自動巻き時計を使わない時はどうすべき?高級時計の保管

2024.11.26
Written by 編集部

お気に入りの自動巻き時計をしばらく使わない時、どのように保管するのが正しいか気になったことはありませんか?時計は精密な機械であり、適切なケアを行うことでその美しさと機能を長く楽しむことができます。

自動巻き時計を使わない時の基本的な考え方  

自動巻き時計を使わない時

自動巻き時計はその優れた機械的構造と高い実用性から愛用者が多い時計です。しかし、日常的に使用しない場合やコレクションとして保管している場合、その取り扱いに迷う方もいるかもしれません。自動巻き時計を使わない時は、その仕組みや放置の影響を理解しておくことが大切です。

自動巻き時計の仕組み

まず、自動巻き時計の基本をおさらいしましょう。このタイプの時計は、腕の動きによって内蔵されたローターが回転し、そのエネルギーでゼンマイを巻き上げる仕組みです。このため、日常的に腕に着けていれば動き続けますが、外した状態が続くとゼンマイの力が切れ、時計が止まります。

ここで多くの方が気になるのが、「時計が止まると故障するのでは?」という点です。しかし、これは誤解です。自動巻き時計は、止まることで時計そのものがダメージを受けるわけではありません。ただし、長期間にわたり動かさない場合、内部のオイルが固着したり部品の摩耗が進むリスクがあるため、一定の注意が必要です。

放置による影響とは?

時計内部の部品は潤滑油によってスムーズに動作していますが、これが長期間放置されると粘度が変化し、劣化が進む可能性があります。さらに、湿気や極端な温度変化は部品を腐食させる原因にもなります。特にヴィンテージ時計の場合は、古いオイルが硬化しやすく、定期的な動作が求められます。

適切な放置期間と手入れ

もし数日から数週間の短期間であれば、特別な手入れは必要ありません。時計が止まった場合でも、再び使う際に手巻きや軽い振動で動作を再開できます。しかし、数ヶ月以上の長期にわたる場合は、適切な保管環境が求められます。

使わない時に考慮すべきこと  

使わない時考慮すべきこと

自動巻き時計を使わない期間が数日から数ヶ月に及ぶ場合、適切な保管方法を知ることで時計を良い状態で維持できます。

数日~数週間の放置の場合

数日から数週間程度の放置なら、特別な対応は必要ありません。時計が止まったとしても、再び使用する際に手巻きでゼンマイを巻くか、軽く腕に着けて振ることで動き始めます。
ただし、次の点に注意するとさらに安心です:

  • ゼンマイを完全に巻き上げる・・・時計を外す前に手巻きでゼンマイを満タンにしておくと、内部のオイルが行き渡り、保管中の劣化を軽減できます。
  • 湿気の少ない場所に置く・・・時計を放置する際、直射日光が当たらない場所や湿度の高い場所を避けることが大切です。特に浴室やキッチンの近くは不適切です。

数ヶ月以上の長期保管の場合

長期間にわたる保管では、時計の状態を守るための工夫が必要です。

  • 適切な保管環境・・・時計専用の保管ケースや湿度調整剤を使用することで、湿気やホコリから時計を守ることができます。ヴィンテージ時計の場合は特に湿気が大敵です。また、磁気から話しておくことも大切です。
  • 定期的に動かす・・・可能であれば1〜2ヶ月に一度、手巻きでゼンマイを巻いたり、軽く動かして内部を動作させるとオイルの固着を防ぐ効果があります。

ワインディングマシーンは必要?

ワインディングマシーンは、自動巻き時計を常に動かし続けるための機器です。時計が止まらないため、再使用時に時刻やカレンダーを調整する手間を省けるのが主なメリットです。特に日付や月表示を持つ時計では便利でしょう。しかし、一方で時計を動かし続けることで、ムーブメントの部品が摩耗しやすくなる可能性もあります。

一般的に、長期間使用しない時計は止めたまま保管しても問題ありません。動作を維持するためにワインディングマシーンが必須というわけではなく、使うかどうかは個人の好みやライフスタイルに合わせて選ぶとよいでしょう。

自動巻きヴィンテージ時計の魅力  

コレクションとして長期保管することもある自動巻きのヴィンテージ時計は、機械式時計の黄金期に生まれた職人技の結晶ともいえます。手作業で仕上げられたムーブメントは精密で美しく、内部構造には機械式時計特有の芸術性が宿っています。また、クラシックなデザインや、年月を経て生まれる唯一無二の経年変化も大きな魅力です。

オメガ シーマスター

シーマスター

防水性能を追求して設計されたモデルで、シンプルながらも洗練されたデザインが魅力です。初期のヴィンテージモデルは堅実な作りで、時計初心者でも扱いやすく、普段使いからフォーマルまで幅広い場面で活躍します。また、ヴィンテージ市場で比較的手の届きやすい価格帯なのもポイントです。

ロレックス デイトジャスト

デイトジャスト

1945年に誕生したデイトジャストは、自動巻き時計の代名詞とも言える存在です。堅牢性や信頼性に優れ、日付表示機能を備えた初の防水時計として時計史に名を刻んでいます。ドレッシーなデザインと耐久性のバランスが良く、ヴィンテージモデルでも高い人気を誇ります。ロレックス特有のステータス感も魅力の一つです。

IWC マークシリーズ

IWCマーク12

元々はパイロット用として開発された軍用時計で、シンプルかつ機能的なデザインが特徴です。視認性が高く、頑丈で実用性に優れているため、タフな場面でも安心して使えます。ヴィンテージ市場では比較的入手しやすい価格帯で、実用性と歴史的価値を兼ね備えたモデルとしておすすめです。

まとめ 

自動巻き時計は使わない時でも適切に保管することが大切です。長期間放置すると内部の潤滑油が固まり、機械に不具合が生じる可能性があります。時計を保管する際は、温度や湿度が安定した場所を選び、直射日光や湿気を避けることが重要です。また、数週間以上使わない場合はワインディングマシーンを使用して定期的に動かすことも効果的です。大切な高級時計を長く楽しむためにもメンテナンスを怠らないようにしましょう。

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