【今月の1本】中根啓太(管理部) バリエーション豊かな、名機搭載のクロノグラフモデル、チューダー『クロノタイム』

2022.07.06
Written by 編集部

90年代のヴィンテージウォッチがいい

 私が紹介したい腕時計は、1999年製のチューダー『クロノタイム』です。

 個人的に90年代のヴィンテージウォッチが好きなので、どうしてもその年代のものに目がいってしまうのですが、このチューダーはとてもいいです。

 それから、これも好みなのですが、私が所有する腕時計は大半がコンビモデルなのです。この場合はステンレススティールとゴールドですね。そういうこともあって、どうしてもコンビモデルをひいき目で見てしまうのですが、その点においても、素晴らしいと思います。

 そしてもうひとつ、シルバー、ゴールドに加えて、インダイヤルに差し色の赤が入っているのが、このモデルの魅力をさらに引き上げています。3色目が入ると、全体のバランスがよくなる感じがするのです。

 ムーブメントはETA7750を搭載しています。これはとてもメンテナンス性がよく、安心して使用できるムーブメントです。

 ETA7750は、73年にバルジュー7750として誕生し、いまもなお製造され続けるロングセラームーブメントです。現在はETAに買収され、バルジュー7750はETA7750となり、改良が加えられ製造されていますが、基本設計は、ほぼそのまま継承されてます。

 このムーブメントは、バルジュー時代にロレックス『デイトナ』に採用されたことで有名になり、クロノグラフ=バルジュー7750と言われるほどの存在となったのです。

外装もロレックスと同様

 そんなムーブメントが搭載されているだけでも、魅力的な腕時計と言えます。

 それにロレックスのディフュージョンブランドなので、外装もロレックスと同様のもの使っています。防水性も問題なく、堅牢ですし。さらにはロレックスに比べて、色の組み合わせを含めた細かいバリエーションが多いのも魅力だと思います。

『クロノタイム』だけでも違う仕様のものがいくつか存在しますから。文字盤が真っ赤なもの、グリーンもあります。ベゼルもブラックにシルバー、回転ベゼルもありますし。

 チューダーはヴィンテージ市場でも人気で、ものによっては300万円の値がつくモデルもあるほどです。90年代の『クロノタイム』は、だいたい50~80万円台の価格がついています。とくにブラック文字盤は人気が高く、高額になっているようです。ファイアーキッズの店頭にあった45万円のモデルは、コンディションも良かったですし、かなりお買い得な商品だったとお思います。

 お陰様で、この商品は原稿が出る前にご購入いただいたので、現在、在庫はありません。ただ、数年前にも入荷しましたし、近いうちにまた店頭に並べられる日が来るかもしれません。是非ともお勧めしたい1本です。

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