世界初の腕時計を製造したのはカルティエ? 人気モデルの歴史と特徴

2024.01.25
Written by 編集部

時計マニアが集まるFIRE KIDSのスタッフが、ヴィンテージ時計の魅力を伝えるYouTubeコーナー。毎回異なるテーマで、厳選されたモデルをご紹介する。

意外にも腕時計の始まりはジュエラーであるカルティエから始まったと言う。エレガントで繊細な印象を受けるカルティエは、女性に人気のブランドというイメージが強いかもしれないが、男性モデルも日常使いしやすい万能性がある。今回は、カルティエの歴史を4本の時計とともに見ていく。

世界初の腕時計はジュエラーが製造した『サントス』

まず1本目は、1904年に誕生したサントスシリーズ『金無垢サントスLM PARISダイヤル』。カルティエらしいスクエア型のケースに、8つのビスが特徴的な代表的モデルだ。

「案外知られていないんですが、腕時計はジュエラーであるカルティエが初めて作ったと言われているんですね。時計ってラウンドで丸だったじゃないですか?」(菅井さん)

「大体は丸ですね」(クリスさん)

「丸ってやはり懐中時計がどんどん腕時計になっていったので、丸というイメージが強いんですけれども、まさかジュエラーからスクエアケースが出るとは。恐らくカルティエならではの発想で、時計メーカーがやっていたら、スクエアは出てこなかったんじゃないかなと」(菅井さん)

時計メーカーの概念に捉われないことで生まれたこの正方形のケース。時計業界としては歴史的分岐点だったところを、ジュエラーであるカルティエが男性初の腕時計を作ることで大きな影響を与えた。

「すごく歴史的価値のある素晴らしい時計です」(菅井さん)

「だいぶ今のサントスって分厚く頑丈になっていますけれど、あれはあれで良いですよね。ただ、さらっとエレガントに着けると考えると、やはりヴィンテージですね」(クリスさん)

「もう1970年代にこの薄さで発売されていたんですね」(菅井さん)

世界で初めての腕時計は、ルイ・カルティエが友人の飛行家であるアルベルト・サントス=デュモンに依頼されて誕生した。懐中時計のように取り出す手間もかからず、飛行機の操縦時でも一瞬で時間を視認できるようにと作られたのが腕時計の始まりだ。

性別関係なく使える。ビスと八角形が印象的な『サントス オクタゴン』

2本目は、サントスシリーズでは現在生産が終了している『サントス オクタゴンLM 自動巻』を紹介する。「ビス」の装飾や「八角形」のケースデザインが印象的で、1980年代〜1990年代初頭までのわずか10年ほどで製造が終了した希少なモデルだ。

「サントスはスクエアのイメージしかないんですが、オクタゴンという八角形のベゼルを付けるタイプを発売されていまして」(菅井さん)

「面白いですね」(クリスさん)

「今でも名残りのブレスやラグリングのあるネジのタイプのブレスレットが、これが結構アイコニックピースとして受け継がれてきていますよね」(菅井さん)

「確かにカルティエのリングとかにも入っていますもんね」(クリスさん)

当時はメンズサイズとして販売されてきたが、現代では女性が装着してもおかしくないサイズ感。ベゼルやベルトの直線的なデザインはひと目でオクタゴンと分かる。

「今だと生産終了? なかなか珍しいですね」(クリスさん)

「同じサントスというモデルでもこれだけ違うという」(菅井さん)

「オクタゴンのサイズは本当にBeautifulだと思う」(クリスさん)

カルティエらしい高級感を保ちながらも、周りとは少し差をつけたい人におすすめの1本だ。

『タンク』と言えばカルティエの王道モデル

「何で『タンク』という名前になっているか知っていますか?」という菅井さんの問いに、「この間、野村さんがYouTubeで答えてたような…(笑)」と困った様子のクリスさん。3本目は「カルティエの王道」と言えば、というモデル『金無垢ラージタンク 自動巻き』を見ていく。

「1919年ですね、実は戦車(タンク)にヒントがあったんです。元々このタンクのキャタピラの部分がサイドのラグとケースのデザインに落とし込んでいて」(菅井さん)

「美しさを追求するというところから戦車ですからね」(クリスさん)

「カルティエって、そういうところからインスピレーションを受けてデザインするんだなって思いますよね」(菅井さん)

スクエア型のスマートなケースに、ローマ数字のダイヤル、そしてリューズの青い石。第一次世界大戦を終戦に導き「平和の象徴」と言われた戦車からインスピレーションを得て製造された『タンク』。

「ローマ数字、これを見たらもうカルティエですよね。もちろん違う素敵なメーカーもあるじゃないですか? ジャガー・ルクルトとかもやっていますけれども、カルティエですよね」(クリスさん)

「(タンクに限らず)これが100年以上変わってないんですよ、今も同じモデルが作られているって。それだけ優れたデザインということですよね」(菅井さん)

「記憶に残っていくデザイン」「受け継がれていくデザイン」とクリスさんは言う。この永久的なデザインはどの時代にも合うモデルだ。

カルティエのなかでは男性的な印象が強い?『パシャ』

最後は「パシャ18金無垢、金最高!」とクリスさんのテンションが上がった『パシャC K18YG W30134H9 自動巻き 純正18K尾錠付き』を見ていく。モロッコの太守(パシャ)であるエル・シャヴィ公からの要望で作られた防水性の高い時計だ。

「何が特徴かと言うと、やはりねじ込みリューズの方式ですよね。青い石を使ってゴージャスですし、取った時にカチャッと落っこちる装飾もかなり凝って作っていのが、パシャCの防水リューズの特徴ですよね」(菅井さん)

「エレガントなタイムピースばかり。カルティエの時計ってどれを取ってもエレガント」(クリスさん)

トリチウムの夜光と針にホワイトダイヤルの組み合わせが美しい。菅井さんがパシャを着けてみると「上品だけれども、ちょっとManly(男らし)な感じ」とクリスさんは言う。大きめの腕時計を好む男性は多いが、カルティエの小ぶりながらも洗練された存在感と高級時計らしさは時計メーカーにも負けていない。

「そしてあとカルティエのもう1つ素晴らしいところは、青焼き針じゃないですか?」(クリスさん)

ヴィンテージ時計は割と焼いて青くしてあるが、現行や新しめの時計は焼いていない青の針も多く、その中で伝統をずっと守り続けているカルティエは本当に素晴らしいとクリスさんは語る。

「火か熱どちらかを入れるんですけれど、なかなか均一に色味を出すというのは、かなり技術の高い手方で。昔からの技法なんですけれども、熱を入れて鉄の成分変化の変色を用いて作っている色味なので、その時のロット数によってかなりムラがあったりする。でもメーカーの技術力が高いので、かなり均一の色味に持っていけるという」(菅井さん)

「しかもマニュファクチュールになったじゃないですか? そこから1つ1つ技術者がいて、今でも手で組み立てている、素晴らしいですよね」(クリスさん)

どのモデルもカルティエは「仕上げがめちゃくちゃ丁寧」で「デザイン性の高さと機械のクオリティー追求」が抜群だと2人話す。

確かに、ジュエラーであるカルティエには女性が着けても似合う時計がかなり多い。だが、発売当時はメンズで展開していたサイズなので、この少し小ぶりなサイズを気に入る方は多いはず。普段使いしやすいヴィンテージ時計を探している方には、重たい印象になりにくいカルティエをすすめたい。

>>カルティエについてもっと詳しく

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