ロレックスは表裏一体。アンティークロレックスを語り尽くす!
ロレックスは表裏一体!嫌いだと思っている人ほどハマってしまう時計
出演:野村店長×藤井克彦(販売スタッフ)
ロレックスのイメージ
ロレックスについて語り尽くすという回。まずは野村店長にとって、ロレックスはどういうブランドなのか、という話からはじまった。
「僕の中では不動産屋さんかヤクザがしている時計。子供の時のイメージですよね(笑)不動産屋さんといえばコンビの『デイトジャスト】。もしくは金無垢の『デイデイト』みたいな」
ロレックスは、とても強烈な個性を持った人々の時計というイメージだったようだ。では、なぜそういう人たちがしているのか、ということだが、これには明確な答えがあるようだ。
「要は現金化しやすいんです。昔から映画とかで、持っているロレックスを現金化するシーンとかがあったりするんですけど、昔からお金の代わりになる物っていうところで、そういった犯罪者の方とかが逃亡した時に、現金がつくれる道具としてロレックスなんですよ」
つまり、どこへ持っていっても価値が落ちないということだ。
「そういうグレーな人たちがつけているイメージがあって、正直あまり好きじゃないです。でも便利なんですよね」
さすがに苦笑するしかなかった藤井さんも「やはり、これだけみんなつけているってことは、実用性が高いってことですよね、ロレックスは」とフォローする。すると野村店長も「はい、その通りです」と素直に認める。
そして「ロレックスといえば、オイスターケースですかね」と藤井さんが大きな特徴を確認する。
「その通り、ロレックスの良さはそこですよね。堅牢でガンガン使っても大丈夫。そしてお金に困ったら売れて、いつでも現金化できるし、なんといっても、どんな格好でも使いやすい。ちょっとドレスっぽい感じですけど、格好いいもんね」
不変のデザインであること
藤井さんも「これも、それこそオメガ『スピードマスター』とかと同じように、デザインが本当にずっと変わってないですよね」とデザインが不変なところを後押しする。
「変わってない。基本デザインは1950年代後半かな」
そう野村店長が話すと、藤井さんが「1950年代後半って、やはり石原裕次郎さんが『GMTマスター ロングE』のベゼルをちょっと45度ぐらい回した状態で、しかも右手につけているっていうのが、彼のトレードマークというか」と蘊蓄を披露する。
「実物を見たことありますよ」
と野村店長。藤井さんは驚きのあまり、思わず「裕次郎博物館ですか?」と普通の観光客でも見ることができそうなシチュエーションを返してしまう。もちろん、野村店長の答えは違う。
「松屋銀座にありましたね。松屋銀座の下にガルウイングのベンツが停まっているわけですよ。それで実物の『GMTマスター』をケース越しですけど眺めましたよ。やっぱり、ああいうスターがしていたものとかは光って見えますよね。普通にパーペチュアルとか持っていて」
そして、そんなスターも持っているロレックスの中でも王道の『デイトジャスト』の話に移っていく。野村店長もそのスゴさは体感しており、こう語った。
「ロレックスは本当に便利なんですよ。朝、“何にしようかな?なんか雨が降ってきそうだな、とりあえずロレックスにしとくか”という風になるわけですよ。また、“今日、結婚式どうしようかな、とりあえず『デイトジャスト』にしとけばいいかな”みたいな。そういう便利さはピカイチですよ」
どんな場所にもつけていける強みがあり「便利さは間違いない」という。
デイトナとGMTマスターは格好いい!
「あまり好きじゃないんだけど、なんか自然とね。理由をつけてロレックスをつけている気がしなくもないんだけど」
頑なにロレックス好きではないとを強調する野村店長だが、王道の時計だけに数多くのモデルに触れてきており、もちろん知識は豊富だ。続けて『デイトナ』の話をはじめる。
「『デイトナ』は格好いいね、そこは認める。『GMTマスター』と『デイトナ』は認めますよ」
と『デイトナ』については好意的な反応を見せる。そして価格の話に。
「値段も格好いいですね。正直これは時計の格好良さと値段でいうと、ちょっと値段が上にいっちゃったかな、という感じはしますよね。なぜ、そういう現象が起こるかというと、売れなかったんです」
はっきり断言した衝撃の話に、藤井さんも「意外ですね」と驚きを隠せない。
「もう当時は全然人気がない時計だったんで、売れなかった時計をみんながいま欲しがると。売れなかったってことは数が少ない。ロレックスの三大発明というと、一発目は自動巻き、パーペチュアル。手巻きなんで、そのロレックスらしくないところが可愛かったりとか、格好よかったりするのはありますけどね」
そして『デイトナ』を実際につけたときの印象を話し始めた。
「思ったより小さいな、と。『デイトナ』っていうと、頭の中ででっかいものになっていて、つけてみると“あれ?思ったより…”っていう人が結構多い。特に手巻き『デイトナ』なんかはベルト19㎜タイプだからね。現行の自動巻きは20㎜。『サブマリーナー』とか『GMTマスター』は、みんな20㎜ですけど」
藤井さんも、そのベルトの意外な細さに驚く。だからこそ、と野村店長はいう。
「おじさんにはいいんだよなぁ」
そして、バックルの細さについても言及。藤井さんが「『デイトジャスト』なんかと一緒ですね」と返すと「『デイトジャスト』よりも細いですよ」という。実際に藤井さんはふたつの時計のバックルを重ねてみるが、やはり『デイトナ』の方が細かった。
デイトナはコンパクト!
「要はラグ間は『デイトジャスト』より小さいんですよね」
ということで、藤井さんが手巻き『デイトナ』を装着することに。手巻きは初とのことだ。「いいですね。コンパクトな感じですね」という感想。
「本当に金額で勝手に頭の中で、でかいものではないけど存在感がすごく大きくて、つけてみると意外と。ちょっとおじさんには嬉しいサイズですね。『サブマリーナー』ちょっと重たいな、とか『GMTマスター』はちょっとでかいかな、という人には良いんですよね」
藤井さんも「本当に格好いいです」とあらためて感じたようだ。
「ただ、値段も格好いいんで。1780万円。こんな機会でもないとつけられないよね。10年後いくらですかね?3000万円といっても別に驚かないね」
そして『デイトナ』を投資物件と言い切る。
「本当に時計の格好良さを上回る、投資としての価値があるから。実用して欲しいですけどね、時計好きとしては」
実際に「プラスチックベゼルが一発で割れてしまう可能性もある」ので、「使いたいけど使えない」という微妙な心理が生まれるモデルでもある。
ロレックスは先に述べた石原裕次郎だけではなく、多くの有名人が愛用している。藤井さんも大好きな松田優作が「CMで合成ではあるんですが、これと同じRef.6263をつけていたんですよ」と。すると野村さんも同意。
「見ましたよ。ああいう人にして欲しい感じはするよね」
デイトジャストが最高かな
藤井さんは「是非買いたい」と意気込むが、ファイアーキッズが行っている60回無利息ローンでも月30万円×60回となるので、現実的に「さすがに厳しい」と諦めたようだ。
結論としては「格好いいし、使いやすい。やはり『デイトジャスト』最高かなというところですかね。自動巻きの『デイトナ』であるとか、その辺は良い時計だなと思いますけど、やはり『デイトジャスト』ですね。庶民派でいきましょう。『デイトナ』は自動巻きで。それだったら300万円台からいけるんで、ちょっと頑張れば買えそうな気がするじゃないですか」
藤井さんにも、それを勧めるが「僕は買うとしたらステラの『デイデイト』がいつか欲しいという時計なので」と。すると「自分の目が信じられるようになったら買ってください」と野村店長からのアドバイスが。
最後はロレックスについての総括。
「総じていうと格好いいですね、頑丈で。そう考えるとRef.6263って頑丈じゃない感じがしますよね。このプラベゼルを割ったら台無しだもんね」
それを受けて藤井さんが個人的にはと断りを入れ「ロレックスって壊れないことを意識しているっていうのがあって、ヴィンテージの『デイトジャスト』とかだと日付のクイックチェンジとか付いてないじゃないですか。同じ年代でオメガだとクイックチェンジを付けていたりするのに。そういう機能を増やしちゃうと故障の原因になっちゃうので付けなかったみたいな。故障の少なさっていうのを意識してたのかな」と話す。
野村店長も「それは当然でしょう」と同意。そして「好きではない」ときっぱり言ってたロレックスでも古めのモデルに言及した。
「意外と1940年代とか日常使いに問題ないし、40年代、50年代になるとまた手作り感があったりとか、そういう味で40年代のロレックスは大好きです」
とロレックスでも結構古いモデルは違う印象。とはいえ、やはり70年代のモデルは「微妙」のようだ。
詰まるところロレックスは「良い時計だってことですよ、換金率が高いというのは」とのこと。さらに「表裏一体で、嫌いだと思っていた人ほどハマってしまう時計かもしれないですね」
万人が知っている人気ブランドは、一言では語れぬ底知れない魅力を備えている。