オメガダイバーズの金字塔!『シーマスター 300』サードモデル

2024.07.26
Written by 戸叶庸之

文=戸叶庸之

オメガ『シーマスター 300』Ref.165.024(1967年製) 
自動巻きCal.552 ステンレススチールケース 40mm径 ¥1,380,000 

オメガを代表するダイバーズウォッチして絶大な人気誇る『シーマスター 300』。その歴史を紐解きながらサードモデルの魅力に迫る!

安定した人気を誇る『シーマスター 300』シリーズ

『シーマスター』はオメガの魅力を語るうえ外せないコレクションだ。初登場したのは、1948年。この当時は『シーマスター』とはオメガの防水時計全般を指すもので、ダイバーズウォッチの名称ではなかった。

1957年、『レイルマスター』『スピードマスター』を含むトリロジー3部のひとつとして『シーマスター 300』は誕生した。プロフェッショナル仕様のダイバーズウォッチであった『シーマスター 300』は、200mの防水性能を持ち、その優れた信頼性から民生用以外に軍に供給された実績を持つ。ただし、人気に比例して軍用モデルは偽物が圧倒的に多い。

『シーマスター 300』の伝統的なコレクションは、マイナーチェンジを繰り返しながら1970年代まで製造された。ノンデイトとデイト付きがあるなどいくつものバリエーションがある。

今回紹介するのは、1967年製の『シーマスター 300』サードモデル。ちなみにこちらは初期にモデルにあたる。

軍用モデルにも採用された極太の時針や分針に注目!

保存状態に関しては、ダイヤルやインデックスはややくすんでいるが、ケースのコンディションは良好でこれといった大きなダメージはない。何より嬉しいポイントはオリジナルのキャタピラーブレスレットが装着されていることだろう。なぜなら、パーツが豊富に流通しているロレックスと違って、オメガのパーツは極端に流通量が少ないため、キャタピラーブレスレットを単品で探し出すことが非常に難しいからだ。

大変貴重なゲイフレアー社のキャタピラーブレスレットが付属していることもポイントが高い

装着感についても触れてみよう。同時代のロレックスの『サブマリーナー』と比較すると、ケースの厚みが抑えられている分、優れた着け心地を体感することができる。またケース径42mmであるため、現行コレクションとも違和感なく装着できるはずだ。

サードモデル特有の美しいラグの流線的なフォルムが際立つ

ケースに搭載された自動巻きムーブメントCal.552は、オメガの黄金時代を支えたムーブメントして大変定評がある。

Cal.12は、世界初の自動巻きクロノグラフ専用ムーブメントCal.11(クロノマティック)の改良版にあたる名機である

大量生産かつ高品質をキープするオメガならではの魅力が詰まった『シーマスター 300』サードモデル。ヴィンテージにおけるダイバーズウォッチの金字塔として絶対に外せない存在だといえるに違いない。この機会にぜひチェックしたい。

次に着目すべきポイントは、42mm径のケースサイズにある。このサイズ感は当時ではかなり大きな部類だと考えられるのだが、現行コレクションに近いため、現代のファッションとも好相性である。

オリジナリティやコンディションについて触れておきたい。保存状態はこれといった欠点はなく、オリジナルのゲイフレアー社のブレスレットが装着されていることが評価すべきポイントに挙がる。

希少性だけでなく、デザインの視点からも人と被らないクロノグラフ。この『シーマスター 300』の魅力はそこに集約されている。そこには、ヴィンテージクロノグラフの奥深い世界が広がっている。

writer

戸叶庸之

戸叶庸之

神奈川県出身。大学在学中に出版社でのアルバイトからマスコミ関係の仕事に携

わる。その後、カルチャー誌、ファッション誌で編集・ライターとして活動をスタート。Web媒体は黎明期から携わり、藤原ヒロシ氏が発起人のWebマガジン「ハニカム」、講談社「フォルツァスタイル」などの立ち上げに参加。現在は、各種メディアで執筆、編集、ディレクションのほか、Webマーケティングや広告案件に従事。時計については、趣味でヴィンテージロレックスを収集しつつ、年代やジャンルを問わず、様々な角度から高級時計のトレンドを常に追いかけている。

記事を読む

ranking