ロレックス『GMTマスター』はブラックベゼルのシックなスタイルが魅力!

2024.01.11
Written by 戸叶庸之

文=戸叶庸之

ロレックス『GMTマスター Ref.1675』 (1978年代製造)Cal.1570 ステンレススチールケース 40㎜ケース ¥1,980,000

ヴィンテージウォッチの世界を牽引するロレックスから超人気プロフェッショナルウォッチのひとつ、GMTマスター Ref.1675について解説する。

ファッションと親和性が高いブラックのベゼルインサート

筆者は『GMTマスター Ref.1675がかなり好きで何度か買い替えて、現在は2本所有している。

トータル的なコンディションが購入の時点で決め手となるのはもちろんだが、マニアの方々のこだわりには敵わないまでも、ベゼルインサートにはかなりこだわりをもっている。

『GMTマスター Ref.1675』のベゼルインサートとしてもっとも有名なのが、赤と青のいわゆるペプシカラーであろう。初めて購入したRef.1675はバイオレットベゼル、あるいはフクシアベゼルと呼ばれており、紫と青のツートンカラーに特徴がある。変色でよるののだと言われているが、有力なヴィンテージロレックスのコレクターの見解によると、このベゼルは1960年代の半ばから後半ごろ、北米のマーケットに向けて出荷されたと言われている。筆者の購入当時は10万円ぐらいで買えたが、今では100万円前後で取引されているいるというのだから驚きだ。新しい時計を買う資金繰りで仕方なく手放してしまったが、こんなことになるなら、せめてベゼルインサートだけでも残せばよかったと後悔している。

次に購入したのは、収集を始めた頃から狙っていたミラーダイヤルのRef.1675だ。こちらはpgc(クラウンポインテッドガードを備えている。ひねくれたセレクトに聞こえるかもしれないが、ペプシカラーではなく、年式が大体合うブラックのベゼルと、金無垢のRef.1675/8の初期モデル用のシルバーレターのベゼルを所有している。

これでも満足できず、最後に買ったのが、通称ラディアルダイヤルと呼ばれるマットダイヤルのマーク3ダイヤルである。ドットのインデックスが中央に寄っているので見分けるのはとても簡単だ。こちらは初めはペプシカラーのベゼルが付いていたのだが、何とか年式の合うブラックのベゼルに変えている。『サブマリーナー』よりも薄いこともあり、使用頻度はいちばん多いかもしれない。何本か、ヴィンテージロレックスを所有しているが、身の丈に合っている数少ない1本だと考えている。

優れたトータルバランスからロレックス史上最高峰のクオリティを持つと評価が高いCal.1570

さて、このブラックのベゼルインサートだが、当時最大の市場だった北米向けに作られたとか、諸説あって、どれも真偽は定かでない。革命家チェ・ゲバラも愛用していたという説もある。人気だけで言えば、赤×青のペプシカラーの方が断然上だろう。だが、このモノクロームのベゼルならではのよさがあり、ファッションとの相性は抜群である。

こちらの個体は、1978年製とRef.1675としては後発の部類に入る。このモデルに合う、Ref.78360 / FF558のオイスターブレスレットを装着すると、いい意味でヴィンテージ感が和らぐ。エイジングが進んだヴィンテージがウォッチが苦手だと思うにはうってつけだろう。赤×青のペプシカラーのベゼルインサーと比べると地味に見えるかもしれないが、おそらくファッションでの汎用性は上回る。持っておくと非常に便利は1本であると一押ししたい。

多少重さを感じられるが、無垢な分耐久性に優れたRef.78360 / FF558

writer

戸叶庸之

戸叶庸之

神奈川県出身。大学在学中に出版社でのアルバイトからマスコミ関係の仕事に携

わる。その後、カルチャー誌、ファッション誌で編集・ライターとして活動をスタート。Web媒体は黎明期から携わり、藤原ヒロシ氏が発起人のWebマガジン「ハニカム」、講談社「フォルツァスタイル」などの立ち上げに参加。現在は、各種メディアで執筆、編集、ディレクションのほか、Webマーケティングや広告案件に従事。時計については、趣味でヴィンテージロレックスを収集しつつ、年代やジャンルを問わず、様々な角度から高級時計のトレンドを常に追いかけている。

記事を読む

ranking