もうロレックスの妥協版とは言わせない!魅力あるチューダーの価値

2024.12.16
Written by 編集部

出演:野村×三好

チューダーは、ロレックスのディフュージョンブランド(認知・販路の拡大のため価格を抑えたブランド)として売り出された時計だ。ロレックスは高くて買えないからとチューダーを検討する人が多いようだが、チューダーにはチューダーとしての魅力と価値がある。

今回は、ファイアーキッズ顧問の野村さんとチューダー好きのスタッフ三好さんが、魅力的なチューダーを4本ピックアップして価値を語る。

ロレックスから引き継がれるオイスターケース

「似たモデルだとチューダーもロレックスだと言う方もいますが、それでいいのでしょうか?」(三好さん)

「まぁチューダーを低く見ているところはあるよね。それはなぜか。ロレックスの良さがわかっていないから。ロレックスの良さはオイスターケースなの! オイスターケースが良いから中の機械のコンディションが悪くならない。パッと見てロレックスだとわかるデザインも魅力だし、やはり頑丈さが良い。ロレックスの良さはオイスターケースに尽きると思う。チューダーの良さもまさにオイスターケース!」(野村さん)

「それが最大の持ち味。チューダーでもオイスターケースを買えることをプラスに捉えている方が多いですよね」(三好さん)

「これから紹介するチューダーもすべてオイスターケースですから。良いケースに中の機械が保護されている。なおかつETAの機械で最強じゃない? メンテナンス性の良さ、コストの安さ、精度の高さがある」(野村さん)

オイスターケースの良さを持ち合わせながら、チューダーはロレックスよりも安く買えるのが魅力だ。

1990年代後半〜2000年くらいにブランドイメージを分けるような流れが見られ、それまではロレックスと同じ王冠リューズであったが、盾リューズに変えている。しかし、頑丈なオイスターケースはそのまま引き継がれた。

「私もチューダーを買いましたが、1953年のものですがオイスターケースの安心感があります。私は同年代のロレックスとは別物として見ていて、ロレックスがあってチューダーを選んだわけではなかったです」(三好さん)

腕乗りのいい、チューダー プリンスオイスターデイト

それでは、チューダーを4本ピックアップして紹介する。そのうちの3本は1990年代のモデルだ。1本目は、チューダー『プリンスオイスターデイト 1992年製 Ref.72000 ホワイトローマン』。チューダーではメンズを“プリンス”、レディースを“プリンセス”と呼んでいる。

「チューダーといえばちょっとコンパクトな感じで、文字盤の配置が心地よくて好きなんですけれど、野村さん的にはどうですか?」(三好さん)

「ロレックスが好きじゃないポイントとして、光すぎているところがあったのよ。キラキラなのは俺とは違うなと。でもこれはロレックスらしくない。単色のホワイトでしかもローマ数字、ベゼルはスムース。これがフルーテッドベゼルだとキラキラしちゃうよね。そしてヘアラインが入っている仕上げのブレス。もうキラキラ感は皆無」(野村さん)

「1990年代でホワイトダイヤル・ローマン数字ときたら、フルーテッドベゼルだとかゴールドの縁だったりするイメージがありますけれど、これはけっこうカジュアルです」(三好さん)

カジュアルで着けやすく、プリンスとはいっても女性が着けても良いサイズ感だ。現行品は大きく作られているものが多いため、腕乗りのいいサイズを探している方は、ぜひヴィンテージのチューダーを覗いてみよう。こちらの価格は26万8千円。維持費が安いうえに頑丈なため、ヴィンテージ初心者の方にもおすすめしたい。

ボリューム感抜群! チューダー クロノタイム

2本目は、チューダー『クロノタイム Ref.79180 1994年製 逆パンダダイヤル ロレックス修理証明書付き』を紹介する。

白黒の配色から“パンダダイヤル”と呼ばれるものがあるが、これは黒がベースのため“逆パンダダイヤル”と呼ばれる一本だ。ロレックスのデイトナに似ているモデルと言えるだろう。

「デイトナの定価が60万〜70万円台だった当時、クロノタイムは20万円弱で買えた。今は89万8千円で高くなった気がするけれど、今のデイトナに比べるとまだ安い感じはするよね」(野村さん)

デイトナは格の高い時計であるとのイメージが膨らむがゆえに、実際に腕に着けてみると小さく感じてしまう人も多いという。その点でクロノタイムはボリューム感があって好きだと語る人もいるようだ。腕に着けた時の存在感は群を抜いている。

ヴィンテージライクなチューダー サブマリーナー

続いて紹介するのは、チューダー『サブマリーナー 1992年製 Ref.79090 ブラックダイヤル 箱付き』。

「これ、ロレックスでいえば1970年代スタイルなのよ。フチなし・夜光・プラ風防・巻きブレス。もう完璧だよ。ヴィンテージ感バリバリ」(野村さん)

「ロレックスのサブマリーナーでも1970年代スタイルを探している方が多いと思うんですが、機械やコンディションに関しては1992年ということで安心感もありますね」(三好さん)

30代の方がバースイヤー時計を探している場合には、このあたりがおすすめだ。1990年代製でありながら、ヴィンテージ感が漂う1970年テイストを楽しめる。また、“ミニサブ”や“ミッドサブ”と呼ばれるロレックスにはないサイズも豊富なのでチェックしておこう。

インデックスに小バラを記した、チューダー オイスターデイト

最後の4本目は、チャーダー『小バラ プリンスオイスターデイト 1967年製』を見ていく。三好さんがお弁当に入っているアルミカップみたいだと語る、珍しいベゼルが目をひく。そして、小バラのマークがインデックに刻まれているのが特徴だ。

「インデックスに小バラがあるのは何だろう?と思います」(三好さん)

「間違えちゃったんじゃないかな(笑)。インデックスにバラマークが入っているのは、1997年〜1998年くらいしか見たことがない。たぶん売れなかったんだと思うよ。俺なんか老眼だからインデックスにバラがあっても見えないもん」(野村さん)

「硬貨でも穴の位置が違うと価値が上がったりするじゃないですか。そういう数ある中での遊び心というか、チャーミングさを感じます」(三好さん)

「もう1968年位は盾マークがあるじゃない? だから迷走期だよね。こういうのがヴィンテージは面白いよ。ベゼルも人気がなかったんじゃないかな」(野村さん)

「私はチューダーのそういうところが好きです。トップを独走するわけでもなく、ロレックスが安い価格帯となって個別でいろんなことを試してきた感じが好きですね」(三好さん)

針は先に向かって細くなっている。しかし剣針というほど尖っているわけでもなく、絶妙なデザインだ。こうした少し違う部分を語りたくなる要素が詰まった、不思議な魅力のある一本である。

野村さんが「時計好きで泥沼にハマっているような人が着けていることがある。時計好きにはたまらないポイントがあるんだと思うよ」と語るチューダー。ロレックスが買えないからとチューダーを手にしたとしても、堂々と一生愛せる一本であることには間違いない。

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