所有欲を満たすチューダーのスポーツウォッチ4選!

2024.04.30

文=戸叶庸之

ファイヤーキッズに揃ったヴィンテージチューダーの中から所有欲を満たす4つのスポーツモデルを紹介する。

1.チューダー『サブマリーナー』Ref.9411(1980年製)

チューダー『サブマリーナー』Ref.9411 自動巻き(Cal.2776) 1980年製 ステンレススチールケース 39mm径

理屈や蘊蓄を超えた魅力を放つ、アイコニックなデザインで知られているヴィンテージウォッチには、大概多くのファンがついている。

チューダー『サブマリーナー』Ref.9411は、そんな時計の典型例だ。本家ロレックスの王冠マークのと違う盾マークのロゴ、“スノーフレーク”の異名を持つ、時針・分針・秒針、インデックスはこのモデルならではの魅力的なディテールだ。

こちらで紹介する1980年製の個体は少し青みがかったベゼルがチャームポイントだ。残念ながら、針の夜行塗料は入れ直しているそうだが、十分な雰囲気がある。ブレスレットは後年のチューダー製の巻き込み式のブレスが装備されている。

ヴィンテージウォッチとしてのマイナス点があることは事実だが、その分だけ価格が抑えられていることも付け加えておこう。

2.チューダー『クロノタイム』Ref.79170(1992年製)

チューダー『クロノタイム』Ref.79170  自動巻き(Cal.7750)、ステンレススチールケース 39mm径

1990年代、当時のロレックスの現行モデル『コスモグラフ デイトナ Ref.16520』は、当時の相場からも決して安い時計の部類ではなくて、購入を断念した人も多かった。

そんな人々を助け舟になった1本が、チューダー「クロノタイム」であった。

ブラックのベゼルやリューズガードを備えたねじ込み式のクロノグラフプッシャーを持ち、まるで『コスモグラフ デイトナ Ref.6263』と『コスモグラフ デイトナ Ref.16520』のいいとこ取りをしたかのようなデザインには、所有欲を満たす魅力がある。いわゆる“逆パンダ”のダイヤルは、ファッションアイテムとしても合わせやすく人気が高い。

一方、ロレックスのRef.6263やRef.16520にないディテールとして特徴に挙がるのが、縦目のダイヤルデザインや6時位置の日付表示である。39mmケース径はと、この時代としては決して小さな部類のサイズではないが、どこか愛嬌のある面構えは、とてもチャーミングに見える。

3.チューダー『レンジャー』  Ref.7995/0(1966年製)

チューダー『レンジャー』  Ref.7995/0 自動巻き(Cal.2483) 1966年製 ステンレススチールケース 34mm径

“スノーフレーク仕様”のチューダー『サブマリーナー』と同様、根強いファンを持つのが、ロレックス「エクスプローラー」のディフュージョンモデルに該当する『レンジャー』だ。

ユニークな形状の針と「エクスプローラー」よりも2mmほど小さな34mmのケースが人気を集めており、シンプルな3針のバージョンと日付表示が付くモデルが存在する。

こちらの1966年製のRef.7995/0は、トータル的なコンディションに優れている。さらに、チューダーマニア垂涎の“ジャパンブレス”が付けられている。このブレスレット単体での入手はかなり難しい。

自動巻きムーブメントはオーバーホール済みのCal.2483を搭載されており、実用面での安心感がある。

4.チューダー『オイスター デイト』Ref.7159/0(1972年製)

チューダー『オイスター デイト』Ref.7159/0 手巻き( Cal.234) 1972年製 ステンレススチールケース、40mm径

ディフュージョンブランドゆえの安心して買える価格帯とユニークなデザイン。チューダーの持ち味はまさにそこにあるわけだが、ヴィンテージウォッチとなれば、話はまったく別になる。

“モンテカルロ”の愛称で呼ばれる、こちらのクロノグラフがまさにそれに当てはまる。復刻モデルが出るほど人気があり、ヴィンテージチューダーでも指折りのコレクターズアイテムである。2レジスターのダイヤルをこの当時流行っていたフューチャーリスティックなデザインが人気の理由だ。ホームベース型のインデックスを持つファーストモデルと、こちらのセカンドモデルがある。チューダーで唯一の手巻き式クロノグラフであることも、このモデルならではの魅力である。

何だかんだ言って、やはりコレクターズアイテムを手に入れることは、ヴィンテージウォッチの楽しみのひとつであることは否めない。お気に入りの1本と過ごす特別な時間を手に入れよう。

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