ヴィンテージ『ロレックス』! 経年変化を楽しめる3本

2023.07.30
Written by 編集部

出演:野村店長×藤井(販売スタッフ)

古き良き味わいのある『オイスターデイト』

今回は、一癖も二癖もある個性的なヴィンテージロレックスを3本ご紹介する。まずは、そのなかでも藤井さんが「一番控えめ」と語る『オイスターデイト』(ミーラーダイヤル 1966年製 アルファハンド Ref.6694)から見ていこう。

「ステンレスのケース、黒文字盤でゴールドのインデックスと針。この組み合わせはもうヴィンテージって感じがしますよね」(野村店長)

少々表面が荒れており、この味を良いと感じるか否かが好みの分かれるところだ。野村店長曰く、「塗料に混ざっている不純物が変質しているのでは?」という。紫外線や湿気の影響などさまざまな意見があるようだが、本当のところはわからないと笑う。針があるため陽の影響を受けにくい中心部が綺麗に残っていることからも、野村店長は紫外線の影響による変質だと考察する。

「想像できるのも楽しいですよね。前の所有者がどういう風に着けていたのだろうとか」(藤井さん)

「綺麗な文字盤も良いけれど、“自分のもの”という感じがしますよね」(野村店長)

価格は68万円。『オイスターデイト』にしては高いが、ブラックミラーでゴールドのインデックスと針であることを考えるとそれなりの価格になるだろう。針のアルファハンドは1966年以降あまり見られなくなったデザインで、古き良き雰囲気を楽しめる1本だ。

若い人に人気?ジュビリーブレスの『デイトジャスト』

次に紹介するのは『デイトジャスト』(1969年製 ブラウンミラー Ref.1600)。ブラックミラーが経年変化してブラウンミラーとなった1本である。天然素材ではないが、天然素材のように見えるまだらな模様がヴィンテージならではだ。ブレスはジュビリーブレスを採用している。

「昔はジュビリーブレスの良さがわからなかった。でも良いよね。最近の若い人はそんなに抵抗感なく着けるんですけれど、おじさん世代はダメっていう人が多いと思います」(野村店長)

「おじさんっぽいみたいなイメージなんですね」(藤井さん)

「今日もたまたま1973年生まれの人がジュビリーブレスのGMTを、『若い頃はジュビリーブレスなんて絶対に嫌だったんだけれどな』なんて言いながら買っていった。だから趣味が変わるんだね」(野村店長)

ジュビリーブレスのGMTは珍しいようだが、比較的アメリカから仕入れたものには多く見られるという。アメリカ人の好みなのだろう。

「アメリカ人はわかりやすいものが好きなので、ロレックスをしているという感じは、やはりジュビリーブレスの方が強いよね」(野村店長)

経年変化によりダイヤルがムラになってしまうものが多いが、これは全体的に経年変化が見られるため綺麗な1本だ。

インパクト大!“茶ツボ”の『GMTマスター』

最後に紹介するのは、インパクト大な通称“茶ツボ”の『GMTマスター』(1980年製 茶ツボ Ref.16753 3連ブレス)。ブラウンがベースになったルートビアベゼルにフジツボのインデックスから“茶ツボ”と呼ばれる人気モデルだ。

「文字盤の鮮やかなオレンジと、ベゼルの微妙な色落ちでくすんだ感じ。ベゼルの経年変化も格好良い」(野村店長)

ムラになるものが多いなか、これも全体的に経年変化が見られるため雰囲気は良い。『GMTマスター』はカラーバリエーションがあるが、これは個性的で異色だといえる。

「今はどこかしらに黒が入っていますけれど、これはもう全部がブラウン系。どういう背景だったんですかね?」と藤井さんが尋ねる。

「元々は艶ありのもう少し濃いブラウンだったので黒っぽかったはずなんですが、明るく変色しちゃったわけですよね。明るく変色するのは不思議。1970年代後半〜1980年代前半までですよね。短い製造期間のものだけですよ、こういう風にオレンジになるのは」(野村店長)

金無垢のモデルがコンビバージョンとして出てきたことはあるのだろうか。

「最初フジツボダイヤルはGMTコンビよりGMT金無垢の方が先に売り出されていたので、それ用の文字盤がコンビにも採用されている感じでしょうね」(野村店長)

珍しい時計を目にすると、知らない人でも思わず声をかけてしまうという野村店長。こんなエピソードを語り出した。

「電車に乗っていた時、おじいちゃんがGMTの金無垢をしていて電車の中で話しかけちゃった(笑)あわよくば売ってもらおうという勢いで話しかけたんですが、『これ息子がもらうって言ってるんだよね』って言われた。ブレスは伸び伸びだったけれどヘッドが良かった」(野村店長)

どうやら野村店長が知らない人に声をかけたのはこれだけではないようで、赤サブ(ロレックス『サブマリーナー』Ref.1680)を売ってくれと声をかけたら、後日売りに来てくれた人がいたという。野村店長は「本当に怪しい人だよね」と笑いながら振り返った。

「このルートビアのカラーリングは最近まではあったんですよね?」(藤井さん)

「フチありの夜行タイプもこういう感じになるものはあるよね。でも茶ツボでこのカラーリングは1980年代前半まで。貴重ですよ」(野村店長)

1980年代は機械式時計の冬の時代といわれており、高価な時計はクォーツが全盛であった。そうしたなかでも『GMTマスター』のような自動巻きの時計も作っていたロレックス。藤井さんは「偉いですね」と感想を述べた。金無垢のクォーツ時計も出始めた頃で、電池も薄型化している時代を考えるととても希少な1本である。

変色は見られるが綺麗な顔をしているバランスの良い個体。藤井さんは続けて「トータルでバランスが良ければ、“経年劣化”とはいわずに“経年変化”ですね」魅力を語る。

価格は298万円。ベルトの伸びもなく状態が良いため、2人とも「最高レベル」と太鼓判を押す。

3本並べみても、やはり“茶ツボ”の『GMTマスター』が目を引くが、野村店長の好みはヴィンテージらしい顔をした『オイスターデイト』だという。あなたの好みはどれだろうか。どれも唯一無二となる経年変化が魅力だ。

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