オメガ スピードマスター ヴィンテージブレスレットの種類と年代
ヴィンテージ スピードマスターの魅力は、ムーブメントやケースだけに留まりません。腕に巻いたときの印象を大きく左右するブレスレットもまた、世代ごとに異なる仕様が採用されており、コレクターにとって重要な判断材料となっています。
この記事では、スピードマスターの純正ブレスレットについて、種類・リファレンス番号・対応する世代ごとに整理して解説します。ブレスレットの違いを知ることで、ヴィンテージ スピードマスター選びの解像度が一段上がるはずです。
ブレス幅の変遷:19mmから20mmへ

スピードマスターのブレスレット幅は、3rdモデル(Ref.ST105.003)までが19mm、4thモデル(Ref.ST145.012)以降が20mmです。この変更は、4thモデルでリューズガード付きケースが採用されたことに伴うもので、ケース形状の変化がブレスレットの仕様にも影響を及ぼしています。
ヴィンテージ スピードマスターのブレスレットを探す際には、まずこのラグ幅の違いを把握しておくことが重要です。3rdモデル以前の19mm幅と、4thモデル以降の20mm幅では、適合するブレスレットが異なります。
キャタピラブレス:初期スピードマスターの象徴

特徴
キャタピラブレスは、フラットなリンクが密に連なる構造が特徴のブレスレットです。その名の通り、キャタピラ(無限軌道)を思わせる外観から通称として定着しました。3rdモデル、4thモデル、そして5thモデルの初期生産分に装着されていたことが確認されています。
対応する世代
| 世代 | リファレンス | 搭載キャリバー | ブレス幅 |
| 3rdモデル | Ref.ST105.003 | Cal.321 | 19mm |
| 4thモデル | Ref.ST145.012 | Cal.321 | 20mm |
| 5thモデル初期 | — | Cal.861 | 20mm |
3rdモデルのキャタピラブレスは19mm幅、4thモデル以降は20mm幅です。5thモデルの初期生産分(1969年頃)にもキャタピラブレスが装着されていた個体が見られ、この時期の個体は「下がりr」の文字盤とキャタピラブレスの組み合わせとなっています。
キャタピラブレスは、スピードマスターの初期世代を象徴するブレスレットであり、コレクターからの評価が特に高いブレスレットのひとつです。
Ref.1116/575:60年代後半~70年代始め頃の純正ステンレスブレス
60年代後半~70年代始め頃の純正ステンレスブレスレットとして、Ref.1116/575が確認されています。キャタピラブレスとは異なるデザインの純正ブレスレットで、4thモデルの20mm幅ラグに適合する仕様です。
4thモデルにはキャタピラブレスが装着された個体とRef.1116/575が装着された個体が存在しており、仕向地や仕様によって異なるブレスレットが組み合わされていたと考えられます。
3連ブレス Ref.1171/FF633:5thモデルの定番
概要
5thモデル(Ref.145.022、のちにRef.145.0022)の1970年代以降の個体では、3連ブレスレットRef.1171/FF633の装着が確認されています。フラットなリンク構造のキャタピラブレスに対して、3連ブレスは丸みを帯びた3列のリンクで構成されており、装着感が異なります。
Cal.861を搭載した5thモデルの標準的なブレスレットとして、長期間にわたって採用されました。
希少3連ブレス Ref.1450/FF808

5thモデルには、通常の3連ブレスRef.1171/FF633とは別に、Ref.1450/FF808という3連ブレスレットが存在します。このブレスレットは製造期間が短く、希少性が高いことで知られています。
1980年代後半の5thモデルに装着されていた個体が確認されており、Ref.1171/FF633からRef.1450/FF808への切り替え、そして再び別のブレスレットへの移行が短期間で行われたことが、希少性の要因と考えられます。
Ref.1469/811:オートマチックモデルのブレスレット
スピードマスター オートマチック(Ref.175.0032等)には、プロフェッショナルとは異なるブレスレットが採用されています。確認されているのはRef.1469/811で、オートマチックモデル専用の純正ステンレスブレスレットです。
スピードマスター オートマチックはケース幅が約37mmと、プロフェッショナル(約40mm)よりもコンパクトなサイズで、ブレスレットもそれに合わせた仕様となっています。コンビモデル(Ref.175.0043)にもRef.1469が使用されていることが確認されています。
ブレスレットの世代別対応まとめ
| 世代・モデル | 製造年代 | ブレスレット | 搭載キャリバー |
| 3rdモデル(Ref.ST105.003) | 1960年代中頃 | キャタピラブレス(19mm) | Cal.321 |
| 4thモデル(Ref.ST145.012) | 1960年代後半 | キャタピラブレス / Ref.1116/575(20mm) | Cal.321 |
| 5thモデル初期 | 1969年頃 | キャタピラブレス(20mm) | Cal.861 |
| 5thモデル | 1970年代〜 | 3連ブレス Ref.1171/FF633(20mm) | Cal.861 |
| 5thモデル | 1980年代後半 | 希少3連ブレス Ref.1450/FF808(20mm) | Cal.861 |
| オートマチック(Ref.175.0032等) | 1990年代 | Ref.1469/811 | Cal.1140等 |
純正ブレスレットの重要性
ヴィンテージ スピードマスターにおいて、純正ブレスレットが残っているかどうかは、コレクションとしての完成度を左右する要素です。特にキャタピラブレスは初期モデルに限られるため、純正のキャタピラブレスが付属した個体はコレクターから高い評価を受けています。
ブレスレットのリファレンス番号を確認することで、その個体に適合する正しいブレスレットかどうかを判断することができます。ヴィンテージ市場では、後年のブレスレットに交換されている個体も少なくないため、ブレスレットの種類と年代の対応関係を把握しておくことは、適切なモデル選びに役立ちます。
よくある質問
Q.キャタピラブレスはどの世代のスピードマスターに装着されていましたか?
A. 3rdモデル(Ref.ST105.003)、4thモデル(Ref.ST145.012)、そして5thモデルの初期生産分(1969年頃)に装着されていたことが確認されています。3rdモデルはブレス幅19mm、4thモデル以降は20mmです。
Q.Ref.1450/FF808が希少と言われる理由は?
A. 製造期間が短かったためです。5thモデルのブレスレットは時期によって異なるリファレンスが採用されており、Ref.1450/FF808は限られた期間のみ製造されたブレスレットです。
Q.スピードマスター プロフェッショナルとオートマチックではブレスレットは異なりますか?
A. 異なります。プロフェッショナル(5thモデル)にはRef.1171/FF633やRef.1450/FF808などの3連ブレスが、オートマチック(Ref.175.0032等)にはRef.1469/811が採用されています。ケースサイズが異なるため、互換性はありません。
Q.ブレス幅が19mmから20mmに変わったのはいつですか?
A. 4thモデル(Ref.ST145.012)からです。3rdモデル(Ref.ST105.003)までは左右対称ケースで19mm幅でしたが、4thモデルでリューズガード付きケースに変更された際に20mm幅となりました。
まとめ
スピードマスターのブレスレットは、キャタピラブレスから3連ブレス、そしてモデルごとの専用ブレスレットへと、世代とともに変遷してきました。初期モデルの象徴であるキャタピラブレス、長期間採用された3連ブレスRef.1171/FF633、製造期間の短い希少なRef.1450/FF808など、それぞれに特徴と背景があります。ブレスレットのリファレンス番号と対応する世代を理解することで、ヴィンテージ スピードマスター選びがより確かなものになるでしょう。
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