パリオリンピックでオメガの時計が使われているのはなぜ?
パリオリンピックでは連日、柔道やスケートボード、体操など日本選手が活躍しています。そのオリンピックの舞台裏では、選手たちの競技時間を正確に計測する重要な役割を担う存在があります。それが時計です。精密なタイムキーピングは、競技の公正性と記録の正確性を保つために欠かせません。そこで、オリンピックと時計の密接な関係、その歴史やエピソードについてご紹介します。
オリンピックと公式タイムキーパーの歴史
オリンピックの公式記録を担うオフィシャル・タイムキーパーは、文字通り大会の公式計時を行う重要な役割を果たしています。オリンピックのワールドワイド公式パートナー(IOC/TOPパートナー)11社の中で、1業種1社を原則とする中、このポジションを担うのは非常に特別なことです。
最初にオリンピックで計時を行ったのは、第一回アテネ大会にストップウォッチを提供したロンジンでした。しかし、全種目の計時を任されたのは1932年のロサンゼルス大会でオメガが初となります。他のメーカーではホイヤーや、オメガとロンジンが共同で設立した競技計時専門の会社であるスイスタイミング、ユングハンス、セイコー、スウォッチが行っています。
そして、現在開催中のパリオリンピックでオメガは、オリンピックで行われる32競技329種目すべての時計を担当しています。また、オメガはオリンピックに携わり100年目にあたる2032年のブリスベンオリンピックまでスポンサードを行うことを発表しています。
オリンピックでのオメガの役割
オメガは、オリンピックの公式タイムキーパーとして長年にわたり重要な役割を果たしています。初めての公式タイムキーパーとしての就任は1932年のロサンゼルスオリンピックで30個のクロノグラフ(ストップウォッチ)を提供し、全競技の計時を正確に行いました。この時から、オメガはオリンピックにおける計時の進化と革新に貢献し続けています。
1948年のロンドンオリンピックでは、オメガは光電子写真装置を導入し、選手がフィニッシュラインを越えた瞬間を正確に計測できるようになりました。さらに、1960年のローマオリンピックでは、電子計時システムを採用し、計時の精度をさらに向上させました。これらの技術革新により、オリンピックでの競技結果はより正確に、そして公平に記録されるようになりました。
1968年のメキシコシティオリンピックではプールに設置されたタッチパネルにより、選手が自らタイマーを止めることができるようになり、プールサイドのタイムキーパーがいなくなりました。
オメガは、2008年の北京オリンピックでのウサイン・ボルトの100m世界記録やマイケル・フェルプスの8つの金メダル獲得など、数々の歴史的な瞬間の計時を担当してきました。これにより、オメガはスポーツ計時の分野でのリーダーシップを確立し、オリンピックの公正性と競技の正確な記録に貢献しています。
オメガといえばこのヴィンテージ時計
オリンピック・パラリンピックの公式タイムキーパーという役割を持つオメガは、スピードマスターやシーマスターといったブランドを代表するモデルがあり、これらのモデルにはオリンピック限定ウォッチも登場しています。
スピードマスター
オメガの時計といえば、『スピードマスター』が真っ先に思い浮かぶ理由は、その歴史と信頼性にあります。スピードマスターは、1965年にNASAによって公式な月面ミッション用時計として認定され、アポロ11号の月面着陸時に使用されました。この伝説的なモデルは、過酷な宇宙環境でも耐えうる耐久性と精度を誇ります。さらに、クラシックなデザインと高い品質から、日常使いにも最適です。
シーマスター
『シーマスター』は、その卓越した耐水性と耐久性でスポーツと冒険の世界で信頼されています。1957年に登場して以来、深海探査や極地探検など過酷な環境でも活躍してきました。特にプロフェッショナルダイバーたちに支持されるこのモデルは、300メートルの防水性能を誇り、堅牢なデザインは、厳しい環境でも高いパフォーマンスを発揮し、アウトドアやダイビングなどにも最適です。
まとめ
いかがでしたか?パリオリンピックでオメガの時計が使用される理由は、その卓越した精度と信頼性にあります。1932年のロサンゼルス大会以来、オリンピックの公式タイムキーパーとして長い歴史を持ち、競技の公平性を支えるために常に最新の技術を導入してきました。特に、光電子写真装置や電子計時システムの革新は、選手の努力を正確に記録し、観客や視聴者に信頼性の高いデータを提供しています。オリンピックを見て選手を応援する時は公式時計の技術の素晴らしさにも注目してみましょう。