ジャガー・ルクルトの定番最新作は普遍のエレガンス!

2025.05.30
Written by 編集部

イギリス軍将校たちからの要請

 1931年、時計を保護するように反転ケースを備えたブランドの代名詞的存在『レベルソ』が誕生した。エレガントなこの腕時計の起源は、インドでポロに興じていたイギリス軍将校たちからの要請によるもの。競技中の衝撃から文字盤を守る腕時計の開発を求められたジャガー・ルクルトが、機能性とデザイン性を高次元で融合させ、このモデルを生み出したのだ。

 誕生から90年余り、レベルソのアイコニックな反転式ケースと直線的で均整のとれたアール・デコ様式のフォルムは、時代を超えてスタイルに敏感な人々を魅了し続けている。とくにシンプルで幾何学的なフォルムは、目まぐるしく変化するファッションにおいても存在価値を高めており、その普遍性によって揺るぎない地位を確立している。

 去る4月に行われたウォッチ&ワンダーズにおいてジャガー・ルクルトは、その『レベルソ』から新しい『レベルソ・トリビュート・モノフェイス・スモールセコンド』を発表した。このモデルはタイムレスなレベルソの魅力をさらに引き立てる18Kピンクゴールド製ミラネーゼブレスレットを備えた魅力的なモデルであった。そう、このモデルはミラネーゼブレスレットが大きな特徴となっているのだ。

ピンクゴールドのミラネーゼブレスレット

 このブレスレットは、13世紀にミラノで鎖帷子(くさりかたびら)として誕生した編み込み技法で、ルネサンス期の金細工職人たちによって製作されていた。この技術が腕時計のブレスレットに採用されたのは1970年代のことになる。

  この『レベルソ』のミラネーゼブレスレットには、16メートル以上のピンクゴールドの糸が絡み合い、ペッツァと呼ばれる布のような構造を形成している。柔軟性を確保するため、職人たちは一つひとつのリンクを手作業ではんだ付けする作業を、中断することなく行うことで成立させている。その滑らかで柔軟な質感は、しなやかに手首に馴染み、コンテンポラリーでありながらもヴィンテージの風合いを併せ持つ逸品となっている。

   植字インデックスと、複数回のプレス加工による繊細なグレイン仕上げを施したゴールドカラーの文字盤は、ポリッシュ仕上げのケース&ブレスレットと美しいコントラストを形成している。

 ケースの厚さわずか7.56㎜というスリムケースに収められているのは、自社製の手巻きCal.822。42時間のパワーリザーブを備えたこの腕時計は、設計から製造、組み立てに至るまですべてを自社で行う、いわゆるマニュファクチュールで製作された。創業以来、1400種以上のムーブメントを開発し、430以上もの特許を取得するなど、技術を繋いできたジャガールクルトの真髄は、この新しい『レベルソ』にも余すところなく発揮されている。

『レベルソ・トリビュート・モノフェイス・スモールセコンド』は、もはやモダンかクラシックか、メンズかレディスか、というカテゴリーを超越したところにある。もちろんケースを裏返した余白には、エングレービングやラッカー仕上げの装飾を施すことが可能。『レベルソ』らしもしっかり受け継がれている。

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