店舗対抗5本勝負。ヴィンテージ腕時計屋が本気でおすすめする名品
時計マニアが集まるFIRE KIDSのスタッフが、ヴィンテージ時計の魅力を伝えるYouTubeコーナー。毎回異なるテーマで、厳選されたモデルをご紹介する。
今回は、「初めて高級時計はどの1本?」や「すごく個性的な1本」「誰が着けてもカッコいい1本」といったテーマに合うヴィンテージ腕時計をFIRE KIDSの店舗対抗5本勝負という形でおすすめの名品をチェックしていく。
勝負1.「初めて高級時計はどの1本?」
時計屋の意地をかけて中野ブロードウェイ店と横浜本店よりそれぞれ5名が参加。5つのバトルテーマに対して両店がおすすめの1本を紹介するスタイルだ。
まずは「初めて高級時計はどの1本?」ということで、横浜本店が選んだのはオメガの『シーマスター クロノメーター 1969年製 Ref.168.024』。グレードの高いクロノメーター仕様のモデルで、シルバー文字盤とドルフィンハンドのシンプルで使いやすい1本。
「理由としては、使いやすいというか1番スタンダードだからですね。値段もお手頃だし、とっつきやすいのかなというのはありますね」(横浜・中根さん)
「スタンダードモデルですよね。オメガと言ったらシーマスター・コンステここら辺が良いチョイスですよね」(中野・クリスさん)
「文字盤が真っ白じゃないというところが良いかな」(横浜・山崎さん)
「シンプルで飽きが来ないデザインだと思います」(横浜・藤井さん)
対して中野ブロードウェイ店が選んだのは、ジャガールクルトの『ウルトラスリム ラウンドケース 1970年代製 手巻き Ref.9226.42』だ。フィット感が良い厚さ約5㎜の薄型ケースに、薄型ムーブメントでも評価の高いCal.895を搭載。
「飽きがこないデザインですよね。2針ではあるものの、長く使っていけるかなと。初めて買われる方はいろいろ不安感もあると思うし、そういう意味では機械もシンプルでデザインも長く使ってもらいたいなと」(中野・松浦さん)
「見た目・価格・知名度のバランスがとれていますし、オーバーホール代も手巻きで安いですし、1本目に最適だと思います」(中野・宮崎さん)
「ビジネスでもすごく使いやすいですし、シンプルなところが1番良いですね」(中野・坂本さん)
勝負2.「すごく個性的な1本」
2つ目のテーマは「すごく個性的な1本」。横浜店はリコーの『大阪万博記念モデル 1970年製 ペンダント GP 赤文字盤』を選んだが、まさかの中野店もモデル違いでリコーの『1970年製大阪万博記念モデル EXPO70 ペンダント ロジウムメッキ グリーン文字盤』を選んだ。
「やはり我々はFIRE KIDSなんですね。被った時って嬉しい気持ちになったり。布が良いのか、金属が良いのかというバトルですかね…」(中野・クリスさん)
「横浜が選んだモデルは、ペンダント型になっていて首から吊るすこともできて、ラグも付いていて交換すれば腕時計として巻くこともできるという、2タイプで選べる珍しい時計ですね」(横浜・中根さん)
「中野店のはウェスタンスタイルの服装とか、そういった方もフィットするかなと思います」(中野・クリスさん)
大阪万博の土産品として販売された5角形のペンタゴンケースは、大阪万博のロゴマークがモチーフとなっており、カラー違いが存在する。赤文字盤の個体は、外装に金張りが施されたシャンパンカラーに赤が入っており、グリーン文字盤は外装にロジウムメッキが施されたシルバーカラーにグリーンが入っているモデルだ。
勝負3.「万人ウケする時計」
3つ目のテーマは「万人ウケする時計」ということで、中野店はセイコーの『キングセイコー セカンドモデル 1967年製 Ref.4402-8000 44KS』をチョイス。
「日本男児たるもの国産だというところですかね。グランドセイコーという王道どころを、あえてキングセイコーにするという通な感じも出て良いんじゃないかなと」(中野・岩本さん)
ファーストモデルから進化して防水スクリューバックになり、秒針規制装置を採用したモデルだ。それに対し横浜店が選んだのは、ロレックス『エアキング Ref.5500 1972年製 シルバーダイヤル』。
「これはね使いやすいよね。ノンデイトの時計は、ロレックスの中でも人気がありますよね。結構デイト付いてるものがロレックスでは多いじゃないですか? その中でも『ノンデイトが良いな』という人が多いですし」(横浜・中根さん)
ロレックスで現存する最古のペットネームを持つエアキングは、シンプルなノンデイト、スムースベゼルにシルバーダイヤルの使いやすい1本だ。
勝負4.「誰が着けてもカッコいい1本」
4つ目のテーマは「誰が着けてもカッコいい1本」。横浜店はオメガ『スピードマスター5th 1971年製 USA限定 プロフェッショナル Ref.145.022-69ST キャタピラブレス 箱付き』をチョイス。
「これはオメガを代表する時計ですよね、月に行ったということで有名なモデル。ダントツでカッコいい。デザインもほとんど変わらずに今までやってこられて、それだけ完成されたデザイン性があるかなと」(横浜・中根さん)
1968年頃から1988年頃まで製造されたロングセラーモデルで、5thの中では初期にしか見られないレアな文字盤仕様だ。裏蓋にはシーホースではなく「The First Watch Worn On the Moon」と水平に刻まれているUSA限定の1本となっている。
中野店のカッコいい1本は、ロレックス定番の『赤サブ 1974年製 マーク4ダイヤル Ref.1680 箱、取扱説明書、錨付き』だ。
「サブマリーナはロレックスの代表的なモデルで、昔からオン・オフ問わずに着けられるという風に評価されてきた時計ですよね。ダイバーウォッチなので安心感があったりとか、堅牢なイメージ、スポーツモデルなんだけど不思議とスーツにも合っちゃう」(中野・松浦さん)
「この焼け具合も良いですよね」(中野・クリスさん)
ダイヤルはマーク4ダイヤルで、均等に焼けていることでヴィンテージの良い雰囲気を持っているのもポイントが高い1本だ。
勝負5.「各店舗の1番人気の時計」
最後のテーマは「各店舗の1番人気の時計」。まず中野店からは「国産最高!」ということで、セイコーの『グランドセイコー1st 1961年製 Ref.J14070E GS アップライトロゴ』が登場。アップライトロゴの初期型で、裏蓋のライオンメダリオンも健在している良い個体だ。
「日本人でも外国籍の方でもグランドセイコーファースト、みなさんやはり憧れの1本ではないでしょうか」(中野・クリスさん)
「入荷しても売れるまでが早く、すぐになくなっちゃう」(中野・松浦さん)
「渋いですよね、ドレスウォッチにも見えますしね。ファーストは巻いた時が良いんですよね、これが良いんですよ」(中野・坂本さん)
対抗する横浜店は、少し意外かもしれないがオメガの『シーマスター ジャックマイヨール 1997年製 ギャラ ノベルティ 余りゴマ付き』。世界で初めて素潜りで100mを超えた有名な潜水士ジャック・マイヨールの名を冠したモデルで、ケース側面には「JACQUES MAYOL 1997」の刻印と文字盤中央にはイルカのパターンがプリントされている。
「中央にイルカのマークが散りばめられているんですけど、元々ジャック・マイヨールがイルカが好きでイルカと一緒に泳ぎたいというのが理由なんです」(横浜・中根さん)
「これからの季節にはバッチリですね」(中野・クリスさん)
それぞれ違った魅力を持つ計10本の名品。勝負と言う形で紹介したが、どの時計が1番ということはないので、自分の好みやスタイル、状況に合わせたとっておきの1本を見つけてヴィンテージを楽しんでほしい。