オシャレな新人店員が思わず買ってしまったチューダー『オイスタープリンス』の魅力

2024.11.11
Written by 編集部

出演:松浦×三好

ファイアーキッズへ入社して2カ月(撮影時)の女性スタッフ三好萌絵[AM1] さん。

ヴィンテージ時計はそのうち買うだろうと悠長に構えていたところ、思いのほか早く運命の一本との出会いがやってきたようだ。三好さんのファーストヴィンテージとなった時計は、“小バラ”と呼ばれるチューダー『オイスタープリンス』。思わず買ってしまったポイントを、ヴィンテージ時計歴30年のマネージャー松浦祐二郎さんと共に語った。

運命的な出会いを経て、ファーストヴィンテージ購入へ

三好さんが手にしたのは、チューダー『小バラ オイスタープリンス 34 1953年製 Ref.7950』。ファイアーキッズのウェブサイトで見た瞬間に「良い顔!」と一目惚れしたようだが、それなりの価格であることからすぐには購入しなかった。しかし、実際に着けてみると理想の形で、三好さんの心をガッチリと掴む。

その後、驚くことに三好さんの夫が「ファイアーキッズのウェブサイトを見ていたら、萌絵ちゃんが好きそうな時計が上がっていたよ」と、この時計の画像を見せてきたという。松浦さんも「そんなことがあるんですね! それはもう買わない理由がない」と驚きを隠せない。

ファイアーキッズでは「60回無金利」を実施していることも後押しし、三好さんは初めてのヴィンテージ時計購入へと至った——。

芸が細かい、チューダー『小バラ オイスタープリンス』

チューダー『オイスタープリンス』の歴史は1952年から始まる。そのため、三好さんが購入したのは初期型のモデルだ。

「チューダーはロレックスのディフュージョン(認知・販路の拡大のため価格を抑えたブランド)で、少し価格を抑えた高品質な時計という戦略なんだけれど、物としても希少。1950年代ですからね!」(松浦さん)

「これは時間がとても見やすいです! 真ん中のツートンになっている部分は焼け感があるけれど、水彩絵の具で描いたような滲みがある。そしてクロスラインが入っているのも1950年代っぽい。見れば見るほど芸が細かい。自動巻きで今のところ時間のズレもないです」(三好さん)

「中価格帯といえども、ロレックスが『これから頑張って世に出して行くぜ』という意気込みを感じます。中価格帯になるとコスト面を考えてシンプルになることが多いけれど、気合いが入っているよね」(松浦さん)

チューダーには『タキシード』という黒とシルバーの時計があるが、この一本はそれの派生モデルだ。『タキシード』はすべてバーインデックスだが、こちらには角張ったアラビア数字も入っていてより見やすくなっている。

そのほか、三好さんが気に入っているポイントは、ロービート特有の“チッチッチッ”と鳴る音だという。

「ロービートだから振動数が少ない分、音の反響は聞き取りやすいかもしれないです。振動数が多いと“チチチチッ”と音の間隔がないのでね」(松浦さん)

「家で静かにしていると、ずっとこの子が喋っているんですよ(笑)1950年代から変わらずに動いている機械というのがロマンを感じます」(三好さん)

ロレックスのクオリティを継承するチューダー

前述のとおり、チューダーはロレックスのディフュージョンとして売り出され、機械はロレックスと同じ物が使われている。

松浦さんの話によると、チューダー『オイスタープリンス』を売り出す際、ロレックスと同じ「自動巻き機構」と「防水」を推していた。電気式のノミを扱う工事現場に人に着けさせて「大丈夫でした」と謳う広告を打ち出し、そのタフさを強調していたという。

「ロレックスで言うとCal.1030。独特の形をしたバタフライローターが入っている。これもそうなんです。だから、ディフュージョンでもロレックスのクオリティが担保されていて、しっかりとした物を世に出そうとしていたのが見えますよね」(松浦さん)

「ロレックスも好きなんですけれど、まだヴィンテージ時計歴も浅いし、一流のブランドよりも『私たちに歩み寄ってきてくれた』と感じる成り立ちのチューダーの方が入りやすいなと思っていました。中野ブロードウェイ店の方々から『三好さんらしいね』と言ってもらえたのが一番嬉しかったです」(三好さん)

「良いのを選んだんじゃないですか! 三好さんはカラフルな洋服を着るから、この色だったら合わせやすいと思う」(松浦さん)

「もともとコンビっぽいのが欲しかった。ブレスも秋冬だとレザーが馴染むけれど、バンブーブレスに変えようかなと思っています」(三好さん)

「ラグがツイストしているボンベイといわれるタイプなので、革や個性のあるバンブーは相性が良いと思います」(松浦さん)

周囲から「らしい時計」と言われる運命の一本に巡り会えた三好さん。すっかりヴィンテージ時計の魅力にハマってしまい「黒文字盤の時計を買いたい」と、すでに次の一本を考え始めているところだ。

この日、三好さんの企画に合わせ、松浦さんは初めて買ったヴィンテージのオメガを着けていた。もう30年も着け続けているという。ヴィンテージ時計の魅力はまさに長く愛用できること。デザインはもちろん、サイズ感や着け心地、ブランドの歴史まで自分に寄り添ってくれる一本を見つけたなら、ぜひ自分のもとに迎えてみては?

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