安定を取るか、冒険に走るのか! スピードマスターとナビタイマーを徹底比較!

2022.12.24
Written by 編集部

安定を取るか、冒険に走るのかが選択の分かれ目だ!

出演:野村店長×藤井克彦(販売スタッフ)
ファイアーキッズYouTube第2弾は、人気クロノグラフモデルを徹底比較。ブライトリング『ナビタイマー』とオメガ『スピードマスター プロフェッショナル』5thモデルという、通にも、そうでない人にも大人気の2本を比べた興味深いものとなっている。

この2本で迷う人は多い

 どちらも手巻きクロノグラフの名作中の名作。今回の意図は、この2本で購入を迷われている方のため、ということだ。野村店長も「そういう方はいらしゃる。クロノグラフではどっちも代表ですからね。自分でも、どっちも買ったことがある」という。

 まずは『スピードマスター』から。藤井さんの手にあるのは1995年製の5thモデルだ。

「これは僕が買ったのとほぼ一緒ですね。僕が新品で買った数少ない時計」

 という野村店長。

「これよりちょこっと古いくらい。『スピードマスター』も19歳で買いましたね。スゴいと思うでしょ?  でも当時は10万円台前半だったんですよ」

 確かに安い。それを聞いた藤井さんも「今だと信じられない価格ですね」と驚く。しかも、現在とは税金も違っていたという。

「当時は、消費税が3%。要は輸入関税がなくなって、こういう時計が安くなった時だった。輸入関税で贅沢品がの輸入に対して関税が高かったのが、代わりに消費税になった。輸入関税が下がった時期だったし、バブル崩壊直後ぐらいだったので、もうそこら中で値段競争だった」

 当時はヨドバシカメラやビックカメラでは3%のポイント還元が貰えるという時代で、野村店長もその恩恵に預かったのだとか。

「ポイントって、今は普通10%くらいは当たり前の時代だと思うんですけど、当時は消費税3%が導入された時に、3%ポイント還元を各社はじめたんですよね。そういうのからポイント還元がはじまりましたよね」

1995年製オメガ『スピードマスター』

きっかけはエアロスミス

 そして、野村店長が『スピードマスター』を購入した動機を話しはじめる。

「当時、高校生ぐらいの時に、エアロスミスのジョー・ペリーというギタリストが雑誌でつけていたんですね。“いやー、格好いいな”と思って買いました。人に憧れて、つけてるのが格好いいと思って買った時計はこれだけかな」

 野村店長にしては、珍しい買い方であったようだ。そして、藤井さんが「ジョー・ペリーみたいな派手で、みたいな人が、こういう『スピードマスター』をつけていると、なんか渋くて格好いいなっていう」という感想を述べると、「そのギャップがよかった」と話す。

「ただその当時、エアロスミスはそんなにヒットしていない時期だったんです。その後、バーンとブレイクして、腕時計なんかしないでしょ、って感じに変わって行ったんですけど(笑)」

 そして、購入の動機から『スピードマスター』の魅力についてへと話が続いていく。

「もう1960年代に、ほぼこのデザインじゃないですか。多分、一生流行りとか関係ないんですよ。もう50年以上このデザインで作り続けて、常に人気がある時計ですね。そんな時計はなかなかないんですよ」

 また、機械についても言及。

「中の861という機械は、今の機械とほぼ同じ作り。構造自体が変わってないですね。メッキのかけ方とかプラスティックパーツを金属パーツに変えたりとか、そういう細かい違いはあるんですけど、基本は同じ機械」 そこに機械式時計の特異性があるという。

ほぼ同じ構造で今も作られる機械

「おかしな話だよね。たとえば、クルマだったら1960年代のエンジンを今作って売れますかって言ったら、売れないでじゃない。でも60年前の機械がベースですよね。ほぼ同じ構造で今も作っている。値段も高くなりましたけどね」

 30年前に野村店長が10万円台前半で購入した『スピードマスター』は、今、80万円台だという。

「80万円台の価値を感じるかどうかといえば、僕みたいなおじさん世代には“こんなに高いの⁈”っていう感じなんですけど、一生モノの時計っていう部分では、決して高くないのかなと」

 それには藤井さんも「流行りとかに左右されないモデルですからね」と同意。そして、野村店長から「気分を変えたい」」ときの提案が。

「ベルクロっていって、宇宙飛行士がつけていたようなベルトにしたりとか、普通に革ベルトをつけても格好いいし」

 藤井さんも「この間、イーロン・マスクさんもこの『スピードマスター』をベルクロでつけていましたね」と。その直後につけてたのは「ジェフ・ベゾスでした!」と言い直す。それで笑いを誘ったが、めげずに「この個体に関して、何か特筆すべき点とかは?」との質問を投げかける。

「良いヤケ。意外と1990年前後ぐらいの夜光って、色が茶色が買っているというか。かえって60年代とか70年代の夜光より良い味が出る、そういう雰囲気のある時計になりますよね」

 たしかに、この『スピードマスター』には良い味が出ている。

「正直『スピードマスター』をしている人はたくさんいるんで、ちょっと人と違うの欲しいなっていう人には、こういうチョイスの方がいいね」

 夜光塗料で、トリチウムがまだ使えた時代のモノからこそ、このように色が変わって良い味が出るのである。

おじさん世代に刷り込まれてること

 そして次の時計、ブライトリング『ナビタイマー』の話へと移る。

 まず藤井さんが「細かくいろいろ数字が書いてあって、これ男心をくすぐりますね」と感想を述べる。野村店長は「これ、僕には持論がある」という。

「おじさん世代の脳みそには、これが格好いいと思うように刷り込まれているんです」

 半信半疑な藤井さんに野村店長は、こう語る。

「昔、僕は松本零士さんの時計のコレクションを見させていただいたことがあって、『銀河鉄道999』『宇宙戦艦ヤマト』を描いた人ですよね。200本くらい見させてもらったんですけど、そのうち100本はブライトリング。150本ぐらいかもしれない。『スピードマスター』もあったんですけど、本人の話によると、『スピードマスター』は高くて、昔、買えなかったんでブライトリングにしたっていう話も聞いたことあるんですけど、百何十本あるうちの半分ぐらいが『ナビタイマー』。もうすごかったですよ」

 それが「刷り込まれている」ということにどう関わっているのだろうか。

「『銀河鉄道999』の機関車に入ると、バーンとメーター類があって、やはりブライトリング風なわけですよ。『宇宙戦艦ヤマト』の艦橋にある計器類の並びとかは「松本メーター」って呼ばれているらしい。おじさん世代は子供の頃から見続けて、これを見ると格好いいと思うようになっているっていうのが、僕の持論なんです。もう見たら格好いいって、自然に思うようになっている。漫画本なんかでも、パイロットものとか大好きじゃないですか。ブライトリングをしてるわけですよ。作品中にも出てくる。パイロットがつけている。格好いいんだよね。それは刷り込まれてますよ、っていう話で、当然ブライトリングって名前も知らない小学生の頃から、自然とその絵を目にして、大人になって見てみると、なんか格好いいなと」

 これが野村店長の持論。ただ「若い人にはないね」ということだ。30代の藤井さんも『銀河鉄道999』を「細かくは見たことがない」という。50代と30代前半のギャップが生じるのは当然のことである。

 ただ『ナビタイマー』については「若い人から見てもかっこいいとは思う」とのこと。そして、刷り込まれ以外の『ナビタイマー』という時計の魅力についての話となった。

「『スピードマスター』とつけ比べてもらうとわかりやすいんですけど、厚みが抑えられているんで、腕にフィットする感はスゴいですよね。簡単にいうと『スピードマスター』が40㎜で『ナビタイマー』は41㎜っていうことで、『ナビタイマー』の方が大きいんですけど、つけ比べてもらうと、腕にした時のフィット感みたいなのは『ナビタイマー』の方が良いですね」

スピードマスターは誰がつけても格好いい

 とういことで、実際に藤井さんが装着してみる。

 まず『スピードマスター』から。

「正直『サブマリーナー』と『スピードマスター』は誰がつけても格好いい。そういう時計。Tシャツでもいいし、スーツでもいいし。宇宙服でも格好いいからね」

 そして『ナビタイマー』を装着。藤井さんの感想は「『ナビタイマー』の方はフィット感がありますね」。

「『スピードマスター』の良いところって意外と機械が小さい。27㎜の機械なんですけど、二重葢にしていたりとか、衝撃に強くするために二重構造になってたりとか、意外とケースはがっちりしていて、腕にした時に存在感があるんですね。なのでボリューム感がオメガの方があるかなと。飛行機か宇宙船、どっちがいい?っていう話なんですけど」

 つまり何用につくられたか?という根本に立ち返って考えてみると特性がよくわかる。

「でも『スピードマスター』は、どんな服でもあるっていう強さはありますよね。当たり外れなしでいったら、絶対『スピードマスター』なんですよ」

 では『ナビタイマー』を勧めるとしたら?

「パイロット!」

 さすがに藤井さんも「パイロットオンリーですか?」と。

「パイロットに限らずなんですけど、ストップウォッチ機能。この無駄が嬉しいと。回転計算尺ね。なんか賢そうな感じはしたりするので、そっち狙いですかね。やはりオメガだと定番感があるので、すごい失敗がない感じ。(『ナビタイマー』は)ちょっと冒険したい人ですかね」

 結論としては、王道にいくか、はずしで格好いい時計をつけてみたい、と思うか、ということで分かれる、人気モデル2本ということであった。

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