カルティエ マスト・タンク完全ガイド|ダイヤル・サイズ・ヴェルメイユの選び方

2026.03.13
最終更新日時:2026.03.13

カルティエ マストタンク(Must de Cartier Tank)は、カルティエの象徴であるタンクデザインをベルメイユ(銀無垢ケースに金張り)で再現したモデルです。100年以上続くタンクの造形を、18金無垢よりも手の届きやすい素材で表現しています。

この記事では、マストタンクの購入を検討している方に向けて、LM/SMのサイズの違い、多彩なダイヤルバリエーション、ベルメイユケースの見極め方を解説します。

カルティエ マストタンク ヴィンテージ

ベルメイユケースの構造と特徴

マストタンクのケースは、925シルバー(スターリングシルバー)に金を張り付けた「ベルメイユ(ヴェルメイユ)」と呼ばれる素材でできています。ベルメイユはフランス語で「金張りの銀」を意味し、18金無垢より手頃でありながら金の輝きを楽しめる素材です。裏蓋には「PLAQUE OR G 20M」(20ミクロンの金張り)等の刻印が入っています。

ムーブメントは手巻きのCal.78-1を搭載したモデルが中心です。Cal.78-1はカルティエの手巻きモデルに広く採用されたキャリバーで、薄型のタンクケースに収まる設計になっています。

LMとSM — 2つのサイズバリエーション

マストタンクにはLM(ラージモデル)とSM(スモールモデル)の2サイズが存在します。それぞれの特徴をまとめます。

項目LM(ラージモデル)SM(スモールモデル)
ケースサイズ約23mm(リューズ別)約20〜21mm
ラグ幅17mm14〜15mm
位置づけメンズ / ユニセックスレディース
ムーブメント手巻き手巻き

LMはメンズサイズですが、女性が着用しても似合うユニセックスな魅力を持っています。現代の感覚ではコンパクトなサイズ感で、男性が装着するとクラシカルでエレガントな印象になります。SMはレディースサイズで、華奢な手首に上品に収まるサイズ感です。

カルティエ マストタンク ブラックローマンダイヤル LMサイズ

ダイヤルバリエーション — マストタンク最大の魅力

マストタンクの最大の魅力は、多彩なダイヤル(文字盤)のバリエーションです。中でも一番人気はホワイトローマンダイヤルとされています。以下、主なダイヤルバリエーションを見ていきましょう。

アイボリーローマン — 定番の一番人気

ホワイトとはまた違った上品な印象を持つ定番のバリエーションです。ローマンインデックスにレイルウェイトラック(分点の目盛り)を組み合わせたスタンダードな仕様が、カルティエらしい上品さを醸し出しています。シンプルなアイボリーダイヤルながら一目でカルティエとわかるデザインが魅力です。

トリニティ — カルティエを象徴するストライプ

カルティエの代表的なモチーフであるトリニティを文字盤に配したモデルです。イエロー、ホワイト、ピンクゴールドカラーのストライプが特徴で、シンプルながらメゾンの個性を感じられるデザインです。トリニティラインには太いタイプと細いタイプがあり、細いタイプはよりエレガントな印象を与えます。

ラピスブルー — 星空のような輝き

深みのあるラピスブルーの文字盤に金の粒がきらめく、個性的なダイヤルです。まるで星空を閉じ込めたかのような独特の美しさは、他のダイヤルにはない魅力を持っています。

ボルドー / ガーネット — カルティエのブランドカラー

ボルドー色の文字盤は、深い赤のカラーがカルティエのブランドイメージを体現するバリエーションです。ラッカー仕上げのため劣化が少なく良好な状態を保ちやすいのも特徴です。また、よく似た色合いのガーネットダイヤルも存在し、こちらもカルティエらしい深い赤が人気のバリエーションです。

ブラックローマン — シックな印象

ブラックローマンダイヤルにホワイトレターの組み合わせで、ホワイトローマンとはまた違ったシックな印象のダイヤルです。LM・SMともに展開されており、定番のホワイトやアイボリーとは異なるシックな雰囲気を楽しめます。

その他のダイヤル

そのほか、黒が混じるマーブル模様のブラウンダイヤル、爽やかな印象のブルーダイヤル、放射状の仕上げが入った珍しいダイヤルなどの変わり文字盤も存在します。さらに、インデックスのないシンプルなアイボリーダイヤルはラグジュアリーな印象を与えるバリエーションとして独自の魅力があります。

ダイヤル一覧

ダイヤル特徴
アイボリーローマン一番人気。ホワイトとは違った上品な印象
ホワイトローマン最もオーソドックスなカルティエの顔
トリニティ3色ストライプ。メゾンの個性を感じるモデル
ラピスブルー金の粒がきらめく星空のような美しさ
ボルドーカルティエらしいオシャレなカラー
ガーネットボルドーに近い深い赤。劣化の少ない個体が多い
ブラックローマンホワイトレターとのコントラストでシックな印象
ブラウンマーブル大理石のような独特の模様
ブルー爽やかな印象のカラーダイヤル
カルティエ マストタンク ラピスラズリダイヤル

マストタンクの選び方 — 3つの確認ポイント

ポイント1:ベルメイユケースの状態

ベルメイユケースはゴールドの輝きが美しい反面、長年の使用で金張りが薄くなる場合があります。小傷があっても金張りの剥がれが見当たらない個体は良品とされます。金張りの剥がれが少ない個体を選ぶことが、長く楽しむためのポイントです。

ポイント2:文字盤のコンディション

ヴィンテージのマストタンクでは、文字盤のクラック(ひび割れ)を確認することが大切です。経年によりひび割れが発生している個体が多い中、ノンクラックで綺麗な状態を保っている個体は高く評価されます。一方、ルーペで確認できる程度の薄いクラックがあっても、交換文字盤ではなくオリジナルであることを重視する見方もあります。ノンクラックの個体を選ぶか、オリジナル性を重視するかは、ご自身の価値観で判断するとよいでしょう。

ポイント3:付属品の有無

マストタンクには、ギャランティー(保証書)や箱が付属する個体もあります。購入年が特定できるインターナショナルギャランティーカードや販売保証書が付属する個体はコレクション価値が高まります。ベルトについては純正の革ベルトに純正尾錠が付いている個体が理想的です。

カルティエ マストタンク トリニティダイヤル 純正尾錠付き

プレマストタンク — マストタンク以前の希少モデル

マストタンクの発売前に短期間だけ販売された「プレマストタンク」も存在します。1970年代製のLMサイズなどが確認されています。

プレマストタンクの特徴は、マストタンクには無いホワイトローマンダイヤルが存在する点です。通常のマストタンクではアイボリーが標準的ですが、プレマストタンクにはホワイトローマンダイヤルのバリエーションがあります。また、長方形ケースだけでなくスクエアケースのバリエーションもあり、純正のクロコダイル革ベルトに純正GPのDバックルが付いた個体も確認されています。製造期間が短いため、希少性の高いモデルです。

よくある質問(FAQ)

Q: マストタンクのベルメイユ(ヴェルメイユ)とはどんな素材ですか?

A: ベルメイユとは、銀無垢(シルバー925)のケースに金を張り付けた素材です。裏ブタの刻印から「PLAQUE OR G 20M」(20ミクロンの金張り)と読み取れる個体もあります。18金無垢のタンクルイとは異なりますが、カルティエらしいゴールドの輝きを楽しめます。長年の使用で金張りが薄くなる場合がありますが、再メッキも可能です。

Q: マストタンクのLMとSMの違いは何ですか?

A: LMはラージモデル(メンズサイズ)でケースサイズ約23mm(リューズ別)、ラグ幅17mm。SMはスモールモデル(レディースサイズ)でケースサイズ約20〜21mm、ラグ幅14〜15mmです。LMはメンズサイズですが女性にも似合うサイズ感で、ユニセックスとして着用される方が多いサイズです。

Q: マストタンクで一番人気のダイヤルは何ですか?

A: マストタンクには様々な文字盤のバリエーションがありますが、一番人気はホワイトローマンダイヤルです。また、アイボリーローマンもホワイトとは違った上品な印象で高い人気があります。個性を求める方にはトリニティやラピスブルー、ボルドーなどのカラーダイヤルもおすすめです。

Q: マストタンクの文字盤のクラック(ひび割れ)は問題ですか?

A: ヴィンテージのマストタンクでは、経年により文字盤がひび割れしている個体も多いのが実情です。ノンクラックの個体は状態が良いとされますが、薄いクラックがあってもオリジナル文字盤である点を重視する見方もあります。オリジナル性を重視するか、見た目のコンディションを重視するかで判断が分かれるポイントです。

まとめ

カルティエ マストタンクは、タンクの「100年続くデザイン」をベルメイユケースで実現した名作です。アイボリーやホワイトのローマンダイヤルからトリニティ、ラピスブルー、ボルドー、ガーネット、ブラウンマーブルまで、多彩なダイヤルバリエーションは他のモデルにはない楽しみ方を提供してくれます。

LMとSMの2サイズ展開、手巻きムーブメントCal.78-1の信頼性、そしてカルティエの名を冠したデザイン。マストタンクはまさに「Must(必須)」の名にふさわしい一本です。ぜひダイヤルの違いやケースのコンディションを、ご自身の目で確かめてみてください。

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