一癖も二癖もあるダイバーズ ウォッチ4選!

2024.09.08
Written by 戸叶庸之

文=戸叶庸之

夏の主役といえばダイバーズウォッチ。だからこそありきたりのモデルではつまらない。そう考える時計好きのために、ファイアーキッズの店頭から4つの逸品を選んだ。

1.ロレックス『シードウェラー』 Ref.16660(1986年製)

『シードウェラー』とは、『サブマリーナー』の上位機種として発表されたプロフェッショナル仕様のダイバーズウォッチだ。歴代モデルには、フランスのダイバーズ会社「コメックス」との超レアなWネームのモデルもある。

2代目として登場したRef.16660、通称“トリプル・シックス”は通好みのリファレンスナンバー(識別番号)として知られている。

製造は1978~1988年の約10年間。初代のRef.1665から飛躍的にスペックがアップし、風防はプラスチックからサファイヤクリスタルへ変更。ヘリウムガス・エスケープバルブも大型化に成功。その結果、防水性能は1220mと飛躍的に向上した。ムーブメントは、Cal.1570からCal.3035に変更。これにより振動数が8振動へと変わり精度の向上とともに、カレンダーを早送りするクイックチェンジ機能を搭載した。

結論を述べると、“トリプル・シックス”の人気の理由は、ヴィンテージの風貌と現代的なスペックがいい塩梅で合わさっていることにある。すなわち、現行モデルに限りなく近く着用できるヴィンテージウォッチなのである。

2.ホイヤー『ダイバー 200』 Ref.844-2(1980年製)

ホイヤー社が初めてダイバーズウォッチを発表したのは、1978年のRef.844。こちらのRef.844-2はこれをマイナーチェンジさせたモデルである。主な変更点は、ムーブメントがフランス製のエボーシュ(汎用メーカー)からETAに変更されたことや、針がコブラハンドからベンツ針に変わったことが挙がる。

一見すると、ロレックスの『サブマリーナー』に酷似したデザインが見られるが、42mm径のケースサイズやトロピックバンドなどの相違が見られる。

クオーツショックからホイヤーを救ったヒット商品であり、またリーズブルなプライスも魅力的だ。いざ探すとなかなか見つからないので、購入のチャンスを見逃さないように心がけたい。

3. ポルシェデザイン by IWC「オーシャン2000」Ref.3500(1983年製)

時計に明るい方なら一目でそれと分かる、ポルシェデザインのスタイリング。こちらの西ドイツ軍に採用されたダイバーズウォッチ、ポルシェデザイン by IWC『オーシャン2000』Ref.3500は、文字通りIWC

との共同開発によって誕生した。

こちらの1983年製の個体は、IWCのマークが入らない初期モデルにあたる。付属品も充実しており、貴重な純正のナイロンストラップ、箱、取り扱い説明書が揃っている。

実用面は軍用モデルだけあって十分期待できる。軽量なチタンケースに加え、日常使いレベルであれば、防水面での心配はないだろう。

「人と被らないダイバーズウォッチ」としても一押しの逸品だ。

4.チューダー 『プリンス オイスターデイト ミニサブ」Ref.9440(1985年製)

ヴィンテージウォッチにおけるチューダー製の『サブマリーナー』の魅力を大きく2点挙げると、ひとつは“薔薇サブ”やスノーフレークなどのヴィンテージモデルの存在。もうひとつはいくつものサイズバリエーションにある。サイズは4種類が展開れており、メンズ、ボーイズ、ミニ、レディスに別れている。

ここで回するのは、32mm径のミニサイズ。現代だとレディースサイズにも見受けられがちだが、発売当時はユニセックスの提案だった。このダイバーズウォッチの魅力はサイズ感に集約されていると言っても過言んではない。現代の時計と比べると、メンズにしては相当な小ぶり、レディスに関してはやや小ぶりの印象に感じられる。

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戸叶庸之

戸叶庸之

神奈川県出身。大学在学中に出版社でのアルバイトからマスコミ関係の仕事に携

わる。その後、カルチャー誌、ファッション誌で編集・ライターとして活動をスタート。Web媒体は黎明期から携わり、藤原ヒロシ氏が発起人のWebマガジン「ハニカム」、講談社「フォルツァスタイル」などの立ち上げに参加。現在は、各種メディアで執筆、編集、ディレクションのほか、Webマーケティングや広告案件に従事。時計については、趣味でヴィンテージロレックスを収集しつつ、年代やジャンルを問わず、様々な角度から高級時計のトレンドを常に追いかけている。

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