいな憧れがないからこそ、全体像がちぐはぐになってしまう。

N(元航空会社広報) でも、改めて振り返ると、素敵な男性はやっぱり素敵な時計を着けてるなって思います。そういう人なら、きっと素敵な女性を選ぶだろうし、そこには相関性がありそうです。

 I(ブランドPR モノの選び方に、その人が現れるような感じが伝わってくるといいですよね。

 T(女医) でも究極的に言ったら、その人に似合っていればいいんですよね。

writer

土田貴史

土田貴史

ワールドフォトプレス『世界の腕時計』編集部でキャリアをスタート。『MEN’S CLUB』『Goods Press』などを経て、2009年に独立。編集・ライター歴およそ30年。好きが高じて、日本ソムリエ協会の「SAKE DIPLOMA」資格を保有。趣味はもちろん、日本酒を嗜むこと。経年変化により熟成酒が円熟味を増すように、アンティークウオッチにもかけがえのない趣があると思っている。「TYPE 96」のような普遍のデザインが好きだが、スポーツROLEXや、OMEGA、BREITLINGといった王道アイテムも、もちろん大好き。

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