予算は無視!ロレックスからミッキーデザインまで。時計屋が本当に欲しい時計3選

2025.04.11
Written by 編集部

出演:野村×松井×アディカリ

一口に欲しい時計と言っても、買える範囲内で探してしまうもの……。今回は「お金に糸目をつけなかったら何が欲しい?」ということで、スタッフそれぞれが予算は無視して本当に欲しい時計をセレクトした。

ヴィンテージらしい面持ちのロレックス バブルバック

松井さんが欲しいのは、ロレックス『バブルバック 1946年製 14KYG Ref.3131 セミユニークギルトダイヤル』。

「ヴィンテージ好きの方が最終的に行き着くのはバブルバックというイメージがあります。小さい文字盤かつ渋い顔の時計が好きなこともあって、この時計をチョイスしました」(松井さん)

「ゴールド好きですか?」(アディカリさん)

「そうですね。金に少し抵抗がある時期があったんですけれど、ファイアーキッズに入社して2カ月。金メッキから金張り、金無垢と見てきて、だんだん金に対する抵抗がいい意味でなくなってきて金色もいいなと思っています」(松井さん)

「私もゴールド好きです!」(アディカリさん)

「僕は普段あまり着けないね。でも嫌いなわけではない。いい時計だよね」(野村さん)

「ふっくらとした裏蓋の形もそうですし、全体のフォルムが好きです」(松井さん)

「これは着けた時の腕乗りがいいんだよね」(野村さん)

「そうなんですよね。裏蓋が膨らんでいるので一見腕乗りが悪いのかなと思われるけれど、実際に着けてみると腕乗りがいい時計。僕にお金があったらすぐさま欲しい一本です」(松井さん)

「お金がなくても払い始める方法もあるよ(笑)。バブルバックでもケースの痩せ感がほとんどないし、抜群にいい個体だよね」(野村さん)

価格は268万円となっている。

「1946年は戦争が終わった翌年。デザイン的にいろんなバージョンが増えてきて面白い時期なんだよね。戦争中には需要があって時計が売れていた。でも戦争が終わった途端に売れなくなるだろうという予想もあって、スイスの時計産業全体が、金ケースで単価を上げたりデザインの幅を広げたりする年でした」(野村さん)

「終戦して1年後には行われていたということですね」(松井さん)

「軍からオーダーが入って量産していたのに、オーダーがなくなったら『どうしよう?』ってならない? これは『どうしよう?』に対処した時計だよ」(野村さん)

時計の歴史を語るには、戦争前後で変わってくる。時計が大型化していくのは戦後の話だ。戦時中は実用性が重視されコンパクトな時計が多かったが、戦後、高精度や視認性を求める流れから時計は大きくなっていった。

「企業努力が詰まっている。バブルバックもより裏蓋の丸みを強くするなど、本当に時計がどんどん面白くなっていく時代」(野村さん)

高級感のあるロレックス デイトジャスト コンビ

アディカリさんが欲しい時計は、ロレックス『デイトジャスト レディース 1993〜1994年製 コンビ Ref.69173 ホワイトローマンダイヤル』だ。

「私はもともとゴールドが好きなんですけれど、気分転換としてゴールドとステンレスの両方を味わえる時計にしました。これはヴィンテージの中では最近の時計かもしれないですね」(アディカリさん)

「機械式時計は時間がズレるので、今の感覚で言うと『ガラケー使っています』みたいな道具になってしまっていたのが、『やっぱり機械式っていいよね』というブームが1980年代後半からあった。ヴィンテージが売れていたことから、メーカーも『もう一度自動巻を頑張ってみよう』となった時期だよね」(野村さん)

「ダイヤルもベゼルもとても綺麗で、高級感のある一本だと思います」(アディカリさん)

「1993〜1994年というと僕の中では最近の話(笑)」(野村さん)

「ちょうど私の生まれ年くらいですね」(松井さん)

「生まれていなかったので私的にはヴィンテージ時計(笑)」(アディカリさん)

「そのくらいの年式だとコンディションのいいものも多いし、例えばだけれど防水もあまり気にしないで使えるし、サファイアガラスだからより頑丈だし、機械式入門としては使いやすい便利な一本」(野村さん)

価格は74万8千円だ。新品のデイトジャストは150万円くらいからであることを考えると、半額ほどで買える。

「みなさんは時計を選ぶときに見た目から入るタイプですか? それとも機械の性能から入るタイプですか?」と投げかけるアディカリさんは、見た目を重視するという。それには長年時計を見てきた野村さんも賛成だ。“うんちく”で買っても結局は使わないこともあるが、見た目が気に入って買った時計は出番も多い。

もちろん性能も気になるところだが、まずは見た目から入るのがベターだろう。

世界的に人気!ジェンタデザインのミッキー時計

最後は「お金がたくさんあったら……という企画だよね? 絶対に自分では買わない時計をチョイスしました」という、野村さんが欲しい時計を紹介する。

野村さんが欲しいのは、ジェラルドジェンタ『レトロファンタジー レトログラード ジャンピングアワー 自動巻き1990年代製 シェルダイヤル』だ。

「変な話、本当に欲しい時計は買うじゃない? だから、お金があれば買うだろうなという時計を選びました。例えば、宝くじが当たったら買うのがこの時計。すごくいいし欲しいけれど『いつ着けるの?』という気持ちがあるから買えない。だからお金があったら欲しい! ミッキーとかね……ディズニーランドに行ってもはしゃげないタイプだから(笑)」(野村さん)

スタッフたちに「ディスニーのイメージはない」と笑われる野村さんだが、「見れば見るほどいい時計」だと語る。ミッキーのほかにもミニーやドナルドダックのデザインもあるが、どうせ着けるならミッキーが良いという。

6時位置に時間を示す小窓があり、ミッキーの指が何分かを示している。文字盤にはシェルを採用しているため表情が豊か。遊び心がありながらラグジュアリーさも兼ね備えている唯一無二な一本だ。価格は268万円となっている。

「こういう遊び心のある時計は、余裕がないとできないんだよね。268万円に見えないからお金があったら欲しい!」(野村さん)

「確かに、余裕の表れみたいな時計」(松井さん)

「わかる人にわかってもらえればいい時計。ミッキーの人気もあるしジェンタの人気もあるし、時計としての魅力もある」(野村さん)

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