お買い得な金無垢ヴィンテージ時計5選!

2025.01.19
Written by 編集部

出演:野村×松浦×クリス

ファイアーキッズのウォッチメイトであり、YouTubeコンテンツのディレクターを務めるクリスさんのセレクトにより、金無垢時計特集をお届けする。けっして安くはないが、金の価格が高騰しているなかでお買い得に感じられる時計が集まった。

アルピナ 2レジスタークロノグラフ

1本目は、ヴィンテージ感あふれるアルピナ『2レジスタークロノグラフ 14金無垢 1940年代製 手巻き Cal.943』を紹介する。

「アルピナのオリジナル型番だね。ベースキャリバーはバルジューかな」(野村さん)

「ピラーホイール。押し心地が軽くて良いですよね」(クリスさん)

「正直アルピナ自体に思い入れはないけれど、ケースが抜群に良いよ!」(松浦さん)

「顔も良いし機械も良い。これはバウハウスっぽいよね。素敵」(野村さん)

クリスさんはアラビア数字でバウハウスを思わせるデザインよりも、ローマ数字にもう少し厚みのある針の方が好みのようだが、トータルで見て推せる時計だと話す。価格は40万円で、比較的お手頃なのも魅力である。アルピナという名前にピンとこない人もいると思うが、アルピナは技術力のあるメーカーだ。クリスさんが説明する。

「ロレックスのプリンス(ドクターズウォッチ)を作る際に、アルピナとグリュエンが共同で機械を作ったじゃないですか。そういう技術力のあるメーカーだったんですよね」(クリスさん)

「アルピナはヴィンテージに触れていくとファンがいますよね」(松浦さん)

「作りが良い。1930〜1940年代の時計でもステンレスケースを使っていたり金無垢だったり、素材も良いものを使っている。安売りしていた物ではないと感じられるよね。個人的にはプッシャーが好き」(野村さん)

「わかります! ラウンドプッシャーだともう少し長いけれど、これはコンパクトですね」(クリスさん)

キラキラ! 存在感ありのロンジン コンクエスト

2本目は、松浦さんが「キラキラ感が好き」という、ロンジン『コンクエスト デラックス 1966年製 18金無垢ラウンドケース 純正GF尾錠付き』を取り上げる。

「インデックスの間のポリッシュワーク! 本当にキラキラ感が増している」(クリスさん)

野村さんが「たぶん文字盤も金無垢を使っている。もう少し高くてもいいんじゃない?」と語る価格は、69万8千円。裏蓋のメダリオンのエナメルもしっかりと残っており、コンディションも良い。キラキラしているゆえに針が見づらいこともあるが、そこはご愛嬌の範疇といったところだ。

「これは、オメガのコンステレーションに対抗している時計。コンステレーションに対してロンジンの評価が低いなってモヤモヤしたものがある。60回無金利を使えば1万円ちょっとなわけよ。そんな値段の時計じゃないけれどな」(野村さん)

「この時計は先日接客したばかりで、お客様は『あ〜格好良いな!』って心の底から唸るように言っていました」(松浦さん)

「オメガのコンステレーションにデラックスシリーズがあって、文字盤に鏡面仕上げが入っているのもとか、それと同等クラス。その辺りが100万円台じゃない? そう考えるとこれは安すぎるでしょ。何が良いって、しっかりした厚みがあるのがコンクエストの良いところ。感覚的にはインターのインヂュニアを思わせるくらい厚みがあって、腕に乗せた時の存在感があります」(野村さん)

メルボルン五輪モデル。オメガ シーマスター

続いて紹介する金無垢時計は、オメガ『シーマスター XVI プロトタイプ1956年製 Ref.2850SC メルボルンオリンピック 18金イエローゴールド』。文字盤にオリンピックエンブレムが刻まれている。そして、立体的なハートインデックスが特徴的だ。

「オメガはオリンピックと関係性が深いですよね。モントリオールではデジタルとアナログの時計を出していた」(松浦さん)

「金無垢時計の楽しめるポイントの1つは、ラグの作り」(クリスさん)

「そうね。シーマスターらしくないよね。こちらはどちらかと言うとコンステレーションじゃないの?みたいな」(野村さん)

「ベゼルはちょっとシーマスターっぽいというか、平たいリングがしっかり見える。一見ヴァシュロンも匂う感じがしますよね」(クリスさん)

「何となくわかる。でも全体的にはコンステレーションに引っ張られているデザインですよね。でも値段が指し示すとおり、なかなか出てこないでしょうね」(松浦さん)

「よく見ると格好良い。文字盤のエナメルの質感とかすごく良いもんね」(野村さん)

「これはもうエレガントです。本当に素敵です」(クリスさん)

他のシーマスターにはないエレガントさが際立つ一本。価格は124万円となっている。

エレガントなジラール・ペルゴ リシュビル

4本目は、ジラール・ペルゴ『リシュビル 18金無垢ピンクゴールド 1990年製 Ref.2710 手巻き ギャラ付き』をセレクト。

「見た目高そうだね。どうですかこれ! 2レジの手巻き」(松浦さん)

「ピンクゴールド。愛のゴールドとも呼ばれている」(クリスさん)

「そうなの?笑」(野村さん)

「エレガントなんですが、クラウンがミリタリー時計くらいしっかりしている。このギャップ感が私的にはグッときます」(クリスさん)

「GPというとマニファクチュールのイメージが強いけれど、これはムーブメントがレマニア。レマニア×金無垢というとオメガを思い浮かべてしまうけれど、オメガで金無垢でこのサイズの時計といったら、こんな値段じゃないもんね。今出てくると200万円台になってしまうんじゃない?」(野村さん)

「わりと大きめのケースじゃないですか。けれど締まっている風に見えますよね。トノー型のケースだけれど、外周が丸い。まるでトノー型の時計じゃないかのように見える一本」(クリスさん)

「捉え方によっては、カルティエのトーチュのクロノグラフみたいにも見える。トーチュのクロノグラフも時代によってケースに沿ったメモリになるんだけれど、別のものは丸のメモリなので、それとちょっとシンクロする。トーチュのクロノグラフはまずこの値段で買えないからね」(松浦さん)

金無垢の重厚感もありながら価格は130万円。お得感のある一本だ。

今が狙い目? ヴァシュロン・コンスタンタン ラウンドケース

最後に登場するこちらもかなりのお得感がある。ヴァシュロン・コンスタンタン『ラウンドケース 2000年代製Ref.33093 18金ホワイトゴールド 革ケース付き』を見ていこう。

「若い頃は『こんなのおじさんが着ける物だよね』なんて思っていたけれど、着けてみると意外とサラッと着けるのに良いね。これだけ薄型に作っているのに、針の立体感がたまらないね」(野村さん)

「こういう時計は、不動産で成功したおじさんがスナックでウイスキーを片手に着けているイメージの時計なんですよ。その時代を思い出してしまうので、僕の中ではちょっと縁遠い時計。ただ、今は時代も違うので、ファッションとも合うんです。若い方が今のファッションと合わせると格好良く見えるんだよな」(松浦さん)

「ヨーロッパだとこの一体型ケースが流行っています」(クリスさん)

「ヴァシュロンの評価は、まだ伸び代があると思うんだよね」(松浦さん)

野村さん曰く、国内外のディーラーの間では、カルティエの次に来るのはピアジェじゃないかといわれているという。そのため、ヴァシュロンは狙い目。当時200〜300万円していた時計が、こちらは120万円となっている。金の価格が高騰しているなかで、かなりお買い得だ。

金無垢時計は、40代より上の世代にはいわゆる“お金持ちのおじさん時計”の印象が残っているようだが、若い世代は抵抗なくファッションに合わせて楽しんでいる。そして、金無垢時計は資産価値も高いため、そういった点からも注目に値する時計だ。

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