店舗がおすすめ。初めてでも失敗しないヴィンテージ腕時計の買い方

2024.09.25
Written by 編集部

時計マニアが集まるFIRE KIDSのスタッフが、ヴィンテージ時計の魅力を伝えるYouTubeコーナー。毎回異なるテーマで、厳選されたモデルをご紹介する。

若い世代にも人気が広がってきているヴィンテージ腕時計。興味はあっても「買い方が分からない」「故障しやすいの?」といった不安から、なかなか手を出せない方もいるのではないだろうか。今回はスタッフの実際の購入失敗談をもとに、プロ直伝の「気をつけるべきポイント」をご紹介。ヴィンテージ初心者はぜひチェックしてほしい。

腕時計がバラバラに? スタッフの購入失敗談

スタッフの山﨑さんがFIRE KIDSに入社する前に人生で初めて購入したヴィンテージ腕時計は、オメガの『1940年代 ハーフローター 金無垢タイプ』。あるお店で相談して、いくつか腕時計を出してもらった中で選んだ1本だったと言うが、少し使ったらすぐに壊れてしまい、修理も不可という判断で終わってしまったとのこと。

「僕も初心者で、使い方も少し勉強不足だったところもあるんですけど、結構外回りとかをするようなアクティブに動く仕事をしていたので、その仕事をしている間にポロッと風防が、ポロッと裏蓋が取れてしまって」(山﨑さん)

「バラバラになってしまって、購入したお店さんに相談しに行ったり、他の修理屋さんとかにも相談したりとか頑張ったんですけど直らずと」(山﨑さん)

「直らないというのははまらない? ベゼルごといったってこと?」(松浦さん)

「はめてもすぐ取れちゃうというような、ケースの形状が少し歪んでしまったのか、もう無理やり接着剤でとめるしかないような」(山﨑さん)

年代的にベゼルで押さえて止めるようなタイプだったが、ケース・ベゼル・風防が全て外れてしまったのではないかと言う。

「たぶんケースがあって、風防ってプラスチックだと思うんだけど、それを枠みたいな感じで、ベゼルを枠でグッと押さえて止めるタイプだと思うんだけど、それが取れたんだね」(松浦さん)

「誰が頑張っても直らないこともあり得るとは思うんですけど、色々な事情がある中、もしかするとあまりよろしいお店ではなかったのかもしれないですね」(クリスさん)

昔よりも工具が良くなったり、1回のコストが少し下がったりなど技術力が上がっているため、一度修理不可と言われても可能性がないわけではないとも話す。

オメガ『シーマスター ハーフローター』 14Kピンクゴールド 1944年~1946年製

腕時計の買い方とは。失敗しない購入アドバイス

色んなヴィンテージ腕時計屋やサービスがある中で、何に注意してどうやって買えば良いのか。オンラインでもヴィンテージ腕時計を購入できる時代だが、まずは「店舗」を持つ店を選ぶのが良いと、ヴィンテージ歴30年の松浦さんは話す。

「お店があると安心感があるよね、損をしづらいというか。ネットはオークションとかで買えるけども、結構売りっぱなしの人もいると思うの。到着して『あれ? ちょっと思っていたものと違うな』とか、把握しているのか分からないけど手が加わってたりとか」(松浦さん)

「保証面でも違いますよね。売って終わりではなく、我々のようなところだとアフターサービスにすごく力を入れているじゃないですか。やはり時計は『One time only』ではないので、長く使っていく上で大事なプロセスを提供できているかどうかです」(クリスさん)

「初めて買う時とか不安なので、お店があると色々直接聞けると安心感もあって良いのかなと」(山﨑さん)

知識を持ったスタッフがいること、アフターサービスが充実していることも重要だが、希望や条件、不安点に対してしっかりと対応してくれる姿勢があるかどうかもポイントだ。気持ちが1番踊った腕時計がない場合は無理して購入する必要はない。FIRE KIDSでは品質だけではなく、より魅力的に感じてもらえるように「体験」の部分を重視していると言う。

「僕が初腕時計で失敗した時は、1時間以上悩んでいたんですよ。それを見かねた店員さんが後ろから『これもありますよ』と出してくれたんですけど、店頭に並んでいた時計ではなかったので、もしかしたらまだ商品なっていない時計だった可能性もありますね」(山﨑さん)

「商品化前の準備段階の時計だったのかもしれないよね」(松浦さん)

「今でこそわかるんですけど、ヴィンテージ時計は仕入れからメンテナンス、商品にするまでに色々準備をして整えてチェックまでして店頭に並べていると思うんですけど、もしかしたらそこが少し足りてなかったかもしれないのかなというのは少し反省点です」(山﨑さん)

おすすめしないヴィンテージ腕時計店の特徴

決して安くはないヴィンテージ腕時計。納得のいく1本を適正な価格で手に入れるためには、お店選びも重要だ。どんな商品を扱っているかや品質はもちろんだが、「正直な商品説明」と「質問をしやすい」お店であることが失敗しないポイントだと松浦さんは話す。

「一定の商品説明と実店舗があるという安心感は必要だと思う。オリジナルかどうかというのも大事だけれど、何を修理していてどこが変わっているとか、例えば文字盤が書き換えとかっていうのを言ってくれるのも大事だね」(松浦さん)

「透明感って大事ですね」(クリスさん)

「あとは少し上から目線的なところはやめた方が良いかな。何か少し敷居が高い、質問をしづらいとかになっちゃうところは、お互いにハッピーじゃない気がする」(松浦さん)

「そういうオーラは伝わりますよね。何十年の経験があったとしても、永遠に勉強し続けることが大事だと思っているので、そういったスタンスを持っているお店は強いですし、より人を魅了させるところなのかな」(クリスさん)

他にも、メンテナンス前の腕時計が山積みになっていたりと、物の扱いやお客さんへの配慮が足りていないお店も気をつけた方が良いと話す。当たり前のことではあるが、実際にそういった店舗に出会うこともあると言うので気をつけたい。

品質はもちろんだが、正直に対話をしてくれる店に出会うことも重要なヴィンテージ腕時計の世界。気に入った1本を見つけるまでに少し時間はかかるが、欲しいブランド、モデルを選ぶだけではなく、信頼できる購入店選びにも注意して楽しんでほしい。

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