<初心者向け>ヴィンテージウォッチの選び方と小径モデル4選の詳細ガイド

2023.04.17
Written by 戸叶庸之

文=戸叶庸之

腕時計のサイズ感はたった数ミリの違いで印象が変わるため、購入の決め手となる重要なポイントとして見逃せない。ヴィンテージから腕時計を探す場合、一部の例外を除くと、現行モデルよりも明らかに小ぶりなサイズが見つかる場合がほとんどだと思う。そこで連載第1回では、「ファイヤーキッズ」の店頭に陳列された品々からヴィンテージウォッチならではの魅力が詰まった小径モデル4本を紹介する。

1.ロレックス エアキング Ref.5500(33mm径)

ロレックス『エアキング』 Ref.5500、自動巻き(Cal.1520)、1983年製、33㎜径 49万8000円

ヴィンテージロレックスといえば、人気のプロフェッショナルウォッチを思い浮かべる方が多いと思うが、該当するモデルはケース径が36~40mm前後と、現行のコレクションとそこまで大きな違いはない。これに対して、「エアキング Ref.5500」は33mm径とかなり小ぶりになる。

もちろん、ここで「小さい方が正しい」といった類の話をするつもりはない。そこで注目すべきポイントが、風防まで含む、時計全体の厚みである。Ref.5500の場合、ローターが取り付けられた自動巻きムーブメントに加え、厚みのあるプラスチック風防であることから適度なボリューム感がある。

すっきりとしたデザインと絶妙なサイズバランス。Ref.5500が根強い人気を持つ理由はそこにあるのだと考えられる。

2.オメガ シーマスター Ref.166.010 SP(35mm径)

オメガ『シーマスター』 Ref.166.010 SP、自動巻き(Cal.564)、1969年製、35mm径 19万8000円 

ヴィンテージに該当する時代に作られたオメガの「シーマスター」という名称は、モデル名というよりも防水時計全般を指す。様々なバリエーションが存在するなかで、こちらの個体はクロノメーター仕様のグレードの高いモデルになる。

さて、本題に入ろう。年代やデザインにもよるのだが、「シーマスター」に該当するヴィンテージモデルは、34~35mm前後のケース径で見つかる場合が多い。このモデルは35mm径と標準的なサイズ感だといえ、小径モデルの入門機として適切な1本だといえる。

嬉しいことにジュビリーブレスが付属するため、幅広い服装に合わせやすい点も購入のメリットとして挙げておきたい。

3.キングセイコー 44KS Ref.49999(36.5mm径)

セイコー『キングセイコー』44KS Ref.49999 、手巻き(Cal.4420A)、1964年製、36.5㎜径 31万8000円

「ヴィンテージウォッチは気になるが、どうも小さく感じてしまう」。そんな声を耳にするが、確かにメンズウォッチとしては小ぶりすぎて、着用が難しいモデルがあることも否めない。

その場合は、手始めにケース径36mmオーバーのサイズから試してみてはいかがだろうか。

最近、復刻モデルが話題のキングセイコーのヴィンテージウォッチは、この条件に当てはまるモデルを見つけやすい。ここで紹介する36.5mm径の「44KS」は、製造期間がわずか2年のレアモデル。前期型は12時位置に筆記体で「Chronometer」の表記が入るのが特徴だ。

グランドセイコーにも通じる先鋭的なケースデザインは、実寸以上に大きく見える存在感がある。

4.チューダー サブマリーナー Ref.75190(36mm径)

チューダー『サブマリーナー』 Ref.75190 、自動巻き(Cal.2824-2)、1999年製 36.5㎜径 31万8000円  

チューダーの「サブマリーナー」は掘り下げれば掘り下げるほど、新たな発見がある。

1990年代頃のコレクションでは4つのサイズ展開があり、Ref.75190は2番目に大きなサイズである。いくつものバリエーションがあり、ダイヤルカラー、ベゼルインサート、ブレスレットの組み合わせによって印象が様変わりする。

こちらのモデルについて簡単に説明すると、合わせやすいブラックのダイヤル&ベゼルインサートに加え、ジュビリーブレスが男女ともに着用できる小径の「サブマリーナー」は、昨今の腕時計のトレンドにもぴったりハマる。

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戸叶庸之

戸叶庸之

神奈川県出身。大学在学中に出版社でのアルバイトからマスコミ関係の仕事に携

わる。その後、カルチャー誌、ファッション誌で編集・ライターとして活動をスタート。Web媒体は黎明期から携わり、藤原ヒロシ氏が発起人のWebマガジン「ハニカム」、講談社「フォルツァスタイル」などの立ち上げに参加。現在は、各種メディアで執筆、編集、ディレクションのほか、Webマーケティングや広告案件に従事。時計については、趣味でヴィンテージロレックスを収集しつつ、年代やジャンルを問わず、様々な角度から高級時計のトレンドを常に追いかけている。

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