「買ってはいけない」なんて嘘?カルティエの時計が愛される5つの理由

2025.07.27
Written by 編集部

ネット上では、「カルティエはやめておけ」「買ってはいけない」といった否定的な意見を見かけることがあります。特に高級時計に興味を持ち始めた方にとっては、そうした声が気になるかもしれません。しかし実際にカルティエのヴィンテージ時計を手に取ってみると、「本当にそうなのか?」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。そこで、そうした噂に対して冷静に向き合いながら、カルティエのヴィンテージモデルがなぜ今、あらためて注目されているのかをお伝えしていきます。

なぜ“買ってはいけない”と言われるのか?

「カルティエは買ってはいけない」と言われる背景には、いくつかの典型的な理由があります。ここでは、それぞれの声がどこから来ているのかを整理してみましょう。

ムーブメントが外部製であること

カルティエは歴史的に、ムーブメントの多くを他社から供給してきました。ETA社やフレデリック・ピゲなどのムーブメントを搭載しているモデルが多く、一部の時計ファンからは「自社ムーブメントでない=評価が低い」と見なされることがあります。ただしこれは、時計を機械のスペックで判断する層に特有の見方であり、ジュエラーとしての歴史やデザイン性を重視するカルティエの本質とはややずれています。

デザイン重視=実用性が低いという指摘

カルティエの時計は、薄型・小型・角型のデザインが多く、視認性や堅牢性を重視する“ツールウォッチ”とは一線を画しています。そのため「実用性に欠ける」と評価されがちですが、これは目的の違いによるものです。カルティエはもともとジュエリーメゾンであり、「時計=装飾品」としての美しさを追求しています。

リセールバリューが弱いという声

新品で購入した場合、一部モデルでは中古市場での価格が下がりやすい傾向があります。これが「資産価値が低い」と言われる要因です。ただしこれは「短期的な転売」を前提にした話であり、長く愛用するつもりで選ぶ場合にはあまり関係がない評価軸とも言えます。

こうした意見はどれも一面的であり、時計に対して何を求めるかによって価値の感じ方は大きく変わってきます。特にヴィンテージモデルに関しては、こうした“スペック至上主義”とは異なる魅力が数多く存在しています。

カルティエのヴィンテージが愛される5つの理由

カルティエのヴィンテージが愛される5つの理由

カルティエのヴィンテージ時計が今も多くの時計愛好家やファッション好きに支持されるのには、いくつかの理由があります。ここでは代表的な5つのポイントを詳しく見ていきましょう。

理由1:唯一無二のデザイン美。まるで身につけるアート

カルティエの時計は、単なる時間を測る道具ではなく、ジュエリーや芸術品のような存在感があります。特に「タンク」や「サントス」といったモデルは、角ばったケースやシンプルで洗練されたラインが特徴的です。そのため、一目でカルティエとわかる独特の美しさがあり、身に着けるだけでステータスや個性を表現できます。

理由2:同じものは二つとない、ヴィンテージならではの個性

ヴィンテージ時計は製造年代や使用環境によって微妙に異なる風合いや色合いがあります。
ケースの経年変化による焼けや細部の仕様の違いは、まさに一点物の魅力です。こうした個性は新品にはない味わい深さを持っており、コレクターズアイテムとしても高く評価されています。

理由3:時代に左右されない、“長く愛せる”タイムレスな魅力

カルティエのデザインはシンプルかつ洗練されているため、ファッションの流行に左右されにくいのが特徴です。そのため、何十年経っても違和感なく使い続けられます。この「時を超えるデザイン」は、結果的に長く愛用できる良い時計である証拠です。

理由4:性別を超えて楽しめるジェンダーレスな魅力

カルティエは元々ユニセックスを念頭に置いたデザインが多く、サイズ展開も豊富です。近年は「小ぶりな時計」が再評価されていることもあり、女性だけでなく男性からも支持を集めています。そのため、どなたでも自分に合った一品を見つけやすいのが魅力です。

理由5:著名人たちが愛した“憧れの象徴”

歴史的に多くの著名人がカルティエの時計を愛用してきました。例えば、アンディ・ウォーホルやジャクリーン・ケネディ、ダイアナ妃など、時代を彩るスターたちの手元にカルティエがあったのです。こうした背景は、時計そのものにストーリー性と特別な価値を与えています。

はじめてのヴィンテージカルティエ、どれを選ぶ?

ヴィンテージカルティエには、見た目の美しさだけでなく、その時代ならではの個性やストーリーが詰まっています。ここでは、初めての方にもおすすめできる5つのモデルをご紹介します。

サントス

サントス

サントスは、もともと懐中時計が主流だった時代に、飛行士のためにカルティエが開発した、世界で初めて男性が日常的に使うことを前提に作られた腕時計にルーツを持つモデルです。ヴィンテージモデルは、極薄のケースや手巻きムーブメントが特徴で、軽やかでエレガントな装着感を備えています。過度な装飾を排したシンプルなデザインは、フォーマルからカジュアルまで幅広いスタイルに馴染みます。控えめでありながらも確かな存在感を放ち、ヴィンテージ・カルティエに息づく「静かな美しさ」を味わいたい人にふさわしい一本です。

タンク フランセーズ

タンクフランセーズ

タンク フランセーズは、1990年代に誕生したブレスレット一体型の角型時計です。従来のタンクよりも厚みがあり、モダンで力強い印象が特徴です。初期モデルには小ぶりなケースサイズもあり、ヴィンテージとしての個性も豊かです。ジュエリーのような輝きと、時計としての実用性が見事に調和しており、上品さと日常使いのしやすさを両立した一本です。

エリプス

エリプス

エリプスは、1970〜80年代に製造された楕円形ケースの希少モデルです。丸でも四角でもない柔らかなフォルムが特徴で、ミニマルなデザインと繊細なサイズ感が印象的です。製造数が少なく、他人と被りにくい点もヴィンテージ好きには嬉しいポイントです。控えめながらも確かな個性を放ち、装いに洗練されたニュアンスを添えてくれる一本です。

マスト タンク

マストタンク

マスト タンクは、1970〜80年代に登場した「マスト ドゥ カルティエ」シリーズの代表格です。金メッキケースと、ワインレッドやネイビーなどのカラーダイヤルが特徴です。ジュエリー感覚で身につけられる美しさと、手の届きやすい価格帯が魅力で、ヴィンテージの入門機として高い人気を誇ります。時代を超えて愛される、カルティエらしい一本です。

パシャ C メリディアン

パシャCメリディアン

パシャ C メリディアンは、2000年前後に展開された、カルティエの中でも個性派なモデルです。特徴的なのは、リューズカバーにチェーンが付いたねじ込み式の構造と、丸みを帯びたケースデザインです。サイズは中間的で男女ともに扱いやすく、視認性の高いアラビア数字とスポーティーな雰囲気が魅力です。カルティエらしい気品と、程よい遊び心を両立した一本としておすすめです。

【Q&A】カルティエ・ヴィンテージ時計に関するよくある質問

Q1:ヴィンテージカルティエのメンテナンスはどうすればいいですか?

カルティエのヴィンテージ時計は定期的なオーバーホールが必要です。専門の時計修理店でムーブメントの点検や油の交換を行うことで、長く美しい状態を保てます。部品の入手が難しい場合もあるため、信頼できる店舗に依頼することが重要です。

Q2:偽物やコピー品を見分けるポイントは?

カルティエは偽物も多いブランドのため、購入時は販売元の信頼性を重視しましょう。刻印や文字盤の仕上げ、ムーブメントの詳細まで確認し、鑑定書があると安心です。専門家の意見を参考にするのもおすすめです。

Q3:日常使いは可能ですか?

適切なメンテナンスを行えば、ヴィンテージカルティエも日常使いできます。ただし、防水性能が新品に劣る場合が多いため、水濡れや衝撃には注意が必要です。

Q4:資産価値や投資対象としてはどうですか?

カルティエのヴィンテージ時計は希少モデルや状態の良い個体は価値が上がることがあります。ただし、ブランドやモデルによって変動が大きいため、投資目的なら専門家の助言を受けるのが望ましいです。

まとめ

「買ってはいけない高級時計」といった言葉が一人歩きしがちなカルティエですが、実際にはヴィンテージならではの魅力と価値がたくさんあります。独特のデザイン美、歴史に裏打ちされた信頼性、そして使い込むほどに増す味わいは、他のブランドにはないカルティエだけの魅力です。 「買ってはいけない」という誤解に惑わされず、ぜひカルティエのヴィンテージ時計の世界を楽しみ、腕元に上質な輝きを添えましょう。

writer

ranking