レアすぎてニセモノ扱い? 見つけたら即買いな新入荷ヴィンテージ腕時計3選
他の人と被る心配が少なく、差別化をはかりやすい重要なアイテムでもあるヴィンテージ腕時計。今回は、新着時計のなかでも「なかなか見かけない」という希少価値の高い3本を見ていく。
14金ホワイトゴールドケースは珍しい。ハミルトン『パイピングロック』
まずは「ホワイトは初めて見たかもしれない」という、1937年製・ハミルトンの『パイピングロック 14金ホワイトゴールド 手巻き』。ハミルトンの名作で、復刻モデルも出ているパイピングロックのオリジナルだ。
「ホワイトゴールドってすごいよね」(松浦さん)
「復刻モデルはステンレスですよね。見比べてみたんですけど、ハミルトンの字が違ったり、スモセコの中の光り方が違ったり」(宮崎さん)
「サイズ感も良いし、その周りを囲っているローマンのベゼルがシャキっとした感じもあって、針もブルースチールでちょっと凝っているじゃない?」(松浦さん)
可動式ラグになっている14金ホワイトゴールドケースに、多少の表面劣化が見られるオリジナルダイヤルはヴィンテージらしさを感じる1本。1937年製だがラグも動き、腕へのフィット感や袖が邪魔にならない仕様も嬉しいポイントだ。
「どのくらいレアなんですか?」(宮崎さん)
「出回っているもののほとんどは、ブラスにクロムを掛けているモデルだから、コンディションがやはり保たれてないんだよね。コンディションの維持というところで言うと、ホワイトの方がやはり良い。そもそも残っていない個体」(松浦さん)
「防水とかそういったところも発展途上の時代なので、文字盤自体もダメージがあって当たり前だし、このくらいの経年変化でまだしっかり残っているのであれば良いよね」(松浦さん)
テクノス『スカイダイバー』火山のような形状が特徴の通称・ボルケーノケース
2本目は「1000mという無駄な感じが良いね」という、テクノスの『スカイダイバー 1000m ボルケーノケース』を見ていく。火山の様なベゼルとケースの形状が特徴である通称・ボルケーノケース。
「腕に乗せた時のサイズ感というか、インパクトがすごい」(宮崎さん)
「分厚いね。空なの? 海なの? どっちなの? という名前も良いよね」(松浦さん)
「当時は完全にアクティブ仕様の時計として出されていたんですか?」(宮崎さん)
「そうだと思うよ。時代的にも60年代後半から出てくるシーライン。その流行に沿ってきているデザインだし、ダイバーなのにカレンダーがあるから陸で使うことも想定してますよね」(宮崎さん)
1970年代の当時としては驚異の1000mダイバーモデルの入荷に「みんなこれのすごさがイマイチ分かっていない」と、思わず横から野村店長が出てきてしまう。
「ロレックスのシードゥエラーは60年代後半に出て660m防水とかでしょう? これは1000mだよ、すごいでしょう? という話なんですけど、まだセイコーは300mダイバーを出していたよね」(野村店長)
「これは本当に1000m行けたんですかね?」(宮崎さん)
「当時の基準では1000mを超えていたけど、今の基準でいったら無理かな。防水規格も変わっているから。この個体はスペシャルで、なおかつノンポリッシュ。というか多分使っていないよというくらいのレベル」(野村店長)
ベルトには、オリジナルのトロピックのラバーベルトが装着されている。当時、ジャガールクルトやブライトリングも使用していたトロピックは、現在3〜5万円で取引される高価なベルトだ。野村店長が「値段を聞かずに買っちゃった」という、この非常に状態の良い1000mダイバーモデルは売り切れ必至だ。
クォーツ全盛の時代に薄型自動巻き。オーデマ・ピゲ『スケルトン』
3本目は「The 高級な時計ですよね」ということで、1970年代製・オーデマ・ピゲの『スケルトン 18KYG 自動巻き』。肉抜きされたムーブメントにエングレーブによる装飾が細かく、美しい造形だ。着用してみると自分の腕が透けて見えるのも面白い。
「肉抜きすることによって、耐久性とかある程度犠牲にしてると思うんですけど、日常使いは問題ないですか?」(宮崎さん)
「しっかり使えます。ただこういう作りなので、そもそもが乱暴に使う構造ではないし、汗をかく環境にいない人が買うかなと」(松浦さん)
「ちょっとスチームパンク感だったり、ステンドグラスみたいな厳かな感じだったり、30数mmの中にそれが入ってるというすごさ」(宮崎さん)
文字盤はなく、外周にインデックスが配されている。スケルトンモデルは比較的手巻きが多いが、オーデマ・ピゲのスケルトンは自動巻きということで、全面スケルトンの中でもかなりレアな1本だと言う。
「時代背景的に70年代後半ぐらいの時計なので、クォーツ全盛の時代だから、薄型自動巻きにすごくこだわりを感じるよね」(野村店長)
「電池の時計、クォーツと言われるものが世の中を席巻する中で、技術を見せてやろうというところが出ていますよね」(松浦さん)
「金無垢ローターを使っているしすごい作り。ただ意外とルーペとかで見ると彫が甘かったりとかあるんだけど、意外とちゃんとガラスも採用しているし、抜群でしょう?」(野村店長)
「笑い話なんですけど、うちのスタッフが『これは偽物ですよ』と言ってきた」と野村店長。勘違いしてしまうスタッフが出てきてしまうほど、市場に出回らないレアすぎる1本だ。
今回は「もう出会えないかもしれない」個性的で貴重性の高い3本をご紹介した。日常使いには少し難しいデザインや金額のモデルの高級腕時計もあるが、実際に着けてみると画面上で見ている印象と大きく変わることもある。