オメガ『デ・ヴィル プレステージ』を10代店員が購入したワケ
出演:松井×葛西
時計好きの集まるファイアーキッズだが、入社後に初めてヴィンテージ時計を手にするスタッフも少なくはない。今回は、10代の新人バイリンガルスタッフ葛西さんが初めて購入したヴィンテージ時計、オメガ『デ・ヴィル プレステージ』の魅力を語る。
レアなトノー型のデ・ヴィル プレステージ
葛西さんが初めて購入したヴィンテージ時計は、オメガ『デ・ヴィル プレステージ クロノメーター 自動巻き トノーケース 1999年製 純正尾錠付き』だ。ベルトは、ファイアーキッズオリジナルの革ベルトが付いている。

「ある日出勤したらオメガの棚にあるのが見えて『なんだあれ?』と。シーマスターとかコンステレーションとかある程度形が決まっているけれど、雰囲気が違うなと思いました。ダイヤルも珍しい黒なので惹かれたんです」(葛西さん)
「その日、葛西さんと一緒に働いていて『どうですかね?』と相談を受けたんですよね。いい意味でクセのある、あまり見たことのないケースデザイン。このアップライトの煌びやかなインデックスが美しいですし、ミニッツの節目が細かくて綺麗ですよ」(松井さん)
「まずトノー型に惹かれて、ブレゲ文字もいいなと思いました。あとは、中心部の光の反射が周りと異なっていて、放射線状に広がるようで綺麗です」(葛西さん)
「ブラックでシック。クールなイメージだけれどホワイトレターで見やすいです」(松井さん)
葛西さんが購入した個体は、ヴィンテージの中では比較的新しい1999年製で純正の尾錠が付いている。さらに古い時計だと付け替えられていることも多く、純正の尾錠であったことも購入を後押しした。

頂いた国産タカノと、購入したデ・ヴィルを使い分け
ちなみに、葛西さんはもう一つヴィンテージ時計を持っている。それは、ファイアーキッズの顧問である野村さんから頂いたタカノ。頂いたタカノは、金色のラウンドケースに白文字盤、茶色のベルトが取り付けられており、今回購入したオメガとは雰囲気が大きく異なる一本だ。まだ持っている本数が少ないため、購入するのであれば系統の異なる時計が欲しいということからデ・ヴィルの購入に至ったという。
「デ・ヴィルはジンプルかつエレガント」(葛西さん)
「都会的ですもんね」(松井さん)
「“ヴィル”はフランス語で“街”という意味ですね。そして、“プレステージ”は“名声”や“威信”の意味があって格好良いなと思いました」(葛西さん)
「そうですね。名前がいいですよね」(松井さん)
「いざ『デ・ヴィル プレステージ』と検索してもトノー型は見当たらないんですよ。ほかは普通のラウンドケースにローマ数字。レアなのだと思います」(葛西さん)
「検索して出ないのであれば、レアな一本ではないでしょうか。先ほどタカノのお話がありましたけれど、デ・ヴィルとは『こういうシーンで着け分けたいな』とイメージはありますか?」(松井さん)
「シーン別というよりは、やはり服ですね。今日は黒で合わせてアクセサリーはシルバーなのでデ・ヴィル。ブラン系やゴールドのアクセサリーの時はタカノを着けたいですね。ただ僕はけっこう黒を着ることが多い(笑)。デ・ヴィルは愛用しています」(葛西さん)
葛西さんは現役の大学生だ。ヴィンテージ時計を愛用していることを友人たちはどのように見ているのだろう。
「春休みに購入したので、まだ大学には着けて行っていないのですが、友人に見せたら『何それ? めちゃくちゃ格好良いじゃん!』と言われました。時計には詳しくなくても『オシャレだね』と言ってくれる人が多くて、『やっぱり良い時計なんだな』と嬉しいですよね」(葛西さん)
「裏蓋を見るとしっかりと刻印が残っているのがいいですよね。年代的にも新しい顔つきの時計だと思うんですけれど、葛西さんの生まれは?」(松井さん)
「僕2005年なんですよ! デ・ヴィルはもともと1960年に“シーマスター デ・ヴィル”として出てきた時計。デ・ヴィルだけで出てきた時計ではなかったんです」(葛西さん)
葛西さん曰く、デ・ヴィルは発売当時シーマスターとのダブルネームだったが、1967年に独立したラインとなり、1994年にプレステージが発売されたという。
「バースイヤーでないのであれば、2000年の時計よりも1999年はちょうど過渡期のイメージで良いかもしれない」(松井さん)
「そうですね。生まれ年の時計はまた別で買おうかなと思っています」(葛西さん)
良い時計を購入して一生使うのがおすすめ!
「学生にとって安い価格帯ではないですよね? 見ている方には学生の方もいらっしゃると思うんですけれど、何か選ぶ視点があれば教えてください」(松井さん)
「ヴィンテージ時計は、きちんとメンテナンスをしていれば半永久的に使えるもの。良い時計を買って一生使う方が良いのではないかと思います。長く着けていると自分だけの一本になる。この時計に関して言えばヴィンテージの中では新しい方なので、これから焼け感などヴィンテージ具合を楽しめますね」(葛西さん)
「それでも20年以上前の時計。今回本当に素敵な時計を購入できて良かったですね!」(松井さん)
「最高です!」(葛西さん)
ヴィンテージ時計は一生使えることに加え、次世代にも繋いでいけるものでもある。好みで気に入る時計があるのであれば、思い切って若いうちに購入し、自身の成長とともに長く愛用するのもロマンがあるのではないだろうか。
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