「こんなに安いの?」値上げされる前に手に入れたいヴィンテージ時計。隠れた名品3選
人気もあるモデルで良い時計なのになぜか安い…! 世間にもう少し評価されてもいい、狙い目なヴィンテージ腕時計3本を見ていく。
単純に安すぎる。オメガ『スピードマスター ファーストレプリカ』
1本目は「普通のプロフェッショナルより安いの?」と、ヴィンテージ時計屋の販売員が思ってしまうオメガの『スピードマスター ファーストレプリカ』。
「単純にこの時計は安いでしょ。普通のプロフェッショナルが中古で60万ぐらい?」(野村店長)
「そうですね、1861が入ってるから全く遜色ないです。アローハンドにステンレスベゼルですね」(髙橋さん)
1957年に発売されたスピードマスターファーストモデルのレプリカで、1999年製。初期モデルの特徴でもあるブロードアロー針の形状や1000mタキメーターなどが再現され、ムーブメントは自動巻きのCal.1861を搭載している。完成度も高く安定したモデルだが、価格は49万8,000円と、評価としては安いようだ。
「アンティークが好きな人は、人と同じものが嫌じゃないですか? 普通のスピードマスタープロフェッショナルじゃない方が良いのに安い」(野村店長)
「オメガのロゴもアップライトで中々良いですよね」(髙橋さん)
「良いですよ。作り込みされているのに安い」(野村店長)
「どうせなら左右対称ケースにしたい」と野村店長が言うように、ヴィンテージ時計マニアからすると気になる箇所もあるようだが、それでも良いモデルだと2人は語る。人と違ったスピードマスターが欲しい方におすすめしたい1本だ。
カルティエで唯一相場が上がっていない『パシャCメリディアン』
2本目は、カルティエの『パシャCメリディアン』。ラグジュアリースポーツモデルの35mmサイズで男女を問わず使いやすく、ブラックダイヤルは視認性も高い。ひと目でパシャと分かる4つのアラビア数字が配されたデザインも特徴だ。
「オメガと同じですけど、普通のパシャじゃつまらないよっていう人が、このメリディアンという24時間針が付いているタイプを選ぶ」(野村店長)
「ダイヤルもカッコいいですよね」(髙橋さん)
「GMTを付けているのは、地球をイメージしているんでしょうね」(野村店長)
「デイトの表記も面白いですよね。窓が繋がっていないんですよ」(髙橋さん)
パシャCにGMT機能を足したモデル。人気も高くブランド力も強いカルティエだが、価格は27万8,000円と販売当時の価格に近く、ブレスレットもしっかりしていて状態の良い個体だ。
「パシャは状態が良いものが多いですよね。これは墨が抜けているんですかね?」(髙橋さん)
「多分、GMTなので分けていると思います」(野村店長)
「観音開きのブレスレットもしっかりしてます」(髙橋さん)
「機械もETAだからメンテナンス楽勝!」(野村店長)
コンディションも高く、メンテナンスもしやすいのに「まだカルティエで唯一相場が上がってない時計」だと野村店長は言う。初カルティエの人も、カルティエを持っている人にもおすすめな狙い目の1本なんだとか。
ルパン三世にも登場。ゼニス『エルプリメロ クロノマスター』
最後に紹介するのは、ゼニス『エルプリメロ クロノマスター』。アニメ「ルパン三世」のテレビシリーズや実写映画でキャラクターの次元大介が着けていたモデルでもあり、ご存知の方も多いのではないだろうか。
「銃を撃つ時とかに、チラチラ見えてカッコいいんですよね。自動巻きでこの薄さと、独特のケース」(髙橋さん)
「70年らしい、そういう感じですよね。フルメンテナンスが済んでいるので、新しくなっている感じはしますが…」(野村店長)
髙橋さんのお気に入りポイントである肉抜きしたようなラダーブレスレットは、レースっぽさが伝わる要素の一つ。ゼニスは自動巻きクロノグラフムーブメントを自社で開発した技術力の高いメーカーだ。
「まだまだ1970〜1990年代では、評価がされてない狙い目の時計がたくさんありますね」(髙橋さん)
「ゼニスは、もうひと越え『評価されても良いんじゃないの?』という時計です」(野村店長)
野村店長が言うには「変にプレミアが付いていない感じ」で、単純に中古の品として売っている名品が多いとのこと。1本目のオメガ『スピードマスター ファーストレプリカ』と、2本目のカルティエ『パシャCメリディアン』はお手頃価格で、特に「もったいなさ」を感じると語る。
評価がだんだんと追いついてきているヴィンテージ腕時計も増えてきてるので、値上がりしてしまう前にぜひ一度チェックしてみてほしい。