汗ばむ季節の頼もしい味方になるダイバーズウォッチ4選!【ヴィンテージウォッチ購入ガイダンス2】

2023.06.18
Written by 戸叶庸之

文=戸叶庸之

防水性能はヴィンテージウォッチにとって避けては通れない弱点であるに違いない。たとえダイバーズウォッチであっても油断は大敵だろう。とはいえ、日常生活防水すら厳しいモデルと比べると、かなり安心感があり、これからの汗ばむ季節では頼もしい味方になってくれる。連載第2回は、「ファイヤーキッズ」の店頭に陳列された品々から、オメガ、ロレックス、セイコー、チューダーの4ブランドから選りすぐりのダイバーズウォッチを紹介する。

1.オメガ『シーマスター300  Ref.166.024 67SP』(1967年製)

1957年に発表された「シーマスター300」は、オメガでは初となるダイビングベゼルを備えたプロフェッショナルユースのために生まれたダイバーズウォッチだ。『スピードマスター』『レイルマスター』に並び、プロフェッショナルウォッチ三部作としても知られており、復刻モデルの人気も非常に高い。

『シーマスター 300』はロングセラーであったことから時代ごとにディテールの変遷がある。こちらのRef.166.024 67SPは“ビッグトライアングル”と呼ばれる12時位置の夜光が特徴にあり、ファーストモデルと比べるとパーツ全般がかなり異なっている。搭載された自動巻きムーブメントCal.565は早送りの日付機能を備えている。イギリス軍に支給された軍用モデルも存在するが、残念ながら偽物が多く、本物が見つかることは稀である。

こちらの個体は夜光の欠損はあるものの、年々入手が難しくなっているオリジナルのキャラピラブレスが付属されていることがポイントが高い。

2.ロレックス『シードウェラー Ref.16600』(1997年製)

ロレックス『シードゥエラー Ref.16600』自動巻き(Cal.3135)1997年製、39.5㎜径 1,480,000円

ロレックスが1967年に発表した『シードゥエラー』。初代モデルRef.1665は、当時としては画期的であった深水610m(2,000フィート)を実現。1978年の後続機Ref.16660では水深1,220 m(4,000フィート)まで防水性能を高め、「究極のダイバーズウォッチ」の名をほしいままにした金字塔である。

1991年に登場したRef.16600は、前作のRef.16660と同様、風防がサファイアクリスタル製であるため、一般的なヴィンテージウォッチの弱点である防水面での不安を大幅に解消できる。ここで紹介する1997年製の時計は針がルミナス仕様に交換されているが、その分だけ価格が抑えられている。ギャランティカードも付属する。

ヴィンテージと呼ぶには高年式のモデルなのかもしれないが、現行モデルと明らかに異なるプロポーションが楽しめることも一押しの理由に挙がる。

3.セイコー『プロフェッショナルダイバー300m  Ref.6159-7001』(1969年)

セイコー『プロフェッショナルダイバー300m  Ref.6159-7001』自動巻き(Cal.Cal.6159A)1969年製、44㎜径 898,000円

ヴィンテージウォッチが現行モデルにスペックの面で劣ってしまうことは否定できないが、稀に例外的なモデルと出合うことがある。

国産初のダイバーズウオッチとして1965年に産声を上げたセイコーのダイバーズウォッチは、水深150mの防水性能などの信頼性や安全性が評価され、1966年から4回にわたって南極観測隊越冬隊員の装備品として寄贈されたことを皮切りに、多くの冒険家、あるいは探検家によって、地球のあらゆる過酷な環境下で使用されたことで信頼性を不動のものにした。

1968年には、毎時3万6000振動の自動巻きムーブメントに加えて、300m防水性能を持つダイバーズウォッチを発表。1970年には、日本山岳会の植村直己氏と松浦輝夫氏がエベレスト登頂にこのモデルを使用し、その優れた堅牢性が証明された。

こちらの1969年製の1本は大きなマイナス点が見当たらない優良な個体。ヴィンテージゆえ、防水に関しては細心の注意を払いべきだが、実用面は全般的に期待できる。

4.チューダー 『サブマリーナー Ref.7021/0』(1968年製) 

チューダー『サブマリーナー Ref.7021/0 』 自動巻き(Cal.2484)、1968年製 40㎜径 1,680,000円

“スノーフレーク”の呼称でヴィンテージマニアから親しまれているチューダー『サブマリーナ』のヴィンテージモデル。この針の形状は現行コレクションに受け継がれていることは腕時計に明るい方ならご存知だろう。

フランス海軍に支給されたRef.9401などを含め、該当するモデルはいくつかあるのだが、ここではカレンダー表示機能を持つRef.7021/0を紹介する。Ref.7021/0の3時位置のカレンダーは、奇数が黒、偶数が赤になるのだが、この仕様は1940~1950年代頃のロレックスやチューダーで見かけられる。ベセル&ダイヤルは黒と青の2種類があり、チューダーらしい後者のカラーの方が人気が高い印象だ。

気になるコンディションは、退色によってグレーがかったベゼル、オレンジをまで変色したインデックスの夜光塗料などのエイジングが、ヴィンテージらしい雰囲気を醸し出している。評価の対象となる重要なパーツであるブレスレットは、ロレックス製のRef.7206/FF75が取り付けられている。

writer

戸叶庸之

戸叶庸之

神奈川県出身。大学在学中に出版社でのアルバイトからマスコミ関係の仕事に携

わる。その後、カルチャー誌、ファッション誌で編集・ライターとして活動をスタート。Web媒体は黎明期から携わり、藤原ヒロシ氏が発起人のWebマガジン「ハニカム」、講談社「フォルツァスタイル」などの立ち上げに参加。現在は、各種メディアで執筆、編集、ディレクションのほか、Webマーケティングや広告案件に従事。時計については、趣味でヴィンテージロレックスを収集しつつ、年代やジャンルを問わず、様々な角度から高級時計のトレンドを常に追いかけている。

記事を読む

ranking