オメガ Cal.564・Cal.565の魅力|1960年代クロノメーター自動巻きの最高峰を解説
1960年代後半のオメガが到達した自動巻きムーブメントの頂点。それがCal.564とCal.565です。24石、19,800振動/時のクロノメーター認定取得、日付のクイックチェンジ機構。当時の最先端技術がすべて詰め込まれたこの2つのキャリバーは、コンステレーションやシーマスターの上位モデルに搭載され、オメガの黄金時代を支えた500番台ムーブメントとして今も語り継がれています。
コンステレーション Cラインからシーマスター クロノメーター、さらにはシーマスター300まで、実に幅広いモデルに搭載された名機です。
この記事では、Cal.564とCal.565の違いを明確にしたうえで、搭載モデルの特徴と選び方を解説します。
Cal.564とCal.565の違い

スペック比較テーブル
| 項目 | Cal.564 | Cal.565 |
| 石数 | 24石 | 24石 |
| 振動数 | 19,800振動/時 | 19,800振動/時 |
| クロノメーター認定 | あり | なし |
| カレンダー | 日付のみ | 日付のみ |
| クイックチェンジ | リューズ2段引き | リューズ2段引き |
| 主な搭載モデル | コンステレーション Cライン、シーマスター クロノメーター | シーマスター、ジュネーブ |
| 緩急装置 | スワンネック式微動緩急針 | スワンネック式微動緩急針 |
スワンネック式微動緩急針という贅沢
Cal.564/565にはスワンネック式微動緩急針が採用されています。スワンネック式微動緩急針は、精度の微調整をより繊細に行うための機構で、高級キャリバーの証です。この機構により、オメガの500系ムーブメントは高い精度を実現しています。
Cal.564搭載モデル:コンステレーション Cラインの世界

Cラインとは何か
Cal.564が最も象徴的に搭載されたのが、コンステレーション「Cライン」です。ケース側面が「C」の字を描くような独特の形状を持つこのモデルは、ジェラルド・ジェンタ氏がデザインした代表作のひとつです。
代表的なリファレンスであるRef.168.027は、WGベゼル/SSケースの35mmサイズで、シルバーダイヤルにクロノメーター表記と星のマークが配されたデザインが特徴的です。Cal.564クロノメーターを搭載し、リューズ2段引きでカレンダーの早送りが可能です。
ジェンタデザインの前期型と後期型
前期型(1966年頃〜)の代表はRef.168.017で、日付のみのシンプルなスムースベゼル仕様、純正ステンレスブレスレット付きです。Cal.564クロノメーターを搭載しています。
後期型ではWGベゼルとシルバーリネンダイヤルなど、多彩な文字盤とベゼルの組み合わせが展開されました。
12角コンステレーション
12角コンステレーションは、独特の12面体ケースが特徴のモデルです。18金ホワイトゴールド製のケースにCal.564を搭載した仕様では、バーインデックスとドルフィンハンドを組み合わせたデザインが採用されています。
シーマスター クロノメーター
Cal.564はシーマスターの上位グレードにも搭載されました。シーマスター クロノメーターは、クロノメーター仕様のCal.564を搭載し、防水性能と高精度を両立した実用最高峰のモデルです。リューズ操作はゼロ段階でゼンマイの巻き上げ、1段引きで時刻合わせ、2段引きでカレンダーの早送りが可能という、この年代のオメガならではの機構を備えています。
Cal.565搭載モデル
シーマスター Cal.565
Cal.565搭載のシーマスターは、シンプルで飽きの来ないデザインが特徴です。代表的なリファレンスであるRef.166.003は、シルバー文字盤にバーインデックスとドルフィンハンドを組み合わせた構成です。Cal.565はスワンネック式微動緩急針を備えた24石の高精度ムーブメントで、カレンダーはリューズ2段引きで早送りが可能です。純正ライスジュビリーブレスレットが付属する個体も確認されています。
シーマスター300:本格ダイバーズにも搭載
Cal.565は、オメガの本格ダイバーズウォッチであるシーマスター300にも搭載されました。Ref.166.024は後期型に分類され、12時位置に「ビッグトライアングル」と呼ばれる逆三角形の大型夜光マーカーを備え、ねじ込み式リューズを採用しています。Cal.565のデイデイト機能を搭載した、オメガの黄金期を代表する本格ダイバーズウォッチです。
クロノメーター認定の意味
COSC基準
クロノメーター認定とは、スイスのCOSC(スイス公認クロノメーター検定協会)が定める精度基準をクリアした時計に与えられる称号です。
| テスト項目 | COSC基準 |
| 日差 | -4/+6秒以内 |
| 姿勢差テスト | 5姿勢 |
| 温度差テスト | 8℃・23℃・38℃ |
| テスト日数 | 15日間 |
Cal.564はこの基準をクリアする精度を持っています。24石の設計にスワンネック式微動緩急針を組み合わせた精密な機構は、オメガがこのキャリバーの精度にかけていた情熱を物語っています。
選び方のポイント
ポイント1:搭載モデルで選ぶ
- コンステレーション Cライン:ジェラルド・ジェンタのデザインとクロノメーター精度を楽しみたい方に。名デザイナーの作品を身に着ける喜びがあります
- シーマスター クロノメーター:防水性能も求めたい方に。実用時計としての信頼性が高い
- シーマスター300:ダイバーズウォッチとしての本格的な機能美を求める方に
ポイント2:ブレスレットの状態
純正ステンレスブレスレットやライスジュビリーブレスレットなど、オメガのロゴ入り純正ブレスレットが付属する個体は、時計との一体感があり、価値を高めるポイントです。
よくある質問
Q: Cal.564/565のオーバーホールは難しいですか?
A: 高精度キャリバーのため、オメガのムーブメントに精通した時計師に依頼するのが望ましいです。ただし、パーツの入手は比較的容易であり、定期的なメンテナンスで長く使い続けられます。
Q: Cal.564/565のリューズ操作はどのようになっていますか?
A: リューズのゼロ段階でゼンマイの巻き上げ、1段引きで時刻合わせ、2段引きでカレンダーの早送りが可能です。このリューズ2段引きによるカレンダー早送り機構は、この年代のオメガならではの特徴的な仕様です。
Q: Cal.564とCal.565の違いは何ですか?
A: 同世代の自動巻きムーブメントですが、Cal.564はクロノメーター認定を取得したモデルに搭載され、Cal.565は非認定モデルに搭載されることが多い点が主な違いです。
Q: 現代の時計と比べて精度は劣りますか?
A: オーバーホール済みの状態であれば、日差数秒程度の精度で動作する個体が多いです。現代のクォーツ時計には及びませんが、機械式時計としては十分実用的な精度です。
まとめ
Cal.564とCal.565は、1960年代のオメガが到達した自動巻きムーブメントの最高峰です。クロノメーター認定、24石の贅沢な設計、スワンネック式微動緩急針による精密な調整機構。コンステレーション Cラインからシーマスター300まで、オメガの名機に幅広く搭載されたこのキャリバーは、オメガの黄金時代を支えた500番台ムーブメントという称号にふさわしい存在です。
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