この1本さえあればハズレなし。毎日着用できるヴィンテージ腕時計とは
時計マニアが集まるFIRE KIDSのスタッフが、ヴィンテージ時計の魅力を伝えるYouTubeコーナー。毎回異なるテーマで、厳選されたモデルをご紹介する。
今回は「毎日着けられる高級ヴィンテージ時計」ということで、日常的に身に付けることができる実用性の高いモデル2本をチェックしていく。
シンプルで飽きのこないデザイン。オメガ『シーマスター』
まず1本目は「時計を買ったら毎日着けたいですよね、着けたくて買ってますからね」と、スタッフの宮崎さんが実際に毎日愛用しているという、オメガの『シーマスター 1968年製 Ref.166.010 純正ライスブレス付き』だ。
「これを選んだ理由の1つとしては、自分が毎日着けていて不具合もなく、どんな服装にも合う、やはりこのシンプルな見た目でヴィンテージの雰囲気があるので、周りの人にも『僕もほしい』と褒められるんですよね」(宮崎さん)
「カッコいい。宮崎さん言ってたじゃないですか? 『オメガは着けていくとじわじわとカッコよくなっていく』と」(クリスさん)
「特にヴィンテージのこのぐらいの年代のシンプルなやつだと、着けていくうちにもう肌の一部になっていく感覚があるんですよね」(宮崎さん)
ムーブメントはクロノメーター仕様のCal.565を搭載し、シルバー文字盤とドルフィンハンドのシンプルで飽きの来ないデザインが魅力的な1本だ。
「『デイト無しが良い』という方もいらっしゃるんですけど、自分はどんなモデルに対しても結構デイト有りの方が好きなんですよね」(宮崎さん)
元々デイト無し派だったという宮崎さんだが、以前日付の無い時計に変えた時に違和感を感じ、それ以来デイト有り派だということを自覚したという。
GSスペシャル級規格をクリアした機械を搭載。セイコー『グランドセイコー』
2本目は「毎日使っていく自動巻き、自動巻き最高!」とクリスさんが紹介する、『グランドセイコー デイデイト スペシャル 1972年製 ハイビート 61GS Ref.6156-8000』だ。
「毎日使うなら面倒くさくないかは別にしても、自動巻き良いですよ。しっかり巻き上がりますし、あとこの日本語表記の『デイ』良くないですか?」(クリスさん)
「でもこれ日本人だと結構英語にしたくなっちゃいますよ。海外の方だと漢字デイを選びますよね」(宮崎さん)
「あと特徴としては、通常の61GSとは少し違って中がより精度を求めた機械が積まれているという1本です。61GSを選ばれる方ももちろん多くいるんですけれど、スペシャルの方が良くないですか?」(クリスさん)
「『デイデイト尚且つスペシャル』ってもう最上位ですよ」(宮崎さん)
グランドセイコーのGS規格より厳しいGSスペシャル級規格をクリアした機械を搭載したモデルで、文字盤の6時位置にGSスペシャルと記載がある。ムーブメントは自動巻きハイビートのCal.6156Aを搭載。
「デイデイトが見えないから、ノンデイトが良いという方が多いんですけど、見えるうちはあっても良いんじゃないかなみたいな(笑)毎日着けるとなったらズレませんし」(宮崎さん)
「このデイデイトは合わせやすい機械なんですよ。ロレックスとかと違って、2段引き式で1段引いて12時の方向がデイト、6時の方向がデイ、これだけで調整できちゃうので簡単ですね。これ面倒くさいってどういうこと? って思います」(クリスさん)
『シーマスター』と『61GS』の2本を選んだ基準としては、オンオフ問わずに使える、尚且つ自動巻きで、そしてシンプルなデザインとサイズ感であることだと話す。また、1930年〜1940年代のヴィンテージだとより一層ケアに気を使う必要があるので、毎日気軽に使うとなると1960年〜1970年代のものがベストだと言う。大量生産が始まった後のモデルは、仮に故障した場合でも部品を直すのが容易なものが多いからだ。
今回は、日常的に使いやすいシンプルで万能な2本を紹介した。比較的毎日使っても安心な個体ではあるが、ヴィンテージ腕時計を長く愛用するためには、扱い方や定期的なメンテナンスなどある程度の配慮は必要になるので、正しい使い方を把握しておくことがポイントだ。