金かステンレスか? ヴィンテージ腕時計を選ぶ時にこだわりたい素材について

2024.07.25
Written by 編集部

時計マニアが集まるFIRE KIDSのスタッフが、ヴィンテージ時計の魅力を伝えるYouTubeコーナー。毎回異なるテーマで、厳選されたモデルをご紹介する。

腕時計には金やステンレス、プラチナ、チタンなどさまざまな素材が使用されており、重さや強度、装着感が変わってくるため、素材選びは重要なポイントの1つとなっている。今回は、高級感や耐久性の高い「金」と、高級腕時計の素材として主流な「ステンレス」の特徴について語った。

耐久性がポイント? 金とステンレスの違いについて

腕時計の素材選びは、実用性やデザインにも大きく関わってくる。素材の特徴を知っておくことで、より自分に合ったヴィンテージ腕時計を見つける手助けになる。「金かステンレスどっちが良い?」ということで、FIRE KIDSのスタッフであるクリスさんは金推し、松浦マネージャーはステンレス推しで、それぞれの良さについて意見を交わしていった。

「金自体は良いけれども、使うんだったらステンレスの方が便利でしょ。傷に強かったり、使う上で雨でも別にそんな気にしなくて良いし」(松浦さん)

「雨に弱いのはステンレスですよ? なぜなら錆びる、金は錆びない。金焼けはしますけど、磨けばピカッとなるので、そういうことです。尚且つ水もそうですけれど、『強さ』と言っていましたが、日常使う分にはそんなに頑丈じゃなくても大丈夫じゃないですか?」(クリスさん)

「実用的に使っていけば当たってしまうとか、そんなのはある話でしょ?」(松浦さん)

「ありますね、金もやはり当たっていくとより良い味が出てくる」(クリスさん)

「金」は高級感や耐久性が特徴だが、比重が高いため、他の素材よりも重量を感じやすい。素材も柔らかいため丁寧に扱う必要があり、またヴィンテージはブレスレットの伸びについては気にしてほしい。それに対して「ステンレス」は、メインの成分に鉄を使用し、クロムやニッケルを混ぜた合金のことを言う。強度や錆びにくさ、金よりも価格が安価ということもあり、腕時計のなかでは最もシェア率の高い素材だ。

毎日身に着けるアイテム。価格や使いやすさも重要

「金かステンレスどっちが良い?」なかなか答えが出ないため、髙橋マネージャーと佐藤さんも急遽参加したが、どちらもステンレス推しとのこと。クリスさんは引き続き金の良さについて熱く語っていく。

「金はイエローゴールドだけではないじゃないですか? ホワイト・ピンク・ローズ・ブルー・パープルなど素敵なゴールドがたくさんありますよね」(クリスさん)

「ステンレスの方が安いからね。僕みたいな人はステンレスしか買えないし、もう金は似合わない。モデルによって好きな金もあるけど、素材で言ったらステンレスの方が気兼ねなく使えるし、実用には向いてるかなと思います」(佐藤さん)

「実用性については、色んなwebサイトとか色んな時計を扱っている方からお話も聞いて、ステンレスの方が良いとみんな思っていますが、それって多分普通に洗脳されていて。一旦置いておいて、同じモデルでステンレスと金、値段関係なしにどっちの方をチョイスされますか? 金ですよね! なぜなら金の方がステンレスよりプレシャス、金の方が気分は上がりますよね」(クリスさん)

「ステンレスの方が自重が軽いから使いやすいんじゃないですか? 金と同じ大きさだったら、ステンレスの方が軽いから、ブレス付きだと特にね」(髙橋さん)

さらに、金は柔らかい特性があるため、ステンレスよりも伸びやすい点は要注意だと言う。

毎日身に着けるアイテム。価格や使いやすさも重要

ここで実際にステンレスのヴィンテージ腕時計をチェックしながら、素材の深掘りをしていく。紹介するのは、ロレックスの『サブマリーナ 1966年製 Ref.5513』だ。27年間のスーパーロングセラーであったサブマリーナ Cal.5513は、マイナーチェンジの回数も多く、幾多のバリエーションがある。本モデルは「フチなし」「ミラーダイヤル&ゴールドレター」「メーターファースト」仕様の希少な個体。

「これはステンレスだから良いというか、これで金だったら少しおかしいと思う。スポーツモデルだし、やはり実用としてガンガン使うことを目的としているから、ぶつけなければ良いと言っているけど、ぶつかることを想定している素材なので、これはステンレスじゃないとダメだよ、成り立たないかな」(佐藤さん)

「ただ、あなたはダイビングに行きますか? これは非防水ですし、購入する上で実用性は関係ありますか? カッコいい時計なので難しいところはあるんですけれど、確かにサブマリーナはステンレスがカッコいいです。でも私は、金無垢を選びます」(クリスさん)

ヴィンテージ好きには「人と被りたくない」「少し特別感ある方が良い」といった考えを持っている方が多いのではないだろうか。特別感がほしいのであれば、主流のステンレスではなく、金を選んだ方が周りとの差別化がしやすいのも確かだ。クリスさんも「全ての時計が金じゃないといけないわけではない」と言うように、他のメンバーもモデルによっては金が合う時計、ステンレスが合う時計があると話す。

「金の時計を使い慣れていないというのもあると思うよ。もう気付いた時には、ステンレスの時計をずっとしていて、世代にもよるかもしれないけど、金の時計に対して少し抵抗感があったり、高いというところもあるし、それで結果的に消去法でステンレスになっているのはあるのかもしれない」(松浦さん)

松浦さんは、金についてのプレゼンを聞き「改めて金も良いよな」と思ったと言い、そして「価値があるから良いわけでもないんですけど、感覚ですよね。ただやはりステンレスも良いですよ(笑)」とクリスさん。全てが同じ素材だと「つまらない」という着地点に今回は落ち着いた。

素材選びに限らず、何を重視するのかは人それぞれだが、素材などの特徴を知っておくことで、幅広い視点から腕時計を選ぶことができるのではないだろうか。実際に腕に着けてみると印象が変わることもあるので、ぜひ店に足を運んで試してみてほしい。

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