あなたは何問正解?「製造年を見極める方法」ヴィンテージ腕時計の年式当てクイズ
今回は、ヴィンテージ腕時計好きなら全問正解したい「年式」当てクイズ。ヴィンテージ歴36年の野村店長が入社歴が浅いスタッフ2名の眼力を試しながら、おすすめの5本をチェックしていく。シリアル番号ではなく外観や搭載機械、歴史的背景から推測してみるのも面白いのでぜひ一緒に考えてほしい。
『オイスターデイト』ブラックのギョーシェ彫×ゴールドインデックス
第1問目は、ロレックスの『オイスターデイト クサビハニカムダイヤル 赤黒カレンダー』。野村店長の「せーの」という声かけで、スタッフの佐藤さんと宮崎さんは「1959年」「1957年」と答える。
「1957年が正解! どこから推理した?」(野村店長)
「まず見た目と針が尖っている感じやインデックスのかかっている感じ、カレンダーの赤と黒が交互にきているところですかね」(宮崎さん)
「1959年でもハズレではないかな。ただギョーシェ彫になっているので、1959年はギョーシェ彫はほとんどない。1957〜1958年くらいまでかなというところでいくと、1956〜1958年までだったらほぼ正解みたいな感じですかね」(野村店長)
ダイヤルはオリジナルのブラックのギョーシェ彫で、ゴールドインデックスとの組み合わせが良い1本だ。
「赤黒で迷ったんですよね。1958〜1959年かなみたいな感じだったんですけど」(佐藤さん)
「1959年だと黒カレンダーも赤黒カレンダーもあるかな。そこはほぼ正解」(野村店長)
薄いベゼルに大きなダイヤルのドレスウォッチ『ジュネーブ』
第2問目は、鮮やかなブルーダイヤルが目を引くオメガの『ジュネーブ Ref.166.721 ブルーダイヤル』。ムーブメントは自動巻きのCal.565を搭載し、リューズを引っ張ることでカレンダーの早送りができるモデルだ。佐藤さんは「1978年」宮崎さんは「1970年」と答えたが、どちらも不正解。
「これは1969年かな。1970年代でもオメガのマークの形で、1970年代の前半以前というのは分かるんだよね。今のオメガマークに比べると、ちょっと潰れた感じがするじゃない?」(野村店長)
「下の部分がキュッとなっている気がしますね」(佐藤さん)
「これは1970年代前半までなんですよね。1960年代後半〜1970年代前ということが外観から絞れて、更にこれは機械がロービートでしょ?」(野村店長)
そこで「1960年代かな?」と考え、1970年頃より8振動が出始めることを合わせて推測していくことで、1970年までは絞れると言う。
ロレックス入門機としても人気の『オイスターデイト』
「これもハッキリ分かる」というロレックスの王道モデル『オイスターデイト Ref.6694 シルバーダイヤル 純正リベットブレス』。第3問目は「1969年」と答えた佐藤さんが見事正解。
「素晴らしいね。なぜこれが1969年だと思ったの?」(野村店長)
「トリチウムなので1964年以降というのは分かって、1970年までいってないかなという感じですね」(佐藤さん)
「なるほど、ブレスがリベットだしね。大体1966年くらいまでアルファハンドが付いているものが多いので、1967〜1969年というイメージ」(野村店長)
1950年代〜1980年代まで製造されていたロングセラーモデル。同じ型番でも年式によって細かい違いがあるので少し難しいかもしれない。すっきりとしたスムーズベゼルにシルバー文字盤はシンプルで飽きのこないデザイン。メンテナンスもしやすいことから、これからヴィンテージロレックスに挑戦するという方にもおすすめだ。
ブラックの文字盤に星型のインデックス『スターダイヤル』
第4問目は、インデックスもラグの形状もユニークなベンラスの『10K金張り 自動巻き スターダイヤル』。過去にもFIRE KIDSのホームページに登場したことがあるので「当ててもらっちゃいましょう」とプレッシャーをかける野村店長。
「1953年」(佐藤さん)
「1950年」(宮崎さん)
「どちらが正解というか、これは1950年後半くらいですね」(野村店長)
ブラックの文字盤にはインデックスと12時位置に合計15個の星が配置されている。完全な製造年を確定することはできないが、デザインなどの外観からある程度は推測ができると言う。
「1950後半だとここまでデザインは遊んでいなかったりとか、スイス製にもなっているし、特徴的なラグのデザインは1950年半ば〜後半に多いデザイン。ツヤありのブラックの文字盤もどちらかというと、1950年代後半のデザインという読みです」(野村店長)
オメガの定番モデル『シーマスター』
最後は「ノンポリッシュで抜群にカッコいい」という、最新仕入れのオメガ『シーマスター トップゴールド Ref.166011 純正ベルト 尾錠付き』。佐藤さんは「1964年」宮崎さんは「1963年」と答え、なんとヴィンテージ歴3ヶ月の宮崎さんが大正解。
「結構2人とも勉強しているね。つまんねーの(笑)どこで1963年だと思った?」(野村店長)
「自分、1966年製のシーマスターを着けているんですよ。その辺りの時計を選んでいたので、確かこのくらいの形は1963年かなと」(宮崎さん)
シンプルなデザインでありながらも、しっかりとした存在感を放つ定番のシーマスター。小さすぎない丁度良いサイズ感のトップゴールドのケースも魅力的だ。
「1964年と言った理由は?」(野村店長)
「まずシーホースが流行っていた1950年代は外して、1960年代でこの針や文字盤のカーブ具合とか、インデックスの形とかも見て1960年半っぽいかなというところからです」(佐藤さん)
「そうですね。裏蓋のスクリューバックがシーホースマーク入りだと、大体1960年以降という。その辺の推測は完璧ですね」(野村店長)
針の形状からいくと1960年代後半までが範囲となるタイプの針だが、インデックスの形を見ると前半という推測ができると話す。
ヴィンテージ腕時計は長い年月による経年変化によって、新品や加工したものでは味わえない個体独自の特性を感じられる。年式や製造年を1つの指標として知ることで、よりいっそう愛着が深まることだろう。