ブライトリングによる買収で、ユニバーサル・ジュネーブの時計が狙い目？

先日、ブライトリングとパートナーズグループは、歴史ある時計ブランドを買収し、目の前の課題と、我々が守るべき深遠なる遺産を十分に認識した上で再出発する、との発表がありました。ブライトリングによるユニバーサル・ジュネーブの買収は、かつては輝かしかったユニバーサル・ジュネーブのブランド復活に大いに期待が集まっています。

ユニバーサル・ジュネーブの歴史的な背景

ブライトリングが買収をしたユニバーサル・ジュネーブは1894年にユリス・ジョルジュ・ペレとヌーマ・エミーユ・デコームによってスイスのル・ロックルにユニバーサルとして設立したされました。その後、ジュネーブに本社を移転し、ユニバーサル・ジュネーブの商標登録を行いました。

創業された当初は、時計産業がまだポケットウォッチに重点を置いていた時代でしたが、1930年代にはクロノメーター時計の分野で優れた成果を挙げ、その優れた精度と品質によって、ユニバーサル・ジュネーブの名声が拡大しました。特に運動会や競技会のタイミングを計測するための時計が評価されました。そして第二次世界大戦後、多くの時計メーカーは革新に挑戦しました。ユニバーサル・ジュネーブもその一翼を担い、『トリコンパックス』などの独自のケースデザインや複雑な機能を搭載したムーブメントの開発で時計業界に名を刻みました。

さらに1950年代には、ユニバーサル・ジュネーブはスカンジナビア航空（SAS）が新たに開設した「北極航路」にちなんで、当時無名であった23歳のジェラルド・ジェンタに時計のデザインを依頼し、『ポールルーター』が誕生しました。しかし、1970年代には、クォーツ時計の普及により、機械式時計市場が厳しさを増しました。ユニバーサル・ジュネーブは経営の変遷を余儀なくされ、1989年に香港のステラックス・ホールディングス・インターナショナルに買収されました。

その後もヴィンテージ時計としての評価は高まり続けており、ユニバーサル・ジュネーブのクラシックなデザインと高い製品品質は、今なおコレクターや愛好家たちによって愛され、オークション市場でも高値で取引されています。

そして、先日ブライトリングによるユニバーサル・ジュネーブの買収が発表され、今後のブランド再建が期待されています。

ユニバーサルジュネーブの優れたデザイン

ユニバーサル・ジュネーブのデザインは、歴史的なレガシーを大切にし、時計のデザインにおいても革新と伝統のバランスを重視しています。独自性とクラシックな要素は航空機関連のデザインが特に際立ち、『ポールルーター』などのモデルでは航空機の航路をイメージした特徴的なデザインが見られます。ダイヤルはシンプルで洗練され、時刻表示が正確でスタイリッシュです。

ケースデザインも独自性があり、角ばった形状や非対称なデザインが特徴的です。高品質な素材の使用もポイントで、ステンレススチールや18Kゴールドが一般的に採用され、時計の耐久性とエレガンスを両立させています。『ポールルーター』以外にも、ユニバーサル・ジュネーブは多様なスタイルの時計を製造し、ドレスウォッチからスポーティなクロノグラフまで様々なコレクションが展開されています。

ユニバーサル・ジュネーブのアイコニックなモデル

ポールルーター

『ポールルーター（旧ポラールーター）』は、1954年に初登場した時計モデルで、航空機関連のデザインが特徴です。ジェラルド・ジェンタによる独自のデザインは、航空機の航路をイメージし、航空関連の要素を取り入れています。

北極上の飛行は深刻な磁場の影響を受けるのですが、『ポールルーター』は耐磁性も強化されており、磁場にさらされても正確に動作します。その特異なデザインと機能性から、ヴィンテージ市場で非常に人気があり、コレクターズアイテムとして高く評価されています。『ポールルーター』は時が経つにつれてさまざまなバリエーションが登場し、コレクターたちにとって魅力的なコレクションの一部となっています。

トリコンパックス

『トリコンパックス』は、1940年代から1960年代にかけて製造されたクロノグラフの優れたモデルです。その最大の特徴は、複雑な機能を組み合わせていることで、クロノグラフ、カレンダー、ムーンフェイズ表示が一つの時計に統合されていることです。デザインはシンプルでありながらも高度な技術を取り入れており、洗練された外観が魅力です。ユニバーサル・ジュネーブが独自に開発した高品質なムーブメントが搭載されており、その正確性と信頼性は時計愛好者から高く評価されています。

『トリコンパックス』は、文字盤やケースのデザインが時期によって変化し、異なるモデルが存在します。この時計は時計コレクターたちにとって非常に人気があり、オークション市場などで高い評価を受けています。特に、ヴィンテージモデルは希少性が高く、コレクターズの間で特に注目を浴びています。

ユニバーサルジュネーブとブライトリングの未来

ユニバーサル・ジュネーブとブライトリングの未来には期待と可能性が広がっています。買収によりユニバーサル・ジュネーブはその歴史とレガシー、独自のデザイン、高品質なムーブメント技術を活かし、ブライトリングCEOジョージ・カーン氏のリーダーシップの下で新たな息吹を取り戻すでしょう。

一方で、ブライトリングとユニバーサル・ジュネーブが同じオーナーグループに属することで、両者が協力し合いながら相乗効果を生み出すことが期待されます。技術やデザインの共有、製品ラインの相互補完などが進み、両ブランドがお互いの強みを引き立てることで、業界での影響力を拡大するでしょう。これにより、時計愛好者たちは両ブランドの未来に興奮し、新たな時計の魅力を堪能することができるでしょう。

まとめ

いかがでしたか？ブライトリングによるユニバーサル・ジュネーブの買収は、時計コレクターにとって新たな興奮の波を巻き起こしています。買収により、ユニバーサル・ジュネーブの時計は、新たな時代に向けて注目すべき逸品と言えるでしょう。これを機に、ぜひともヴィンテージ時計の世界に足を踏み入れ、個性豊かなユニバーサル・ジュネーブの時計を探索し、楽しんでみましょう。