シチズン アラームウォッチの魅力|JLCフェイスの初期型からダイバーモデルまで解説
シチズン アラームウォッチは、1950年代末から製造された機械式アラーム機能付き腕時計です。1959年6月に「国産初のアラーム時計」を生み出したシチズンは、セイコーよりも早くアラーム機能を腕時計に搭載したことで知られています。特に初期型はジャガー・ルクルト(JLC)のメモボックスを意識したデザインで、ジャガー・ルクルトからのクレームにより短期間で製造が終了したとされ、コレクターの間で高い人気を持つモデルです。
本記事では、初期型JLCフェイスから後期の4Hアラーム、そして希少なアラームデイトダイバーまで、シチズン アラームウォッチの全容を解説します。機械式アラームの「ジリリリ」という音に魅せられた方も、これからアラームウォッチの世界に踏み込む方も、ぜひ参考にしてください。
国産初のアラームウォッチ――シチズンが拓いた歴史

1959年、セイコーに先駆けた国産初
シチズンのアラーム時計はセイコーより早く発売されたことで知られる国産初のアラーム腕時計です。1959年に初代モデルが登場し、ジャガー・ルクルトのメモボックスを意識したデザインが採用されました。
初期型は手巻き19石3姿勢調整のムーブメントを搭載。2時位置のリューズでアラーム(インダイヤル)の操作を行い、4時位置のリューズで時計の操作を行う2リューズ構造です。裏蓋の6個の丸穴はアラームの音をより響かせるための工夫で、「ジリリリと虫の鳴き声のような音」が鳴り響きます。
「JLCフェイス」の由来と製造終了の背景
初期型のシチズン アラームはジャガー・ルクルトのメモボックスを意識したデザインだったため、ジャガー・ルクルトからのクレームを受け短期間で製造終了となりました。この経緯から初期型は「JLCフェイス」と呼ばれ、製造期間の短さゆえに現存数が限られるコレクターズアイテムとなっています。
1950年代製のJLCフェイス初期型からは、ステンレスケースの35mm(リューズ別)サイズの個体や、金張りケースの個体が確認されています。Ref.14703やRef.1407057、Ref.140701など複数のリファレンスが存在し、いずれも手巻き19石3姿勢調整のムーブメントを搭載しています。
アラームウォッチのバリエーション
初期型(JLCフェイス):1950年代末〜1961年頃
最も初期のアラームで、JLCメモボックスに酷似した文字盤デザインが特徴です。文字盤中央にアラーム時刻表示用のインダイヤルを持ち、バーインデックスとの組み合わせがエレガントな印象を与えます。
ケースはステンレスと金張り(CGP)の2種類が確認されており、ケースサイズは34〜35mm程度。ツートーンの文字盤を持つ個体や、珍しいシェルダイヤルの個体も存在します。シェルダイヤルは貝殻素材を使用した美しい文字盤で、アラームウォッチの中でも特に希少です。
2代目(4Hアラーム):1960年代中期〜

2代目とされるアラームはアラーム時刻表示がディスク型から針式に変更されたモデルです。「4H(フォーハンド)」の名称通り、時針・分針・秒針にアラーム針を加えた4本の針を持ちます。
1963年製の金張りモデル(Ref.515812)では、ローレット加工が施されたベゼルが特徴で、独特の雰囲気を持つデザインです。2時位置のリューズでアラームの調整、4時位置のリューズで時計の操作を行う構造は初期型と共通しています。
1967年製のブラックダイヤルモデルも確認されています。アラーム音はジリリリとクリケットのような音が響きます。
カレッジアラーム:1968年製
4Hアラームの変わり種モデルとして「カレッジアラーム」(Ref.51201-Y)が存在します。1968年製のモデルが確認されています。
アラームデイト:1960年代後期〜1970年代
日付表示を追加したアラームデイトモデル(Cal.3102搭載)は、1968年製のRef.2802-Yや1971年製のRef.4-310055 Yなどが確認されています。手巻き21石のムーブメントを搭載しています。シルバーダイヤルのサンレイ仕上げなど、文字盤のバリエーションも存在します。
希少モデル:アラームデイト ダイバー

ダイバーとアラームの融合
シチズン アラームの中で最も希少なモデルが、1968年製の「アラームデイト ダイバー」(Ref.ALDS52902-Y)です。生産数が限られており、ダイバーの機能美とアラーム機構を兼ね備えた希少なモデルで、Cal.3102の手巻きムーブメントを搭載しています。
艶のあるブラックダイヤルと回転ベゼル、赤いアラーム針がワンポイントになっており、40mmのケース径は存在感のある着け心地です。リューズは上側がアラーム用のゼンマイ巻き上げと時間設定用、下側が通常の稼働用ゼンマイ巻き上げと時刻操作用になっています。
アラームウォッチの操作方法
2リューズ構造の使い方
| 位置 | 機能 | 操作内容 |
| 2時位置リューズ | アラーム用 | アラーム時刻設定 / アラームゼンマイ巻き上げ |
| 4時位置リューズ | 時計用 | 時刻合わせ / メインゼンマイ巻き上げ |
アラーム音の仕組み
裏蓋に設けられた6個の丸穴は、アラームの音をより響かせるための設計上の工夫です。ハンマーが裏蓋を叩くことで「ジリリリと虫の鳴き声のような音」が鳴り、アラーム時刻を知らせます。
スペック一覧
| 項目 | 初期型(JLCフェイス) | 4Hアラーム | アラームデイト | アラームデイト ダイバー |
| 製造年代 | 1950年代末〜1961年頃 | 1960年代中期〜 | 1968〜1971年頃 | 1968年製 |
| ムーブメント | 手巻き 19石 3姿勢調整 | 手巻き 17石 | 手巻き 21石 Cal.3102 | 手巻き Cal.3102 |
| ケースサイズ | 34〜35mm | 36〜37mm | 37〜38mm | 40mm(リューズ別) |
| ケース素材 | SS / 金張り | SS / CGP | SS | SS |
| アラーム操作 | 2時位置リューズ | 2時位置リューズ | 上側リューズ | 上側リューズ |
| 時計操作 | 4時位置リューズ | 4時位置リューズ | 下側リューズ | 下側リューズ |
| 裏蓋 | 6穴(音響用) | 6穴(音響用) | — | スクリューバック |
| 特記事項 | JLCクレームで短期間製造 | ローレットベゼル(一部) | デイト表示付き | 回転ベゼル / 赤アラーム針 |
選び方のポイント
ポイント1:初期型(JLCフェイス)か後期型か
初期型JLCフェイスはコレクション価値が非常に高い一方、製造期間が短いため入手は容易ではありません。後期の4Hアラームやアラームデイトは、バリエーションが豊富で選択肢が多いのが利点です。
ポイント2:アラーム機能の動作確認
アラームウォッチを選ぶ際に最も重要なのは、アラーム機能が正常に動作するかどうかです。アラームゼンマイを巻き上げ、設定時刻でベルが鳴るかを必ず確認しましょう。
ポイント3:文字盤のコンディション
シチズン アラームはシンプルな文字盤が多いため、表面の荒れやシミが目立ちやすい特性があります。文字盤の「ツヤ」がしっかり残った個体は保存状態の良さを示しています。
よくある質問
Q.機械式アラームの音はどのくらい聞こえますか?
A. 静かな環境であれば腕元からはっきりと聞こえます。ジリリリと虫の鳴き声のような、クリケットのような金属的で風情のある音色が特徴です。目覚まし時計の代わりとしてではなく、機械式アラームの体験そのものを楽しむものとお考えください。
Q.初期型JLCフェイスはなぜ製造終了になったのですか?
A. ジャガー・ルクルトのメモボックスを意識したデザインだったため、ジャガー・ルクルトからのクレームを受けて短期間で製造終了となりました。このため現存数が限られ、コレクターの間で高い人気を持っています。
Q.アラームデイト ダイバーは実際にダイビングに使えますか?
A. ヴィンテージモデルはパッキンが経年劣化しているため、実際の水中での使用は推奨しません。ダイバーズウォッチとしてのデザインと回転ベゼルの実用性を日常で楽しむモデルとしてお使いください。
Q.アラームトラベルウォッチとは何ですか?
A. 1962年製が確認されているモデルで、懐中時計とデスククロックの2つの用途に使用できる仕様です。11時位置のリューズでアラーム操作、1時位置のリューズで時計操作が可能な、旅行用の特殊モデルです。
まとめ
シチズン アラームウォッチは、国産初のアラーム腕時計という歴史的な意義を持つモデルです。ジャガー・ルクルトからのクレームにより短期間で製造終了した初期型の希少性、ローレット加工ベゼルを持つ4Hアラームの個性、そしてダイバーの機能美とアラームの音を一本で楽しめるアラームデイト ダイバーの特別感。裏蓋の6穴から響く「ジリリリ」という音は、デジタル時代だからこそ心に沁みる機械式の温もりです。
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