ユニバーサル ジュネーブ『トリコンパックス』のようなメカっぽくスポーティなモデルが欲しい~古着YouTuberゆーみん&きうてぃ、きうてぃ編

2023.08.28
Written by 長谷川剛

文=長谷川剛

時計好きに「あなたの時計、見せてください」と依頼するこの企画。今回はビンテージウエアのショップを東京・青山にてスタートさせつつ、学生時代からの親友と古着YouTubeを配信しているきうてぃさんにインタビュー。自身の店舗を立ち上げるまでの経緯から、好みの時計について色々とうかがった。

若い頃からファッション全般に興味を持つ

きうてぃさんは2023年の5月に、東京きってのお洒落エリアである港区青山に、自身のビンテージウエアショップ「Kit Vintage」をオープンさせた若きアントレプレナー。そしてさらに学生時代からの相棒であるゆーみんさんと共同で、大人気古着系YouTubeを配信しているクリエイターでもある。若い頃からファッション全般に興味を持っていたきうてぃさん。学生時代を終えたのち、ゆーみんさんは百貨店に就職を決めるなか、きうてぃさんは高円寺の古着ショップに勤める道を選択した。

「高円寺のショップでは5年ほど働きました。ビンテージやワーク系の古着を扱うお店に在籍し、店員としていろいろな知識や経験を得ることに。そして2023年に独立し、わりとすぐに青山のショップをスタートさせる運びとなりました。ゆーみんとYouTubeの配信を始めたのは2018年。ちょうどその頃はまだ、古着をメインに扱うYouTubeが少ない状況でした。そして二人とも古着に対して一定の知識や自分達ならではの意見も溜まっていたので、それなら配信を始めたらどうか? となってスタートしたのです。といっても撮影の環境やら各種お膳立てを整えてくれたのはゆーみん。僕はいつも言うだけなので、きっと自分一人だったら始まらなかったかもしれません(笑)」

YouTubeのパートナー、ゆーみんさん(右)と

そんなきうてぃさんが手掛けるショップ、「Kit Vintage」はどんなアイテムを扱っているのだろう?

「ラインナップに関してはゆーみんのオンラインショップと似ていて、僕もヨーロッパのミリタリーワークを軸に、1960年代などをメインとするカジュアル服を展開しています。これらのカテゴリーの魅力は個々に色々あるものの、ざっくり言うと、デザインに対し歴史があり、製作意図や機能がしっかり込められているところ。アメリカの古着とはひと味違う、実用的にして繊細な洒落感を兼備しているところが魅力と思っています。またこれらのビンテージ服は現在世界的に注目されており、きちんと価値が認められつつあるところもポイントです」

かなり渋めの時計をチョイス

アイテムの持つ価値に対してクールな目を向けるきうてぃさん。高感度かつ地に足を付けたモノ選びを貫く男子の愛用時計とは? それはドレッシーなエレガンスが特徴である二針のセイコークレドール。今風の若者が持つ時計としてはかなり渋めと言えるかもしれない。

「実は祖父の形見なんです。恐らくですが、僕が古物とも言えるアイテムをあれこれ仕事にしているのを見て、『コイツだったら多分大事にしてくれる』と考え残してくれたのでは(笑)。それと今回ファイアーキッズのスタッフさんにこのクレドールを見てもらったところ、1994年製であることが判明。自分の生まれ年の時計ということで、一層愛着が湧きました(笑)。シンプルだけど上品そうで使いやすいところもお気に入りの部分です」

しかし現代的な若者なら、時刻はスマフォ等で確認するものだったりするのでは?

「これが結構、腕時計でも時刻は確認するんです。というのもYouTubeを含め、現在自分は仕事でSNSを多用しており、スマフォを見てしまうと『お知らせ』通知とかが目に留まって落ち着かないときがある。だから、あえてスマフォを見ないようにしていたり(笑)」

昨今はこのクレドール一本を愛用しているきうてぃさん。しかし、他に欲しい時計がまったくないわけではないとも語る。

「ファイアーキッズで色々な時計を見せていただき、新たな刺激がありました。もし、今もう一本手に入れるのであれば、スポーティなモデルがイイですね。というのもこのクレドールがドレス系なので、コレクションを増やすならその反対系が良いのかなと。なかでも気になったのがユニバーサル ジュネーブのトリコンパックス。多針使いでメカメカしいのにシックな部分を持つのが非常にイイ感じ。そういう意味ではブライトリングも素敵ですが、自分にはすこしケースが大きすぎる。トリコンパックスは非常に理想的だけど、値段がちょっとだけ……(笑)。そのとき同じユニバーサル ジュネーブ製で、ポールルーターという自動巻きモデルを見せていただきました。スポーツ系ではないのですが、なぜか非常に惹かれる部分があったのです。古着も同じですが、将来的に価値が出そうと感じるアイテムに、ついつい手を出すのが自分流だと思います(笑)」

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長谷川剛

長谷川剛

1969年東京都生まれ。エムパイヤスネークビルディングに所属し、『asAyan』の編集に携わる。その後(有)イーターに移籍し『asAyan』『メンズクラブ』などを編集。98年からフリー。『ホットドッグプレス』『ポパイ』等の制作に関わる。2001年トランスワールドジャパンに所属し雑誌『HYBRID』『Warp』の編集に携わる。02年フリーとなり、メンズのファッション記事、カタログ製作を中心とする編集ライターとして活動。04年、エディトリアルチーム「04(zeroyon)」を結成。19年、クリエイターオフィス「テーブルロック」に移籍。アパレル関係に加え時計方面の制作も本格化。

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