日付変更禁止時間帯とは? やってしまった場合の対処法や正しい方法

2025.01.05
Written by 編集部

時計マニアが集まるFIRE KIDSのスタッフが、ヴィンテージ時計の魅力を伝えるYouTubeコーナー。毎回異なるテーマで、厳選されたモデルをご紹介する。

機械式腕時計には、日付変更の操作を行ってはいけない時間があることをご存知だろうか。日付(カレンダー)表示のある機械式時計において、日付を変更してはいけない時間のことを「日付変更禁止時間帯」と言い、禁止時間帯に変更してしまうと腕時計が故障する可能性がある。今回は、FIRE KIDSの野村店長と中根が、正しい日付変更操作や「うっかり操作してしまった!」という場合の対処法を解説する。

一発で壊れてしまう? 「日付変更禁止時間帯」とは?

メーカーやモデルによって細かい差はあるが、カレンダー機能付き腕時計は基本的に「日付が変わる前後約4時間」は、日付変更の操作を行ってはいけない。

「リューズは二段引きのやつが多いですけど、夜の20時から午前4時くらいの時間帯の時は操作してはいけない。簡単にいうと、日付を送る歯車が噛み合っている時間帯ということなので、その時に早送り操作してしまうと、噛んでいる歯車が欠けたり、ずれたり、バネやパーツが外れちゃったりということが起こる可能性がある」(野村店長)

「故障の原因に繋がりやすいということですね。やったら必ず壊れてしまうというわけではない?」(中根さん)

「タイミングで壊れなかったりすることもあるけど、歯車の噛み具合によっては一発で壊れちゃうこともある。これって時計に慣れている人でもやっちゃうことあるからね」(野村店長)

リューズを二段引いたつもりが、一段しか引けてなかったといった簡単な操作ミスで壊してしまうこともあると言う。パーツの素材が違っていたり、プラスチックパーツを使っているモデルなんかは一度で壊れてしまうものもあれば、パーツがずれただけで普通に分解掃除すれば問題がないという場合もある。

正しい操作方法と間違えてしまったときの対処法

カレンダーを合わせる、時間を合わせるとなった時はどういった手順で操作したら良いのだろうか。

「二段引きの時計の場合は、習慣的に先に二段引く。一段目は日付早送り、二段目は針回しという時計だったら、先に二段引いて短針を影響のない6時位置に持ってきてから、時刻合わせという動作をする習慣をつけておくと一番トラブルが少ないね」(野村店長)

「カレンダーの送り方はメーカーによって色んなやり方がありますよね」(中根さん)

「そうだね、ボタンで押すやつとかは、不意に押してしまったみたいなこともあるし、ハナから『カレンダーなしにすれば良いじゃん』みたいなところもあるんだけどね(笑)」(野村店長)

トラブルを避けるには、やはり自分の持っている腕時計の特徴を掴んでおくことが大事だと話す。万が一、日付変更禁止時間帯に操作してしまった場合、「その後問題なく使えていればそのまま使ってもらって結構です」とのこと。

「ガリッみたいな感じとか、何か分かったりするものなんですかね?」(中根さん)

「分かる時と分からない時がある。例えば、送りのバネが外れると感触がなくなるだけなんだけど、歯車が欠けた時は、その日付だけ送れなくなるということもあるし、絶対的にその日以外は回っちゃったりとか、難しいところなんですけどね」(野村店長)

まずは数日様子を見て、心配だったら点検してみたり、もしくはオーバーホール時期が近い場合は、オーバーホールに出してみるのも良いと話す。野村店長も若い頃、実際に壊してしまった時計もあるという。

「やっちゃった! ってなっても意外と大丈夫だったりもするので、絶対に禁止と言うわけではない感もありますけど」(中根さん)

「そうですね、初めて扱う時や人の時計を扱う時は気をつけようという感じですね」(野村店長)

日付(カレンダー)表示のある機械式時計は、20時〜4時の間は日付変更の操作を行ってはいけない。絶対にというわけではないが、一度で壊れてしまう場合もあるので、「うっかり」には要注意だ。

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