【価格別】50代の男性必見。初めての高級ヴィンテージ腕時計におすすめの5本
時計マニアが集まるFIRE KIDSのスタッフが、ヴィンテージ時計の魅力を伝えるYouTubeコーナー。毎回異なるテーマで、厳選されたモデルをご紹介する。
長年培ってきた豊富な経験や人間力が魅力の50代。若い頃とは違い、TOPに合わせた装いを求められることも少なくはないだろう。腕時計は時間を確認するためだけのものではなく、人間性をあらわしたり、社会的ステータスを示す重要なアイテムでもある。
敷居が高そうに感じるヴィンテージ腕時計だが、年齢を重ねたからこそ似合うモデルも多く存在する。今回は、FIRE KIDSの50代・代表として野村顧問と松浦マネージャー、スタッフの新海の3人が価格別にチョイスした5本を批評していく。50代で初めてヴィンテージに挑戦するという方、必見だ。
【10万円台】国産初の高級腕時計。セイコー『ロードマーベル』
まず1本目は、グランドセイコー発売以前にセイコーの上級機として販売されていた『ロードマーベル 1963年製 Ref.15023E LM 14金張り ADダイヤル』。
「50代になってくると、少しずつ貫禄が出てくると思うんですね。金色の時計も似合ってくるかなという風に思い、デザインで選びました」(新海さん)
「金色は似合わないかなと思って少し避けてきた部分はあるんですけど、歳を重ねたある時、腕に乗せてみたら『ありだな』って」(松浦さん)
ロードマーベルは、国産初の「高級腕時計」として既存製品の2倍という価格設定で1958年に登場したコレクション。
「特にロードマーベルなんかは、セイコー発の高級時計なわけじゃない? 50代が着けるに相応しい称号だよね。グランドセイコー顔が10万円台前半で買えるのも魅力的」(野村さん)
「このマーベル自体にストーリーがありますからね。1956年にマーベル、1958年にロードマーベル、1960年にグランドセイコーが出てきて、系統が繋がって繋がっていくというところもポイントですよね」(松浦さん)
【10万円台】バースイヤーを狙いやすいシチズン『クロノメーター』
2本目は、シチズンの『クロノメーター 36000 1970年製 Ref.4-720261Y ブレス付き』だ。1970年製ということで、50代のバースイヤーウォッチを狙えるという点と、スクリューバックでSSだから使いやすいという点を重視した1本。
「裏蓋にメダルが付いているのもポイントが高いです。キングセイコー、グランドセイコーなどの分かりやすいブランド、モデルではない時計もありますよということで、おすすめしたいです」(新海さん)
「完全にキングセイコーに対抗しているモデルだね。ブレス付きは嬉しいポイントだし、出っ張り具合のガラス?」(野村さん)
「当時の不器用な感じが出ていますよね。一生懸命作って『でもこうなっちゃった』みたいな(笑)」(松浦さん)
ボリューム感のあるクッションケースに、文字盤にはクロノメーター表記と植字タイプの王冠マークが入る特別感のあるモデル。
「10振動自動巻きなのも良いね! 価格帯的にはキングセイコーとそんなに変わらないけど、本物のクロノメーターで10振動自動巻き。シチズンVSセイコーみたいなところで、キングセイコーより少し上を行かせるみたいな」(野村さん)
「今は『セイコーセイコー』と言われているから、少し天邪鬼的な感じの方には特に良いんじゃないかな」(松浦さん)
【50万円台】王道のロレックス『オイスターパーペチュアルデイト』
3本目は「王道だよね」ということで、ロレックスの『1963年製 オイスターパーペチュアルデイト Ref.1500 シルバーダイヤル』だ。
「ベルトもリベットでヴィンテージ感が分かりやすいというか、リベットはヴィンテージの醍醐味ですよね」(松浦さん)
「Ref.1500だったらやはりこのアルファハンドのやつが欲しいよね。リベットブレスとアルファハンドのこの組み合わせは、1960年代のロレックスにしては良いよ」(野村さん)
純正のリベットブレス7205/FF57が取り付けられており、ステンレスケースにスムースベゼル、夜光無しのシンプルで着ける場面を選ばない万能なモデル。立体的な構造で、長めのインデックスとアルファハンドが、ヴィンテージ感を求める方におすすめの1本だ。
「1968年とか50代の人がバースイヤーで探せる普通のペンシルっぽい針の付いてる時計をおすすめしたい気もするけど(笑)でも比べたら、このオイスターパーペチュアルデイト方が良いよ」(野村さん)
「人とは少し違いを生み出せるデザインと大きさ、使いやすさもそうですし良いモデルですよ」(松浦さん)
【100万円台】トラブルが少ない名機搭載のIWC『インヂュニア』
4本目は、IWCの『インヂュニア ジャンボ 1969年製 Ref.866A Cal.8541 純正ゲイフレアーブレス』。価格は118万円。同じ金額を出せばロレックスのデイトジャストも買えるが、あえて他のメーカーを狙ったと言う新海さん。
「少し大きいサイズなので現行品にも通ずるものがあるというか、若い世代にも『あ、これ良いですね。どこの時計ですか?』と言ってもらえるようなサイズ感とデザインですね」(新海さん)
「この大きさは今の時代には合ってるよね。ヴィンテージ好きだとだと小型に行きがちだけど、初めての方は割と大ぶりな方が着けやすかったりもあるし、ちょうど良いくらいなのかな。インヂュニアというチョイスがなかなか渋いし」(松浦さん)
「ジャンボ」の愛称で呼ばれているインヂュニアは、37㎜(リューズ別)のサイズ感が人気のモデル。
「初めてのヴィンテージだったら、このCal.8541が入っているのは嬉しいかもね、トラブルも少ないし。しかもインヂュニアは海外の方が高いもんね、海外だと150万円くらいつけているところが多いんじゃないかな」(野村さん)
「スタンダードというか、名機と言われるものですね。まだまだ日本は掘り出し物があるということですね」(松浦さん)
本モデルは1969年製だが、変なシミもなくコンディションも良い掘り出し物の1本だと話す。この年代のIWCの文字盤はシミが出やすく、惜しい…という個体も多いため綺麗な状態のモデルは希少だと言う。
【200万円台】本物志向の50代向け。ジャガールクルト『レベルソ』
最後に紹介するのは、価格は198万円でほぼ200万円台ということで、ジャガールクルトの『レベルソ デュオ ナイト&デイ1990年代後半製 18金無垢 Ref.270.140.542B 純正Dバックル 箱、ギャラ付き』。
「18金無垢、本物志向の50代の方に。ロレックスのスポーツモデルあたりも魅力的に感じると思うんですけれど、これくらいスマートで落ち着いた印象の時計で、遊び心もあるという点が推しポイントです」(新海さん)
「30代の時にレベルソをカッコいいと思っていたんですけども、周りが角型とか一切話題にならなくて、その時代はドレスよりも、スポーツロレックスとかがトレンドだったので、言うに言えなかった(笑)」(松浦さん)
26mm(リューズ別)幅のケースに、表面はスモールセコンド、裏面は24時間針を装備した両面モデルだ。
「角型の金無垢だと本当に上品だよね。もう30年前だけど、レベルソを買い逃しちゃったことがあって、代わりにマストタンクを買ったよ」(野村さん)
「そういえば俺もマストタンクは持っているな。意外と金を腕に乗せても『良いんじゃないかな』と思える年代になってきたんだろうね」(松浦さん)
50代になると、自分に使えるお金や時間に余裕が出てくる人もいるだろう。これまで腕時計やヴィンテージアイテムに興味がなかった人も、大人の男性の装いのひとつとして、「ヴィンテージ腕時計」を選択肢に入れてみてはいかがだろうか。