ロレックス サブマリーナ Ref.5512・5513の違いと年代別見分け方|FIRE KIDS Magazine
ロレックス サブマリーナといえば、ダイバーズウォッチの代名詞として知られる存在です。そのなかでもRef.5512とRef.5513は、ノンデイト(日付表示なし)のサブマリーナとして長期間にわたり製造されたロングセラーモデルです。
この記事では、Ref.5512とRef.5513の違いを軸に、年代ごとのダイヤルバリエーションやブレスレットの変遷を、FIRE KIDSが実際に取り扱った個体の情報をもとに解説します。ノンデイトサブマリーナの購入を検討している方や、すでにお持ちの個体のバリエーションを知りたい方の参考になれば幸いです。
Ref.5513 — 27年間のスーパーロングセラー

Ref.5513は1962年から1989年まで、実に27年間にわたって製造されたサブマリーナです。FIRE KIDSでも「サブマリーナRef.5513は27年間ものスーパーロングセラーでした。そのためにマイナーチェンジの回数も多く、幾多のバリエーションがあります」と紹介されるほど、年代ごとの仕様変更が多いモデルです。
基本スペックは40mmケース・200m防水・リューズガード付き。ムーブメントは自動巻きのCal.1520を搭載しています(初期の個体にはCal.1530が搭載されていました)。ノンデイト・ノンクロノメーターという、シンプルなダイバーズウォッチとしての立ち位置が特徴です。
Ref.5512 — クロノメーター認定のレアモデル

Ref.5512は、Ref.5513と同時期に製造されたノンデイトサブマリーナです。FIRE KIDSでは「ノンデイトサブでは20年弱造られたロングセラーモデルながらノンクロノメータの5513とデイト付きクロノメーターの1680の中間機種という中途半端な立ち位置で販売量が少ないレアモデル」と紹介されています。
Ref.5512の最大の特徴はムーブメントにCal.1570を搭載し、クロノメーター認定を受けている点です。Cal.1570はハック機能(秒針停止機能)を備えた名作ムーブメントとして知られ、デイトジャストやエクスプローラーなどロレックスの主力モデルに幅広く採用されました。
Ref.5512とRef.5513のスペック比較
両モデルの主な違いを整理します。外観は非常に近いため、違いを理解するにはスペック面の確認が重要です。
| 項目 | Ref.5512 | Ref.5513 |
| ムーブメント | Cal.1570 | Cal.1520(初期Cal.1530) |
| クロノメーター認定 | あり | なし |
| ハック機能 | あり | なし |
| 日付表示 | なし | なし |
| ケースサイズ | 約40mm | 約39〜40mm |
| 防水 | 200m | 200m |
| 製造期間 | 約20年弱 | 1962年〜1989年(約27年間) |
| 販売量 | 少ない(レア) | 多い |
外観上の最大の違いは、Ref.5512の文字盤に「SUPERLATIVE CHRONOMETER OFFICIALLY CERTIFIED」の表記がある点です。Ref.5513にはこの表記がなく、ここが一番わかりやすい識別ポイントになります。
年代別ダイヤルバリエーション
Ref.5513は27年間の製造期間中に数多くのマイナーチェンジを経ており、ダイヤルのバリエーションが非常に豊富です。FIRE KIDSで取り扱った個体の情報をもとに、主なバリエーションを年代順にご紹介します。
ミラーダイヤル(1960年代初期〜中期)
製造初期のRef.5513に見られるダイヤルです。FIRE KIDSでは1965年製・1966年製の個体を「ミラーダイヤル&ゴールドレター」仕様として紹介しています。光沢のある表面が鏡のように反射するのが特徴で、「フチなし」(インデックスの周囲にフチがないタイプ)との組み合わせが一般的です。初期のミラーダイヤルにはCal.1530が搭載されている個体もあります。
メーターファースト / 下サブ(1960年代後半)

防水性能の表記が「200m=660ft」とメートルが先に記載され、その下にSUBMARINERの文字が配されたダイヤルです。FIRE KIDSでは「フィート表記よりも先にメートル表記があり、サブマリーナーの表記が下にある為、下サブとも呼ばれます」と説明されています。後年にはフィートファースト(フィート表記が先)へと表記が変更されたため、メーターファーストは「製造期間が短く希少」とされています。
ミラーダイヤルからマットダイヤルへの切り替わり時期にあたる「マッドダイヤル」仕様の個体も存在し、「トリチウムが灼けて渋い感じに経年変化」した表情が魅力です。
マキシダイヤル Mk2・Mk4・Mk5(1970年代後半〜1980年代前半)

インデックスの周囲にフチがない「フチなし」タイプのマキシダイヤルには、マーク番号ごとの細かな仕様違いがあります。
- マーク2: FIRE KIDSでは「ドットが非常に大きく、ミニッツにかなり近く人気のロリポップダイヤルにも似た雰囲気」と紹介。1980年製・1981年製の個体で確認されています。
- マーク4: 「マキシダイヤルでも後期型でSUBMARINERのSの字が格好良い」と評される1981年製の個体があります。
- マーク5: 「フチなしの中でも最終型にあたるマーク5のマキシダイヤル」として1983年製の個体が紹介されています。ベゼルも年式の合うマーク5が組み合わされます。
スパイダーダイヤル(1980年代後半)
1980年代半ばから後半に製造されたRef.5513の一部に見られる特徴的なダイヤルです。FIRE KIDSでは「当時はミラーダイヤルのようなラッカー仕上げが経年によってヒビの入ったダイヤルは『スパイダーダイヤル』と呼ばれ、クラックの入り方は様々で人気を博しています」と紹介されています。1987年製・1988年製の個体で確認されており、蜘蛛の巣のようなヒビ割れパターンが一つひとつ異なるため、唯一無二の表情を持つ点が魅力です。
フチあり夜光(1980年代後期〜最終期)
製造末期のRef.5513は「フチあり」タイプのインデックスが特徴です。FIRE KIDSで取り扱った1986年製や1989年製(最終L番)の個体は「ノンデイトでドーム風防が魅力的なサブマリーナで艶ありブラックでトリチウム夜光が程良く色づいた状態」と紹介されています。L番はRef.5513の最終ロットにあたり、「ダイヤルやベゼルの傷みもさほど無く、綺麗なものがお好みの方には特におススメ」の個体が見つかることもあります。
ブレスレットの変遷
Ref.5513のブレスレットも年代によって大きく3つのタイプに分かれます。ブレスレットの種類は製造年代を推測するうえでも重要な手がかりになります。
リベットブレス(1960年代)
製造初期の個体に装着されるブレスレットです。FIRE KIDSでは「ブレスレットはリベット。クラスプはシングルロック式デベソバックル」と紹介されており、コマをリベット(鋲)で固定した構造が特徴です。1966年製・1967年製の個体で確認されています。
巻きブレス(1960年代後半〜1970年代)
リベットブレスに続く世代のブレスレットです。FIRE KIDSでは1968年製の個体に「純正の巻きブレス(7836/FF280)」や「純正ステンレスリベットブレス」、別の1968年製の個体には「ブレスレット(9315、FF280)は純正の巻きブレス」が装着されていたと記録されています。ダブルロックバックルを備えた仕様です。
ハードブレス 93150/FF580(1980年代)
製造後期に標準装着されるようになったソリッド(無垢)構造のブレスレットです。型番93150/FF580として、1980年製以降の多くの個体で確認されています。FIRE KIDSでは1981年製の個体が「Wロック3連溝無しハードブレス(93150/FF580)」を装着しており、堅牢性が大きく向上しています。Ref.5512の1978年製の個体にも「79年の93150/FF580」が取り付けられていることが確認されています。
| ブレスレット | 時期 | バックル |
| リベットブレス | 1960年代 | シングルロック式デベソバックル |
| 巻きブレス(9315/FF280, 7836/FF280) | 1960年代後半〜1970年代 | ダブルロックバックル |
| ハードブレス(93150/FF580) | 1980年代 | Wロック |
Ref.5513の後継 — Ref.14060
1989年にRef.5513の生産が終了した後、ノンデイトサブマリーナの系譜はRef.14060へと引き継がれました。FIRE KIDSでは「5513の後継機でありノンクロノメーター、ノンデイトのシンプルさが魅力的のサブマリーナ」として紹介されており、「現行品と比べてもやや小ぶりな印象で普段使いしやすいサイズ感」が特徴です。
よくある質問
ノンデイトサブマリーナRef.5512・5513について、よく寄せられる質問をまとめました。
Q: Ref.5512とRef.5513の最大の違いは何ですか?
A: 最大の違いはクロノメーター認定の有無です。Ref.5512はCal.1570を搭載しクロノメーター認定を受けていますが、Ref.5513はCal.1520(初期はCal.1530)を搭載しノンクロノメーターです。Ref.5512は「ノンクロノメータの5513とデイト付きクロノメーターの1680の中間機種」という立ち位置で、販売量が少ないレアモデルとなっています。
Q: メーターファーストとフィートファーストはどう見分けますか?
A: 文字盤の防水表示の順番で見分けます。メーターファーストは「200m=660ft」のメートル表記が先で、その下にSUBMARINERの文字が配されており、「下サブ」とも呼ばれます。フィートファーストは逆にフィート表記が先になります。メーターファーストは製造期間が短いため希少とされています。
Q: スパイダーダイヤルとは何ですか?
A: 1980年代半ばから後半に製造された個体に見られる現象で、当時のラッカー仕上げの文字盤が経年によってヒビが入った状態です。「クラックの入り方は様々で人気を博しています」とされ、蜘蛛の巣のような模様が一つひとつ異なる点が魅力です。
Q: マキシダイヤルのマーク2とマーク4、マーク5はどう違いますか?
A: いずれもフチなしタイプのマキシダイヤルですが、マーク番号ごとに細部が異なります。マーク2は「ドットが非常に大きく、ミニッツにかなり近い」配置、マーク4は「SUBMARINERのSの字が格好良い」後期型、マーク5はフチなし最終型です。
Q: Ref.5513のブレスレットにはどのような種類がありますか?
A: 年代によって大きく3種類に分かれます。1960年代はリベットブレスにシングルロック式デベソバックル、1960年代後半〜1970年代は巻きブレス(9315/FF280や7836/FF280)、1980年代はハードブレス(93150/FF580)にWロック仕様です。
まとめ
ノンデイトサブマリーナの代名詞であるRef.5512とRef.5513。クロノメーター認定の有無という根本的な違いに加え、27年間の製造期間中に数多くのダイヤルバリエーションやブレスレット仕様が生まれました。ミラーダイヤルの初期モデルからメーターファースト、マキシダイヤル各マーク、スパイダーダイヤルまで、一つひとつの個体が異なる表情を持っています。
FIRE KIDSでは、これらのノンデイトサブマリーナを実際に手に取ってご覧いただけます。年代やダイヤルの違いを比較しながら、ご自身に合った一本を見つけてみてはいかがでしょうか。
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