オメガの3大マスター。大定番のプロフェッショナルモデルを再解説

2024.01.14
Written by 編集部

時計マニアが集まるFIRE KIDSのスタッフが、ヴィンテージ時計の魅力を伝えるYouTubeコーナー。毎回異なるテーマで、厳選されたモデルをご紹介する。

数々の人気モデルを抱えているオメガ。今回はオメガの代名詞とも言える『シーマスター』『スピードマスター』『レイルマスター』の3つをチェックしていく。

通称・プレボンド『シーマスター クロノメーター 200m』

「海に潜れる時計、潜れた時計(笑)」ということで、全ての『シーマスター』がダイバーズというわけではないが『シーマスター クロノメーター 200m』は、通称「プレボンド」と呼ばれているダイバーズウォッチだ。3大マスターのなかで自動巻きはシーマスターのみ。

「ジェラルド・ジェンタ、ケースサイズはミディアムですね」(髙橋さん)

「クォーツもあるんですけれど、やはり自動巻きが欲しいですよね」(野村店長)

ジェラルド・ジェンタ氏がデザインを手掛けたと言われており、厚みが抑えられたフィット感の良い1本だ。クォーツが大半を占めるなか、希少な自動巻きモデルとなっている。

「これから注目されていくんじゃないかな? と個人的には思います」(髙橋さん)

「そうですよ。だって、これは1988年ですよ? もう35年前の時計ですよ、薄くて良いね」(野村店長)

「この装着感の良さ、フィット感の良さ」(髙橋さん)

「ジェンタの時計は薄いですもんね。ベルトまで一緒にデザインしているので、本当に一体感がある感じがしますよね」(野村店長)

35年前の時計を手にして「歳を取るわけですよね。新品を知ってる世代としては」と、しみじみと時代の変化を感じる野村店長。ケースはミドルとラージサイズで展開されているが、今回は少し小ぶりでも存在感とフィット感が抜群のミドルサイズを紹介した。

オメガの代表的モデル『スピードマスター5th 初期』

2本目は、「4th顔の5th」と野村店長と髙橋さんが声を揃えて言う『スピードマスター5th 初期 Ref.145.022』。1968年製の5thモデルは非常に珍しく、4thと5thが切り替わる僅かな時期に製造されたモデルだ。

「NASAに採用されたことによって、文字盤にプロフェッショナルと入るようになりましたが、誕生時点ではカーレースとかです」(野村店長)

オメガの代表的なモデル『スピードマスター』は、スピード競技をイメージして作られた時計だと言うが、宇宙飛行士でも着けられる品質ということでプロフェッショナル表記が付いたモデルだ。

「伸びが少ない。ベゼルもダメージはあるんですけれども、自然でバランスの良い雰囲気です。Cal.861が入っているので、ある意味ではメンテナンス性はこちらの方が安心ですよね」(髙橋さん)

髙橋さんは「僕の胸にはいつもスピードマスターがある」と、着けなくても存在だけで十分だと語り、野村店長も「確かに万能だから、いつでも着けられるかなみたいな気はしてしまう」とマニアならではの発言。

「カッコいいですね。30年作っているモデルなんてそうないですよね」(野村店長)

「デザインに至っては基本的には今も変わっていないですからね」(髙橋さん)

ムーブメントを変えたりという細かい仕様の変更はあるが、30年間基本構造は一緒とのこと。5thの初期やCal.321、現行品でも良いからこだわりポイントを見つけて「自分の1本」を探して欲しいとふたりは言う。

ミリタリー好きに薦めたい『レイルマスター Ref.2914-6』

3本目は『レイルマスター Ref.2914-6』。オメガの代表作である30mmキャリバーを軟鉄製インナーケースでカバーした耐磁構造の特殊モデルだ。鉄道時計として販売されていたが、スペック的にはミリタリーウォッチに近い。

「ラグも長いし、しっかりとした厚みもあるし、存在感は抜群ですよね」(野村店長)

「軍物は良いですね」(髙橋さん)

「2重構造になっていてね」(野村店長)

「そうですね、スクリューバックで」(髙橋さん)

鉄道時計として誕生した『レイルマスター』はやはり視認性も高く、野村店長は特に「針がカッコいい」と言う。『シーマスター 300』、『スピードマスター』のファーストモデル、『レイルマスターに共通しているのは、ファーストモデルの短針がアローハンドということ。そこから段々と仕様が進化していくのだ。

「軍物のテイストがしっかりと入っている感じもあるので、そこも魅力なんじゃないのかな」(野村店長)

磁気にも強くタフな造りはミリタリーウォッチ好きにはたまらない1本だ。ケース幅は約37mmだが、約13mmとしっかりした厚みがあるので着けた時の存在感もちょうどいい。

ヴィンテージウォッチはデザインや機能だけでなく、作られた背景や歴史を知るともっと愛着がわくのではないだろうか。長い歴史のなかで多彩な展開を行ってきたオメガの3大マスター。オメガが気になる…という方はぜひ深掘りをしてみてほしい。

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