お客さまと接することが楽しく、時計についての勉強になる!

ファイアーキッズには時計の専門家だけではなく、さまざまな経歴を持ったスタッフが集まっている。だから面白い。今後はそんなバラエティに富んだスタッフを紹介していきたいと考えている。今回は、ウォッチメイトの三好萌絵さんである。
アンティーク・ブティックで働いていた
昨年入社した三好さんはオシャレな女性である。聞くと前職はアンティーク・ブティックで働いていたとのことだ。
「以前働いていたお店は洋服やアクセサリーのアンティークショップでした。そこでは販売員だけでなく仕入れもやっていました。そこでも楽しくやっていたのですが、じっくり販売業ができるようになりたいという想いがあったのと、同じヴィンテージでも違う商品にも興味があったので。時計の知識も身につけられればと思いファイアーキッズの面接を受けたんです」
慣れた接客業はもともと好きだったこともあって、いまは楽しく仕事ができているそうだ。ただ、商品をショーケースから出すとかは宝飾でもやってたので慣れているが、古着とは違う客層なので受け入れてもらえるかという不安は拭えなかったという。
「時計の所作はイチからになるんです。最初は、まずはお客さまの前でスムーズに扱えるかとか、不安でしたね。時計には興味があったんですけど、専門店なのでちゃんとしていなければいけない。だからイチから教えてもらってます。それこそ手巻き、自動巻きという基本的なところからです」
日々お客さまと話すことが一番の研修
時計がある意味初心者の三好さんは、どのようにして知識や所作を身につけているのだろうか。
「もちろん、オーバーホールとかをお願いしている工房の見学や時計の話をしている動画を見るとか、時計についての知識を身につける機会はあります。接客についてはディズニーランドでの研修とかもあるんですよ。でも、メインは日々店頭でお客さまと話しながらだと思っています。ファイアーキッズにはお手本がたくさんいますので、出てきた疑問をその場で聞けるというのが何よりも良い教育だと思っています。資料を見て勉強してもなかなか入ってこないし、活用できる確証がない。やはり自分がお客さまと話していて、こういうことを聞かれることが多いとか、何のモデルを見てることが多いかな、というところから詳しい人に聞いて、それを応用しながらやっていくのが私にはあっているようです」
プログラムとして確立されているものも勉強になるが、実践が一番というのは、三好さんが前職で培った感覚なんだろう。現在、三好さんは主に中野ブロードウェイ店に勤務している。実際に店頭に立ってみて、中野店はどういうお店なのだろうか。
「中野店はインバウンドのお客さまが多いですね。数値的には11月だと40%ぐらいがインバウンドのお客さまでした。数えているだけでそれぐらいなので、ちょっと入ってくるとか、のぞくとかという人もいらっしゃるので、体感的に外国の方はもっと多い感じですね」

私だからこその役割がある
そして、ファイアーキッズは幅広い人たちにつけてもらえるようにバリエーション豊かに揃えているので、まだまだ知識としては未熟な現在の自分にも役割があると感じているようだ。
「若い方とか初心者の方とかには寄り添うやすかったりするので、自分のいる意義というかポジションがあるのだと思っています。単価としても幅広く取り扱っていますし。最近も20代のお客さまが買ってくださったんです。そういう方の1本目を購入するお手伝いができればうれしいなと思っています。若い子の1本目は、高くて30万円ぐらいで、20万円以下という方も多いんですよ。そういう気持ちがすごくよくわかるんです。また、古着が好きで、服に合わせたいという人もいるので、その辺りはアドバイスできますし」
この話を聞いてもわかるように、三好さんとしては女性のお客さまを増やしたいということだ。
「女性の方が付き添いで来ていることが多いんですよ。で、暇そうだったり、どこかに行っちゃったり。そういう人に時計を見てもらいたいんです。あと、ファッションアイテムとして、いろんな提案をしていきたいですね。ファイアーキッズのいいところは、誰でもウエルカムという間口の広さなので、そういうアシストができればいいかな、と思っています」
最後に女性である三好さんに愛機、1954年製のチューダーを紹介してもらった。

「ケース径は34㎜。まだ受け売りなんですが量産体制に入る前のモデルということです。チューダーの中でも見たことないし、いろんなことを試していた時期のひとつなのかな、と。インデックスだったり針が一点ものに近いんじゃないかという時代のものです。他のものを見ていても40~50年代のものは魅了的です。ヤレ感とか枯れた感じもそうなんですけど、ひとつ一つに違う要素があるんです。チューダーといえばこれ、というものがまだ決まってない頃で、それが1点もの感があっていいなぁ、と」
で、躊躇はなかったんですか?の質問には、
「これは!と思ったら買っておかないと。ヴィンテージの心得です!」
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