春のメンズスタイルに取り入れたいヴィンテージ腕時計“服装別”4選

2024.04.10
Written by 編集部

春本番と言える今の時期。暖かくなってくるとファッションも軽快な雰囲気になり、明るいアイテムや華やかさが欲しくなってくる。今回はファッションを際立たせる重要なアイテムである腕時計を服装別にコーディネートしていく。「レザージャケット」「ブルゾン」「ジャケット」「パーカー」の4つの系統にわけ、それぞれに一番合うと思うおすすめヴィンテージ腕時計をご紹介。春コーデに合わせた時計選びの参考にしてほしい。

男らしくミリタリー感のある「レザージャケット」スタイル

まずは春の「レザージャケット」スタイルには、インターナショナルウォッチカンパニー(IWC)の人気モデル『マーク12』。

「革ジャンは男くさいイメージがあると思うので、ちょっと軍物というかミリタリーっぽい雰囲気を持った時計が合うのではないかと」(宮崎さん)

「生粋のヴィンテージ好きの方の視点とは違うかもしれませんが、バッチリ。銀のジッパーとかのワンポイントが合っていますよね。色合いというかブレスもきめ細かい感じがしていて凹凸というか、HotとCoolが混ざった感じがしてお似合い」(クリスさん)

ジャガールクルトベースの自動巻きムーブメントCal.884/2を搭載し、希少性の高い純正オリジナルステンレスブレス付き。「最高だけど、パイロットウォッチでしょう?」と野村店長。宮崎さんが着用しているレザージャケットがパイロットぽくないので、ライダー寄りの時計を選んでみることになり、1960年製のオリエント『スキンダイバー』が登場。

「あえて革の色を変えるのもありだよね。質感が変わる感じも良いかな」(野村店長)

「大きな違いとしてはスキンダイバーだとベゼルがはっきりしているので、男感というのがより出るかなというところですね」(クリスさん)

他モデルではあまり見られない太字のオリエントロゴに、6時位置の白色の獅子マークが特徴的な1本。オーバーサイズのアウターの場合は、ある程度ボリューム感のある腕時計も合わせやすい。

あえて雰囲気を合わせてヴィンテージ感満載の「ブルゾン」スタイル

次に紹介するのは「ブルゾン」スタイル。ヴィンテージや古着からインスピレーションを受けたタイプのブルゾンを着用しているという佐藤さんは、あえて雰囲気を合わせて「ヴィンテージっぽい時計を」とのことで、ロレックスの1940年代製『アーミー』が登場。

「文字盤もやれていて古着っぽい感じの服装とかと、相性が良いんじゃないかと」(佐藤さん)

「なるほど、そのサイズ感も良いよね」(野村さん)

「少し小ぶりな感じが良いかなと思います。サラッと気取らない感じで着けられるんじゃないかと」(佐藤さん)

夜光塗料の全アラビアダイヤルに「ARMY」表記が入り、注射針のような赤い秒針の組み合わせにヴィンテージらしさを感じるオイスターアーミー。「渋さ」を押し出したスタイルだったが、クリスさんはテイストを変えて腕元を「華やか」にしてみたいとのことで、ジラール・ペルゴの1960年代製フランス空軍パイロットクロノグラフ『タイプ20』を提案。

「エレガントさもあり、ちょっとピカッとしているじゃないですか。素晴らしい時計。佐藤さんは身体がガッシリしているのでドカーンとした時計も似合うと思います」(クリスさん)

「ジャケットと色が合っていますね。存在感もある」(宮崎さん)

「時計がカッコいい。たぶん何を着てもカッコいい」(野村店長)

「腕時計や靴でバシッと締めるのがカッコいい」とクリスさんが話すように、その日のファッションの色を腕時計の一部とリンクさせると統一感が出るのでおすすめだ。

「ジャケット」スタイルには王道のドレスウォッチ

「これは完璧でしょう」という春らしい淡いカラージャケットスタイルに、オーデマ・ピゲの『レクタンギュラー』を合わせた野村店長。サイドがロープモチーフのようなコンビケースに、ダークブルーの文字盤が美しい1本。

「割とジャケットスタイルだとセレクション的には狭くはなりますよね。しかも王道ではない感じ」(クリスさん)

「明るい色なので自由度は高いかな? と思うんですけど、こういうドレッシーな時計を着けたいかな」(野村店長)

「何かないですか? もっとこういう提案もあるよみたいな、2人の方から」(クリスさん)

そこでヴィンテージ歴数ヶ月の宮崎さんからカルティエの『タンクバスキュラント』が。ジャケットを着る時は「腕の上げ下げの邪魔にならないようなスリムさが重要」ということで、薄型ケースのモデルを提案。

「これは合わないわけがないよね」(野村店長)

リューズが12時位置に付いた独特なデザインに、反転型ケースのタンクバスキュラント。ただ、クリスさんはタンクバスキュラントは生地質がツルっとしているジャケットの方が似合うと言う。ジャケットスタイルは生地の質感や色味、場面に合わせて統一感を出したり、あえて外してみたりと差別化がしやすい。

色味で楽しむカジュアルな「パーカー」スタイル

気軽に取り入れやすい「パーカー」スタイルに合わせたいのは、シチズンの『チャレンジタイマー』。12時位置に配されたリューズ、プッシャーが特徴的で、通称「ツノクロノ」、海外では「ブルヘッド」と呼ばれる人気モデル。

「スポーティー系もしくは、ちょっとエレガンスも加えられるという時計があるんですけど、ちょっとスポーティー系の方をチョイスしましたね」(クリスさん)

「抜群にカッコいい。けど着けてもらいたい時計は別にある、今日のクリスにはこれしかないでしょう」(野村店長)

クリスさんの提案はそこそこに、野村店長一押しの1968年製シチズンの『マリンスター』が登場。ローマ数字の文字盤に、黄緑色の文字盤と同色のオリジナルベルトが大きな印象を与える1本。

「色味も良いですよ。これは合わないわけがないです。Good choice」(クリスさん)

そこに宮崎さんが選んだドクサの『ダイビングスター』も登場。1889年創業と130年を超える歴史を持つドクサは、鮮やかな色味や奇抜なデザインのモデルだけではなく、シンプルな3針モデルやクロノグラフもあり幅の広い老舗メーカーだ。

「夜光の色のコーディネートがもう完璧じゃない?」(野村店長)

「完璧ですね。白いベゼルが良いですね」(クリスさん)

「ドクサは結構アメリカ海軍に採用されたりとか、1980年代の時計だけどアメリカ海軍のダイバーに採用されているわけですよ」(野村店長)

SUB300Tの後継機種600Tは、視認性が高い個性的なオレンジのダイヤルに、夜光はトリチウムを採用したダイバーモデル。きれいめのパーカーにも合うが、レザージャケットにオレンジ差し色やゴツい雰囲気も「実は似合うんじゃないかな?」と、心変わりしたレザー担当の宮崎さん。

ショーケースに入っている時はカッコよく見えても実際に着用してみると少し違う…なんてことがあるように、腕に着けてみると意外としっくり…という1本も。腕時計単体で選ぶのではなく、自分のライフスタイルやファッションまでを含めてチェックすることが大事なポイントだ。

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