【初心者必見】ヴィンテージ時計の正しい扱い方をレクチャー!

2024.07.29

出演:松浦×佐藤

ヴィンテージ時計初心者は必見! ヴィンテージ時計を着けるうえで、事前に知っておきたいアレコレを松浦さんに解説いただく。適切なサイズ、手巻きと自動巻きの扱い方、そして日常使いする際に注意しておきたい点を紹介する。

ブレスが長持ちする適切なサイズとは?

ブレスを長持ちさせるためには、腕に対して適切なサイズで着けることが必要だ。

「ひとつ言えるのは、ブカブカでは着けてほしくないですね。ステンレスとか金属系のブレスの話ですが、ゆとりがあると着け心地は良いのかもしれないけれど、ブレスへの負担が蓄積されていく。使っていくうちに緩くなったり折れたり。あとは時計自体が不必要に動いてしまうため、精度に影響が出たり、知らないうちに衝撃を与えていたりすることが懸念点かな」(松浦さん)

ピッタリしていても苦しいため、人差し指が一本入るくらいがちょうど良い。また、手首のところに骨の出っ張りがあるが、その上にはめてしまうと手首の可動域を遮りブレスを張ってしまうため、出っ張りの下で合わせると良いという。

「ゆるいなかでも許容範囲があって、やはりヘッドが回っちゃうのはダメみたいな。過度にゆるいのは良くないですね」(佐藤さん)

手巻き時計はどのようにして巻くのが正解?

続いては、手巻き時計の扱い方について。ロレックスを例に解説する。

「ロレックスの場合はリューズがねじ込みになっています。まずはリューズをゆるめて開放してあげます。バネが効いているので、ちょっと飛び出してくる感じです。これを開放したところで巻くと手巻きができる。時計回りに巻いてあげてください。逆回転もできるけれど、それは巻けていません。巻き終わったらリューズを戻して、スッと収めてあげてください」(松浦さん)

1961年製ロレックス『デイトジャスト』

手巻きはその名の通り、巻かないと動かなくなる。巻き忘れてしまうことを心配して敬遠する人もいるが、巻くことを生活のリズムに組み込むことがおすすめだ。松浦さんの場合は、出勤する前、朝に時計を着ける際に巻くクセをつけているという。

もちろん、一日の終わりに巻くのもあり! 忙しい時間に慌てて巻くよりも、余裕がある時にゆっくり巻いてあげるのが良いという。

「新品は早く巻いても心配は少ないけれど、ヴィンテージの場合は歯車と歯車の間に“あがき”があったりするので、大事に巻いていただきたいです」(松浦さん)

自動巻きを着ける際の注意点は?

「最近はデスクワークの方も多いと思いますが、自動巻きは基本的に腕の運動でゼンマイが巻き上がる仕組みになっているじゃない? デスクワークで運動量が少ない場合はその分リザーブが少ないので、止まりやすかったり精度が悪くなってズレが出やすかったりする。そこで『時計の調子が悪い』という声が聞かれることがあるけれど、調べてみると問題がなくて、その方のライフスタイルが影響していることがある」(松浦さん)

「ハーフローターとかバンパーとか片方向の巻き上げの古い時計だと、最初に手巻きを加えてあげて、あとは腕の振りで巻くみたいな使い方が良い場合もありますよね」(佐藤さん)

「そうですね。時計が完全に止まっているときは、10〜15回くらい巻いて時計の初動をつけてあげる。あとは腕に着けて使ってくださいと案内をしています。止めちゃいけないという強迫観念で、自動巻きのリザーブがあるにも関わらずガリガリと手巻きをしてしまう場合もありますよね。その気持ちはわからなくもないけれど、リザーブがあるなかで巻くと、巻き芯やリューズに負担がかかってしまいます」(松浦さん)

リューズは消耗品でもある。ヴィンテージはリューズもできるだけ昔のものを保存活用しているため、無理しない扱いが必要だ。初動が鈍い時はパッと軽く振って、動き始めてから少し巻いて着ける方法がおすすめである。

「あまり触りたくない人は振ってもいいかなと思います」(佐藤さん)

日常使いでの注意点は、水・衝撃・磁気の3つ

最後に、日常使いでの注意点を聞く。

「ヴィンテージ時計は、水と衝撃と磁気。これは気にかけてほしいです。『雨の時に着けて大丈夫ですか?』とよく聞かれるのですが、基本的に防水はチェックしていません。保存活用の関係で防水性は確保されていない場合があるので水は注意していただきたいです。でも、雨くらいだったらビシャビシャにならなければ大丈夫かなと思います。僕は雨が降っていたら袖で隠して、横殴りの雨で濡れるようだったら外します」(松浦さん)

1990〜2000年代製のものについては、そこまで気にしなくても大丈夫だという。

1991年製ロレックス『デイトジャスト』

そして、もし湿気で曇ってしまった場合の対処法だが、リューズを引いて空気の流れをつくり、ライトの下などの柔らかい熱の近くに置いてあげると湿気が抜ける場合がある。湿気がこもったままだとサビの原因にもなるため、まずは上記の応急処置をしてからお店で相談してみてほしい。

「時計は精密機械なので小さい歯車やレバーで成り立っている。衝撃については、普通の自転車は大丈夫でも、山道とかでマウンテンバイクに乗ってガシガシ行くというのは避けていただきたいです。そして、バッティングセンター、ゴルフ、テニス……。手首に瞬間的に大きな力がかかるのは危ないですね」(松浦さん)

その昔、金無垢のデイデイトを着けたオジさまたちがゴルフに行き、一発で壊れた話をよく聞いたという松浦さん。時計が精密機械であることは忘れないようにしたいところだ。

「最後に磁気について。昔は磁気を帯びるアイテムが身の回りになかったけれど、今はスマホやパソコンがあるのが当たり前でしょ? 知らない間に磁気が入ってしまうことがあって、そこで起こる症状は時間のズレが大きくなること。これは磁気抜きをすれば解消できます。磁気抜きはお店でやっていますので、そのような症状が出ていれば持ってきてください」(松浦さん)

うっかりバッグの中でパソコンと一緒に保管してしまうことや、バッグ自体にマグネットがついていることで磁気が入ってしまうことがよくあるようなので、そこも注意すべきポイント。

せっかく出合ったヴィンテージ時計——。その特徴を理解して長く楽しみたいものだ。

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